「kinky」という単語は、多くの日本人にはなじみがないでしょう。
大学入試や各種英語試験でも出題される可能性は極めて低いです。
一般的な意味としては
① ねじれた、よれた ② (髪の毛が)ひどく縮れた
という訳語になります。
「kinky hair」は「くせ毛」と訳せます。
発音が「キンキ」、「キンキー」と聞こえるので、
「えっ、近畿地方って世界的に有名?」
と思ってしまいそうですが、全く関係ありません。
「近畿」のローマ字表記は「Kinki」となります。
「近大マグロ」で一躍全国的な知名度が上昇し、受験者数も年々増加しているのが、大阪府東大阪市にメインキャンパスを構える「近畿大学」です。
元々は「Kinki University」という英語表記でしたが、2016年(平成28年)4月より
「Kindai University」
に変更されました。
「Kindai」=「近大」であり、「大」の後にまた「大学」が来るのは、日本語的にはおかしく感じます。
実際、変更時にはそうした指摘もあったそうです。
しかし、今も英語表記では「Kindai University」あるいは「Kindai」が、ポスターや広告などで使用されています。
なぜでしょうか?
理由は、「kinky」が持つもう一つの意味にあります。
口語だと
① (性格・行動などが)変な、気まぐれな ② 変態の、性的に倒錯した
という意味にもなります。こちらの②が非常に大きな問題となります。
日本語でも、何かのマニアの人に対して「あいつ、あんなに○○に熱中して、もはや変態だ。」などと冗談を言うことがありますが、英語圏の国では「kinky」はかなりキツイ「変態」というニュアンスを含み、堂々とは使えないらしいです。
「Kinki University」と言うと、「Kinky University」と聞こえるそうで、近大の教職員が英語圏の国で大学名を言った途端に、驚かれたり笑われたりしたことも、過去に本当にあったそうです。
確かに日本語で「変態大学」と言われたら、びっくりしてしまいます。
大学側にとっては、とんだ災難と言うしかありません。
今更そんな理由で大学名を変えるわけにもいきません。
「近畿」に近い言葉としては「関西」が思い浮かびますが、「関西大学」は既に大阪府に存在しています。
「関関同立」(関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学)と呼ばれる、近畿地方の人気大学の一角を占める関西大学に、追い付き追い越そうと全学を挙げて奮闘しているのが、他ならぬ近畿大学なのです・・・。
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