2020年(令和2年)の春から初夏あたりにかけて、次のような話題がよく報じられました。
「証券会社の新規口座開設件数が、急上昇中!」
という類のもので、ご記憶の方も多いでしょう。
コロナで在宅勤務、将来への不安から投資熱が加速!
主な理由として
(1)コロナ感染が日本でも拡大し始め、今後の生活に不安を感じる人が増えた。
(2)リモートワークで在宅勤務する人が増え、時間的余裕が生まれた。
(3)国から支給される給付金を注ぎ込む先として、投資が選ばれた。
などが挙げられていました。
それらに加え、アメリカで株式投資用アプリ
「ロビンフッド」
が爆発的に普及し、若者世代が株式投資にのめり込む状況が、日本でも話題になりました。
2020年(令和2年)11月27日(金)現在、アメリカ大統領選挙の結果は・・・まだ確定していません。投票日から3週間以上経っても、勝者(ジョー・バイデン候補の勝利が事実上決定していますが・・・)が確定しないアメリカの選挙制度には、苦[…]
日本でも今やネット証券の方が圧倒的に利用者が多く、新規口座開設へのハードルも低くなっています。
投資しようにも、先立つものが必要・・・。
それから一年が経とうとしています。
日本の株式市場も2020年の夏頃から、アメリカ市場に追随する形で回復して行きました。
2020年から投資を始めた初心者の方々は、その波に上手く乗って儲けることができたでしょうか?
ただ、世の中にはまだまだ投資には無縁の人も多数います。
全く興味がない人もいれば、興味はあってもまだ踏み出せない人もいます。
やはり、
「先立つもの」
すなわち資金がなければ始まりません。
特にコロナ禍という非常時では、
「ただでさえお金に余裕がないのに、投資に回すお金なんてない!」
という人も多いはずです。
ある程度の余裕資金が貯まるまで、投資には手を出さないのが得策!
個人的には、ある程度の額の余裕資金が貯まるまでは、焦って投資に手を出さない方が得策だと考えます。
マスコミ、特に経済系・マネー系の雑誌やWebサイトなどでは、常に投資を煽る記事が多いです。
「手持ち資金が少額でもできる!」
のような文言が躍っています。
確かに投資の最低金額は、全く設けられていません。
しかし、あまり投資資金、いわゆる
「タネ銭」
が少ないと、株式においては買える銘柄がかなり限定されてしまいます。
また、一つの商品(株や投資信託、FXなど)に投入するとそれで終わりとなり、他の分野や銘柄に注ぎ込むことも不可能となります。
さらに、元手が小さ過ぎると儲けられてもプラスが非常に小さくなります。
たとえば短期間で数十%も元金が増えるようなことは、滅多にありません。
投資で勝っている人も、小さな利益を積み重ねることを繰り返す、割と地味な手法の人が多いのです。
そういう手法を採るにも、やはりある程度のタネ銭は必要です。
タネ銭貯金は、将来への貯金の次!
「ならば、一体いくらくらいタネ銭を貯めればいいんだ!?」
という疑問が出るのは当然でしょう。
もちろん
「人それぞれ」
ではありますが、私の個人的な考えは
「最低300万円、できれば500万円くらいは欲しい。」
です。
言うのは簡単ですが、実際に貯めるのは結構難しい金額だと思います。
仮に月5万円貯金するとして、300万円貯めるには5年を要します。
独身の実家暮らしで、ボーナスがもらえる勤め人なら、3年くらいで達成できるかもしれません。
ただ、年間50~100万円貯金するのは一苦労です。
特に、男女問わず家庭をお持ちの方には、そのしんどさがお分かりいただけるでしょう。
頑張って目標通りの金額を貯金できても、それを全額投資に充てられるか?という問題も出て来ます。
住宅購入、結婚、出産、独立開業、子供の教育資金などなど・・・。
人間、生きていると色々お金が必要になります。
貯めたお金の使い道の順番としては、間違いなくそうした方が先になります。
投資資金は、正直に言えば二の次、三の次です。
焦って投資に走らず、まず貯蓄してから!
もちろん、若いうちから資産運用について考え勉強するのは、決して悪いことではありません。
ただ、巷でよく言われる
「若いうちだから、リスクを取った投資が可能!」
というセールストークには乗せられないようにすべきです。
本当に株式やFX、投資信託などへの投資がしたければ、今後の人生プランに必要なお金はしっかり貯めた上で、プラスアルファとして上記の300~500万円を追加で貯めましょう。
多くの若い人たちにとっては、かなり高いハードルです。
しかし、それくらいの金額が貯められないなら、投資には手を出さない方が得策です。
今後の人生において必要となりそうな分だけ確保しておけば、いざという時に慌てふためくこともありません。
もし余剰が出れば、そのまま貯めておけば何ら問題ありません。
最後に・・・。
とにかく、生活に支障を来さないお金で行うのが、投資で大負けしないための最初のポイントです。
最後に、身も蓋もないことをお伝えします。
投資をしている人の大半は、むしろ何の投資もしなかった方が、はるかに多くの資産を築けていたはず・・・というのが、世の中の厳しい現実です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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