投資信託は、売却・購入のタイミングと手数料が全て!

今年のコロナ禍による先行き不安から、多くの人が投資を始めたということは、マスメディアでも盛んに報じられ、このブログでも書いてきました。

投資と聞いて最初に思い浮かべるのは、株式投資でしょう。

テレビ・ラジオのニュースでも、日経平均株価の情報は伝えられます。

ただ、最近は株式以外の投資もハードルが低くなっており、FX(外国為替取引)、投資信託、金・プラチナなどの貴金属投資・・・その他様々な選択肢が用意されています。

その中でも投資信託の人気は、頭一つ抜けているのではないでしょうか。

国の肝いりで始まったつみたてNISAや日本版401k(確定拠出年金)も、投資信託の商品を何本か組み合わせ、定期的に積み立てて運用を任せるというものです。

 

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投資信託は、字の通りプロを信じて託す!

投資信託という用語は、英語の investment trust のベタな日本語訳です。

例えば信託銀行は、顧客の預金や不動産などを「信託財産」という形で預かり、それを運用することにより収益を上げ、顧客に還元します。

trust(信用する、信頼する)という単語のとおり、顧客から信頼を受けて受けて運用します。

投資信託の場合、個々の商品は特定の投資先に投資するという目的が決まっており、日本株や米国株、外国債券への投資といったような形でファンドは運営されます。

また、ご存知の方も多いでしょうが、積極的に利益を狙いに行く「アクティブ型」の投資信託もあれば、安定した(=あまり冒険しない)運用でリスクをなるべく取らない「パッシブ型」の投資信託もあります。

投資家、すなわち投資信託の購入者は、いくらの金額をどの商品に振り分けるかという「資金配分」までを自分で行えばよく、後の運用は商品を販売するファンドにお任せということになります。

 

投資信託の現実は、我々が考えるほど甘くない!

私もそうでしたが、初心者が投資信託の仕組みを知ると、

「お金を投資信託に預けさえすれば、後は運用してもらえるんだ。それで資金が増えるなんてスゴイ!」

といった、夢のような話だと一瞬思ってしまいます。

しかし、詳しく調べれば調べるほど、現実はそんなに甘くないと分かり、大きく膨らんでいた夢もしぼんでしまいます。

 

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投資信託は長期投資が前提。景気の浮き沈みの影響が直撃する!

まず、たとえプロのファンドが運用しても、必ず利益が出るとは限りません。

短期的な相場の暴落に巻き込まれ、巨額の含み損を抱えることもあります。

また、10年後には大きく増益していても、11年後にはマイナスに転じてしまうような例もあります。

投資信託の場合、ある程度長い期間に渡る継続積み立て投資が前提です。

そのため、どこで投資をストップして現金化するかで、結果に大きな差が生じてしまいます。

 

信託報酬などの費用は、長期間では馬鹿にならない!

そして投資信託は、ファンドという他人に資産運用をやってもらうことなので、当然タダというわけにはいきません。

大きな利益が確定した場合の成功報酬もありますが、運用の成果にかかわらず、毎年の運用手数料というべき「信託報酬」は確実に資金から控除されます。

どの商品にも信託報酬のパーセントは明記されており、投資家にとっては基本的にパーセントの低い方がありがたいです。

ただ、信託報酬率が高い商品でも、それに見合った高い収益を上げ続けているものもあり、信託報酬率が高い=ダメな商品ではありません。

率が低くても運用成績が振るわず、元本割れを起こしているような商品では、購入する意味がありません。

全ての商品に共通する点はただ一つ。

「信託報酬は必ずコスト(費用)としてかかってくる。」

ということです。

また、売買手数料がかかる商品もあります。

売買手数料のかからない(ノーロードと呼ばれます)商品も多く存在しますが、これもノーロードなら絶対良い商品ということでもありません。

 

投資信託は、始める時期と出口戦略が重要!

信託報酬にしろ売買手数料にしろ、長期に渡って投資信託を保有していると、否応なく控除され続けます。

そうした費用を全て補って余りある運用成績を出し続けてもらえれば文句なしですが、必ず利益が出続けるものでもありません。

投資信託を始めた時期、継続する期間、投資信託を売却して現金化する時の経済状況・市場状況次第で、前述したように結果は大きく異なってきます。

マネー雑誌や証券会社・銀行などのパンフレットによくある、

「長期投資なら、途中に不景気や災害などで株価が下がっても、長い期間の中の一時期のこと。」

「相場が大きく下がっても、そこで同じ金額でたくさん買えるので、むしろチャンス!」

といった言葉は、丸っきりの嘘ではありません。

しかし、投資の出口、終了時点でそうならなければという話です。

投資資金を引き上げる、マラソンで言うならゴールする時点でマイナスになっていれば、元も子もなくなります。

 

最後に・・・。

私自身は投資信託否定論者ではありません。

投資信託のメリットを上手く活かせれば、有効な資産形成の方法の一つになると思います。

しかし、前述のデメリットやリスクについてもしっかり理解することが前提です。

商品の売り手側の言うことを単純に信じるだけでは、「美味しいカモ」にされるだけです。

他人を信じて自分の大事なお金を託すためには、かなりの勉強が必要になることは、ご理解いただきたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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