2021年(令和3年)7月、コロナ禍で1年延期された五輪
東京2020
が、世論の反対を押し切り開催されました。
しかし、全く盛り上がりに欠け、いつの間にか閉幕していました。
あれから1年後の2022年(令和4年)8月。
「東京2020」が再び脚光を浴びています。
大会の公式スポンサーや業務委託の契約をめぐり、元大会組織委員や大手紳士服チェーン、大手出版社、広告代理店などが絡む
汚職疑惑が噴出。
刑事事件に発展し、元首相も事情聴取を受けています。
私はふと、
「IOC(国際オリンピック委員会)のトーマス・バッハ会長って、『ぼったくり男爵』と呼ばれてたよな・・・。」
と、どうでもいいことを思い出しました。
この「ぼったくり」、英語では一体何と言うのでしょうか?
和英辞典にはなかったが、スマホで調べると・・・。
大修館書店 ジーニアス和英辞典で
「ぼったくり」あるいは「ぼったくる」
と検索しても、残念ながら見つかりません。
こういう時、スマートフォンで検索できるのは便利です。
Googleで検索すると、すぐ
「ぼったくり = rip−off」
と出てきました。
名詞形だけでなく、動詞形も!
その後、大修館書店 ジーニアス英和辞典で調べると
「rip−off」は
「<略式>盗み:詐取:暴利:泥棒(する人[こと])」
という意味を持っています。
「暴利」
という意味は、まさしく
「ぼったくり」
に相当します。
さらに調べると、
「rip off」
という動詞形もあります。
これも、
「<略式>(人に)法外な値をふっかける」
という意味を持ちます。
英英辞典には、例文も!
オックスフォード現代英英辞典には、名詞形及び動詞形の例文として、次のような文章が載っていました。
「$70 for a T−shirt ! What a rip−off !」
(Tシャツ1枚に70ドル!何というぼったくりだ!)
「Tourists complain of being ripped off by local cab drivers.」
(観光客は、地元のタクシードライバーにぼったくられて文句を言っている。)
「ぼったくり男爵」の英語表現は?
ちなみに
「ぼったくり男爵」
は、アメリカの新聞で書かれていた表現を、通信社が日本語訳したものだそうです。
「Baron Von Ripper−Off」
となります。
「Baron」
は、日本語で「男爵」。
「Von」
はドイツ語で、貴族の名前に使われます。
「ripper」
にはいくつかの意味がありますが、ジーニアス英和辞典には
「引き裂く[剥ぎ取る]人、切り裂き魔、バラバラ殺人の犯人」
という、何とも物騒な意味が書かれていました・・・。
19世紀末、ロンドンの街を震撼させた事件が・・・。
1888年の8月〜11月に、イギリスはロンドンの東部で、少なくとも5人の売春婦が殺害されるという、連続殺人事件が起こりました。
犯人は捕まらないまま、迷宮入りとなりました。
イギリスはもちろん、世界中で有名な未解決事件です。
正体不明の殺人犯は、
「Jack the Ripper」(切り裂きジャック)
と呼ばれています。
「Ripper」すなわち「切り裂き魔」です。
最後に・・・。
「Ripper−Off」
は、切り裂き魔のように人を殺すことはありません。
しかし、とてつもない巨額の金を「剥ぎ取り」、自分のポケットに入れてしまいます。
ある意味、切り裂きジャックよりも怖い存在です・・・。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。