花形職業「コンサルタント」は本当に顧客の役に立っている?

こんにちは。husband(@kumafumoblog)です。

近年、大学生の就職希望アンケートでランキングが上昇しているのが

「コンサルティング会社」

です。

その中でも特に、「外資系」の人気が高まっています。

ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)、マッキンゼー、AT&カーニーなどは、テレビや新聞・雑誌などでよく見聞きする名前です。

東京大学などの名門校から就職する人数が増えています。

キャリアを積んで実績を残したコンサルタントにもなると、年収も

数千万円~1億円

になると言われています。

多くの大企業を顧客として抱える会社もあり、ビジネス界では「花形」の職業の一つに数えられます。

 

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コンサルティング会社の助言は、本当に有効なのか?

個人的には、コンサルタントの仕事自体には特に興味がなく、高収入をうらやましく思うだけです(笑)。

ただ、一つ疑問に思うことがあります。

それは

「コンサルティング会社の助言は、本当に顧客企業(格好良く言えばクライアント)の役に立っているのだろうか?」

という点です。

こんなことを書くと

「お前みたいなド素人に何が分かる?超一流大学を出て、MBA(経営管理学修士号)などの学位や資格も持っているコンサルタントのアドバイスだ。役に立つに決まってるだろ!」

とのお叱りの声が殺到しそうです。

しかし、いくつかの点を考慮すると、上記の疑問はそう簡単には解消しません。

 

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コンサルティング会社は、全知全能なのか?

まず第一に、コンサルティング会社がこの世の全ての業界について、顧客企業に助言できるほどの知識・経験を持ち合わせているのか?という点が挙げられます。

コンサルティング会社の中には、IT業界専門、流通業界専門など特定分野に特化した所もあります。

しかし、大手(外資系)のほとんどは、あらゆる業界の企業に対してコンサルティングを行っています。

様々な業界で働いてきた人材をコンサルタントとして抱えているでしょうが、全ての業界というわけにはいかないはずです。

顧客の属する業界での経験が全くないコンサルタントが、頭で覚えた知識やパターン化された市場調査・分析などから導き出した結論に従うことで、顧客は思ったような成果を手にすることができるのでしょうか?

 

最前線で働く自社の従業員が、自ら調査・分析するのが確実では?

第二に、顧客企業で働く従業員たちは、いずれもその会社が属する業界のいわば「プロ」です。

ある程度の期間勤務すれば、自社及び業界についてはかなりの知識・経験を身につけることになります。

やはり、最前線で日々働く人間の強みと言えます。

外部からコンサルタントを招くより、そうした現場の人間が自ら調査・分析を行って、結論を導き出す方が、はるかに精度・信頼性の高いものになるのではないでしょうか。

いくらコンサルタントが過去にその業界に長年いたとしても、日々刻々と移り変わるビジネス環境において、現・業界人を上回るアイデアなどを出せるのか?と思います。

もしコンサルタントの方が優れた提案を出してくれば、雇った企業としては単純に喜べない状況のはずです。

自分の会社で日々働いていて、色々な知識・経験を蓄積しているはずの従業員が、部外者より劣った結論しか出せなかったり、最悪結論そのものにたどり着けないということですから・・・。

コンサルタントにも、コンサルティング会社に転職するまでに、いくつもの企業や業界を渡り歩いてきた人ばかりではありません。

新卒で入社したコンサルタントは、「コンサル業界」しか知らないことになります。

そういう人間から助言を受けることに意味があるのか?とも思います。

 

コンサルタントの本には、成功事例しか書いていない!?

第三に、書籍などで元コンサルタントたち(大手外資系に在籍していた)が、コンサルティング会社やコンサルタントの提案・助言の有効性に疑問を呈していることも、見逃すことができません。

昨年

「申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。」(カレン・フェラン著:大和書房刊)

という本を読みました。

 

 

この本では、著者が様々な企業にコンサルタントとして出入りし、色々なアドバイスをしたが、思うような改善が見られなかったり、顧客企業にかえって混乱をもたらしたり・・・といった自身の経験が語られていました。

書店では、元大手コンサルティング会社のコンサルタントが成功事例(半ば自分の業績の自慢)を綴っている本が、それこそ星の数ほど売られています。

一方、失敗事例を語っている本の数は、はるかに少ないです。

ネガティブな内容の本は売れないという、出版社側の事情でしょうか。

「優秀なコンサルタントを雇っている企業は、大きな失敗はしないものだ。」

という意見があるかもしれません。

もしそうなら、日本企業の競争力が今ほど低下する羽目にはなっていないはずです。

シャープも東芝も三菱自動車も、あれだけの大失敗はやらかさなかったでしょう。

 

最後に・・・。

企業の側として、外部の第三者的な視点から自社の問題点・課題を指摘して欲しい、という考えがあることは理解できます。

しかし、自社の問題は最終的には自分たちで解決するしかありません。

コンサルティング会社の助言は、あくまでも参考意見としての扱いに留めた方が賢明だと思います。

コンサルタントたちの間には、

「30秒ルール」

なるものがあるそうです。

顧客企業のトップと一緒にエレベーターに乗り、その企業の入居する階に到着するまでのおよそ30秒間で、その企業の問題点を簡潔に説明できるくらいまで、徹底的に研究せよという意味です。

もし私が企業のトップで、コンサルタントからそうした形での説明を受けたら、そのコンサルタントをそのままエレベーターで1階に降ろすでしょう。

どれだけ緻密な調査・分析を行っても、簡潔さには限度があります。

自社の弱点がたった30秒で表現できるくらいなら、わざわざ高い金を払ってコンサルタントなど雇わないのですから・・・。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。