株式取引アプリ「ロビンフッド」の流行は、日本市場を映す鏡?

2020年(令和2年)11月27日(金)現在、アメリカ大統領選挙の結果は・・・まだ確定していません。

投票日から3週間以上経っても、勝者(ジョー・バイデン候補の勝利が事実上決定していますが・・・)が確定しないアメリカの選挙制度には、苦笑を禁じ得ません。

 

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大統領選挙直前から、NYダウは大幅上昇、為替は乱高下!

大統領選直前の11月初めから、アメリカの株式市場の指標NYダウは大幅な上昇を見せています。

一方、投票日を境に為替相場の方は乱高下。

1ドル=105円台の円安に動いたかと思えば、1ドル=103円台へと円高に振れたりと、忙しく動いています。

最近は落ち着きかけていますが、選挙結果が確定するまでは金融市場は騒がしいでしょう。

 

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コロナパニックからNYダウが急回復した一因が、ある株式投資アプリだった!

NYダウに代表されるアメリカの株式市場は、今年の3月辺りに大きな転換点を迎えました。

ダウが一気に下落方向に動いたのは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響に他なりません。

しかし、5月~6月辺りからダウは猛烈に反転上昇を開始。

8月頃には、コロナパニック前とさして変わらない値まで戻して来ました。

トランプ政権がなりふり構わず打ち出し続けた、金融緩和・産業救済政策がそれに貢献したのは間違いありませんが、見逃せないのは個人投資家が凄まじい勢いで株式市場に参戦し、軽視できない規模の資金が流入したからでしょう。

そのブームの火付け役兼牽引車となったのが、株式投資アプリ「ロビンフッド」であることは、既に多くの専門家が指摘しています。

 

「ロビンフッド」は手数料無料で利便性大。投資初心者の若者世代が殺到!

アメリカの証券会社でもアプリなど当然無料提供しているはずなのに、何で「ロビンフッド」がそんなに普及しているのか、当初はニュースを見聞きしても不勉強のためピンと来ませんでした。

ですが、よくよく調べてみると

① アプリ画面上に表示された銘柄をクリックするだけで、売買が成立する。

② 取引手数料が無料。

③ 手持ち資金が少なくても、他のユーザーと共同で値嵩株(値段の高い銘柄)を購入できる。

④ 単位株未満のいわゆるミニ株にも投資可能。

などの特長が売りで、特に株式投資初心者の若年層世代に支持されたことが分かりました。

 

春~現在までのアメリカ上昇相場で、大きな含み益に喜ぶ人も!

春先以降のコロナ禍で外出もままならず、暇を持て余していた人々、特に若者たちにとって、ゲーム感覚で扱え資金が乏しくても参入しやすい「ロビンフッド」は、一獲千金を狙える夢のようなツールと映ったのでしょうか。

マスメディアやインターネットでは、悲喜こもごもの様々なエピソードが紹介されていますが、ダウの急回復の大波に上手く乗れた人たちは、結構な額の含み益(中には手堅く換金した人もいるでしょう)を目の前の画面で見て、ホクホク顔かもしれません。

 

日本でも、人工的な株価上昇と個人投資家の急増が同時進行!

こうした話を聞いていると、日本の状況も何となく似ているなと気付きました。

日本もコロナ禍により、春先から大変な状況に陥りましたが、それに伴い自宅待機やテレワークで自宅にいる人が激増しました。

そして、不況(もう既に突入していたとも言えますが・・・)の波が押し寄せるのを実感した人々が、続々と証券会社に取引口座を開設するというブームが巻き起こりました。

まさにアメリカと同様の流れが発生したのです。

そして日本の株式市場の代表的指標、日経平均株価も一時は下落したものの、日銀による金融緩和継続、日銀とGPIFによる株式市場への資金投下による買い支えで、アメリカ同様回復軌道に乗りました。

11月6日(金)の日経平均株価の終値は、1991年(平成3年)4月以来約29年ぶりの高値となりました。

日本経済が回復したどころか、さらなる低迷の危機にある中、実態経済とは掛け離れた株価(日経平均がそもそも超大手225社の株価の平均でしかありませんが・・・)には、驚くしかありません。

 

コロナパニックの継続により、世界各国の経済下支えは継続見込み!

新型コロナウイルスの流行はまだ終息の兆しが見えません。

ヨーロッパでは再び感染が急拡大しています。

アメリカに至っては、そもそも常に大流行しているような状況です。

アメリカ政府やFRB(連邦準備理事会)は、まだまだ財政出動・金融緩和の手綱を緩めるわけにはいきません。

日本も同様の立場に追い込まれています。

日銀、GPIFを中心とした株式市場の下支え(もう、国によるイカサマ相場に近い)は当面続くでしょう。

 

最後に・・・。

しかし、物事には必ず終わりがやって来ます。

アメリカも日本も、いつまでも人工的に株式市場を支え続けられはしません。

コロナ禍の進展次第では、そう遠くない時期に日米両国の株式市場がクラッシュし、大暴落を迎えることも、夢物語と一笑に付すことはできません。

日本ではバブル期末やリーマンショック時、アメリカでもネットバブルやリーマンショック時に、個人投資家の多くが大きな損失を被り、破産者や自殺者が続出しました。

現時点で数字の上では儲かっている人々も、引き際すなわち逃げ時を誤ると、暴落の暴風雨をモロにかぶることになりますので、注意すべきでしょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。