Web辞書の時代に電子辞書は必要か?

日常生活で分からない事柄や漢字(読み・書き)が出て来た時、あるいは外国語の学習で分からない単語・熟語が出て来た時、我々が必ずお世話になるのが

「辞書」

です。

広辞苑や国語辞書、英和・和英辞書など、種類は無数にあります。

大型書店に行くと、辞書のコーナーは結構広く、種類の多さに圧倒されます。

 

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Webの登場より先に、電子辞書が紙の辞書を減少させた!

しかし21世紀に入り、インターネットが我々の生活の「インフラ」の仲間入りを果たす過程で、

「紙の本」

全体の発行部数は減少し続けています。

週刊誌やマンガ雑誌もPCやスマホ・タブレット読む人が増える中、辞書も例外ではありません。

辞書の場合、Web時代の到来より前に、既に

「電子辞書」

の登場により、紙の辞書の売上に影響が出ていました。

電子辞書一台に、紙の辞書数冊(初期)~百冊超(現在)の内容が収録されており、持ち運びの手軽さという点で革命を起こしたと言ってよいでしょう。

 

学生時代は、辞書が重くてかさばった・・・。

私の中学~大学時代までは、カバンの中に英和辞書や和英辞書、第二外国語の辞書が入っており、

「重い」 + 「かさばる」

の二重苦でした。

私が30歳を迎える前後の頃に、初期の電子辞書が市販され始めました。

私が最初に買ったのは、今でも電子辞書界でトップを走るカシオの

「EX – WORD」(エクスワード)

でした。

造形はプラスチック感が前面に出て、少しショボい感じがしました。

しかし英語関連の辞書数冊や、広辞苑などの国語関連辞書が収められているのには、やはり感心しました。

 

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二台目以降は全ての面で進化!学習時はほぼ電子辞書のお世話に!

二台目もカシオ「EX – WORD」でしたが、造形はプラスチックではなく、シルバー(色のタイプはいくつかありました)で重厚感がありました。

使いやすさも大きく向上していました。

サイズが大きくなって画面も大きくなり、収録辞書も医学辞典など語学系以外のものが増え、数十冊レベルに達しました。

この頃、私は既に普段の英語学習では、紙の辞書はほとんど使っていませんでした。

イディオム辞書や専門用語辞書など特殊な本は、紙の本しかなかったので、数冊持っていました。

しかし、毎日の学習ではほぼ100%近い頻度で、電子辞書を活用していました。

三台目の電子辞書も、またカシオ「EX – WORD」を選びました。

電子辞書を生産するメーカーが非常に少なかったのと、やはりカシオの製品が最も使い勝手が良かったのが理由です。

英語に加えて、第二外国語(私の場合はイタリア語)の辞書も入っています。

三台目は、10年超経過した今でも現役です。

 

ネット環境の向上とスマホの普及が、電子辞書の運命を・・・。

しかし2010年(平成22年)頃から、インターネット環境(ハード面)及びWebサイトの数・質(ハード面)が、飛躍的な向上を遂げ始めました。

2007年(平成19年)にiPhoneが登場して以降、急速に

「ガラケー」が

「スマホ」

に置き換えられていき、自宅のPCの前に座らなくともネット閲覧が可能になりました。

この潮流が、電子辞書衰退への分岐点だったと言っても過言ではありません。

ネット上で

「Web辞書」

なるサイトが次々と立ち上げられました。

日本語でも、漢字の意味や読み方、言い回しやことわざなどの意味などを検索すれば、多くのサイトが検索結果に出て来ます。

英語などの外国語も同様で、特に英語のWeb辞書の充実ぶりには驚くほどです。

わざわざ電子辞書を買って持ち歩かずとも、いつも服のポケットやカバンの中に入れているスマホで検索すれば、すぐに意味を確認できます。

人間の行動としては、極めて合理的です。

 

コンパクトデジカメの凋落に、電子辞書の行く末を見た・・・?

最近は家電量販店をウロウロすることもなくなったので、最近の電子辞書の品揃えや機能については、正直疎いです。

しかし、これから急にニーズが途絶えるというのは考えにくく、例えばメーカーが生産を中止するような事態は、まだ先のことでしょう。

3~4年ほど前、ある家電量販店に行った際、デジタルカメラ売り場を見て回ったことがあります。

一台10万円は下らない本格的デジタル一眼レフは、様々な種類が並んでいました。

新製品の周囲は、じっくり品定めをするお客さんや、お客さんに熱心に説明する店の人などで賑わっていました。

しかし、せいぜい2~3万円くらいまでのコンパクトデジカメの棚の周りには、ほとんど人がいませんでした。

並んでいる商品も、大手メーカーの商品にもかかわらず、素材の一部がいかにも安っぽいプラスチック製の物が、結構多く見られました。

画素数も、昔に比べればかなり多くなってはいるものの、ちょっといいスマホとさして変わらないレベルでした。

メーカー側も、コンパクトデジカメにはもうあまり力を注いでいないことが、素人の私にも分かりました。

電子辞書も今後は、コンパクトデジカメと同じような運命を辿ることとなるのでしょう。

 

最後に・・・。

電子辞書のヘビーユーザーである私にとっては、スマホよりも電子辞書の方が調べやすく、学習効率も優れています。

しかし、工業製品も

「性能の良い物」

が必ず生き残るとは限りません。

消費者の要望や社会の変化に適応した商品が生き残り、普及するという

「適者生存」

の掟は、生物界と同じなのです・・・。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。