日本では、毎年4月に学校の新学年が始まります。
小・中・高校の新入生も大変ですが、大学1年生が最も新環境への適応に苦労するのでは?
人によっては、全く見知らぬ土地で、人生初の一人暮らし。
友人知人もおらず、人間関係もゼロから構築します。
また、学費・生活費のために、アルバイトも必要・・・。
退職後の『名誉教授』、英語では?
学ぶ内容も、高校までとはガラッと変わります。
教える人も、「教諭」ではなく
「教授」
「准教授」
などと呼び名が変わります。
「大学教授」という肩書きを聞くと、私のような平民は
「エリート」
「権威」
といった言葉を連想します。
ところで、大学教授は定年などで退職すると、
「名誉教授」
になる人が多いです。
仕事や報酬はない、単なる称号ですが、何だかカッコいい響きです。
この「名誉教授」、英語では一体何と言うのでしょうか?
『名誉』の訳し方が問題!
「教授」は、言うまでもなく
「professor」
です。
問題は、「名誉」をどう英訳するかです。
名詞では
「honor(英国ではhonour)」[άnɚ(米国英語), ˈɔnə(英国英語)]
が真っ先に頭に浮かびます。
しかし、そのままでは使えません。
形容詞形にするとなると、
「honorary」[άnərèri(米国英語), ˈɔn(ə)rəri(英国英語)]
となります。
よって、
「honorary professor」
と英訳して一件落着・・・、とはなりません。
『honorary』を使う言葉もあるが・・・。
確かに「名誉学位」なら
「an honorary degree」
「名誉総裁」なら
「the honorary president」
と、「honorary」が使えます。
しかし、「名誉教授」に「honorary」は使えません。
特殊な言葉が用いられる!
大修館書店 ジーニアス和英辞典によると、「名誉教授」は
「(professor)emeritus 」
と表現されます。
同じく大修館書店 ジーニアス英和辞典では、
「emeritus」[ɪmérəṭəs(米国英語), ɪˈmerʌtʌs(英国英語)]は
「<教授が>名誉退職の」(形容詞)
「名誉教授」(名詞)
と日本語訳されています。
「emeritus」だけでも「名誉教授」を表しますが、「professor」を前に付けても構いません。
表現に約束事が・・・。
「○○名誉教授」
と表現する場合は、
「Emeritus Professor ○○」
となります。
「emeritus」がしばしば前に来て、語頭が「E」、「P」と大文字になります。
ちなみに女性教授の場合、アメリカ英語では「Emeritus」ではなく
「Emerita」[imérətə]
と表現されます。
最後に・・・。
今回の「emeritus」は、学問研究の世界で働く方々以外には、基本的に縁のない言葉です。
私のように、地位も名誉もないただのオッサンには、今後も縁がないはずです・・・。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。