皆様は、「言いっ放しボンバー」という言葉をご存知でしょうか?
ご存知なくて当然です。私の完全な造語です。
プロレスの技っぽく聞こえますが、違います(笑)。
言いっ放しボンバーの定義とは?
思い付きだけで無責任な発言を繰り返すこと、誤った発言、不快・不適切な発言をしても、全く謝罪・撤回をしないこと、汚い言葉で他人を誹謗中傷しまくり、何の責任も取らないこと、何かをすると公言しながら一向にやらないこと・・・、これらの技の総称です。
どんな人たちに使い手が多いのか?
政治家(閣僚、国会議員、地方自治体の首長など)には、昔からこの技の使い手が多数存在しました。
しかし、最近は使い手の人数が急増しています。
主にインターネット・SNSの電脳空間で、彼らの技を試聴することができます。
その昔、猿が木の枝を道具として使うことを覚えたように、彼らはTwitterやFacebookのようなITツールを喜んで使っています。
しかし、猿と違って上手な使い方を学ばなかった(あるいは学んでも身に付かなかった)ため、ITリテラシーは上達せず、「言いっ放しボンバー」の能力だけがいつの間にか向上しています。
芸能人や文化人にも、達人レベルの使い手が増えています。
政治家と同じく、SNSで「つぶやく」人が多いのですが、内容が過激過ぎて、もはや「絶叫」レベルになっている場合が多々見受けられます。
彼らの仕事は目立ってナンボではあるのでしょうが、
「目立つこと」と「悪目立ちすること」の違いくらいは理解して欲しいところです。
ネット社会が、言いっ放しボンバー隆盛の土台になった!
SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)は、当初の崇高な理念から10万光年ほど遠く離れ、現在は
「バカ拡散器(あるいは拡声器)」
としての機能がどんどんバージョンアップされ続けています。
言いっ放しボンバーの普及に大いに貢献したという点では、SNSは
「極真空手の世界における大山倍達」
のようだと言っても過言ではないでしょう。
少なくともSNSがまだ存在しなかった20年くらい前は、言いっ放しボンバーを日常的に繰り出す人間は、今ほど表には出てきませんでした。
人間としての羞恥心、プライド、一般常識などが歯止めとなり、技を封じていたはずです。
しかし2020年(令和2年)現在、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、インターネット、SNS・・・と至る所で技の応酬が繰り広げられ、
「どこでも天下一武道会」の様相を呈しています。
SNS発祥の地、アメリカの状況は?
「そうだ!SNSを生み出した国、アメリカをお手本にすれば、日本の状況も変わるんじゃないか?」
と考えましたが、甘い考えでした・・・。
アメリカでも、言いっ放しボンバー(英語ではどう表現すればいいのでしょうか・・・)をマスターした猛者たちが、日本よりもはるかに多かったのです。そして、その頂点に君臨しているのが
ドナルド・トランプ大統領です。
さすがは超大国アメリカのトップ!
他のアメリカ国民を寄せつけない「言いっ放しボンバー」の達人ぶりは、大ヒットマンガ「北斗の拳」の主人公ケンシロウに匹敵します。
韓流ブームも、言いっ放しボンバーを加速?
ネットの掲示板やSNSで有名人への誹謗中傷を書き込む、「ネットいじめ」は、言いっ放しボンバーの傍流と言うべきものです。
この「ネットいじめ」は、隣国の韓国で社会問題となり、今でも根強く残っていますが、韓流ドラマやK-POPと一緒に、日本でも大ブームを巻き起こしました。
しかし、さすがは元祖パクリ大国、日本です。
韓国ほどITインフラが発達していないにもかかわらず、いじめのエネルギーの大きさや陰湿さは、韓国に肩を並べるレベルに急成長しました。
コロナ禍の最中、言いっ放しボンバーも大流行!
今年の初めから、中国を起点に新型コロナウイルスの感染が世界中に拡大し、2月以降は日本でも感染が拡大しました。一時は若干鎮静化に向かいましたが、7月に入ってから東京都を中心に、再拡大に向かっています。
新型コロナパニックに日本中が揺れる中、言いっ放しボンバーの流行拡大も負けてはいませんでした。
総理大臣を始めとする閣僚、議員(国、都道府県など全てのレベル)、地方自治体の首長、学者、文化人、マスコミ関係者・・・日本を支える階層の人間たちが、これでもかというほど言いっ放しボンバーを放ちまくりました。
あまりにも多過ぎて、私のような凡人の平民には、技が放たれたことに気付くことができないほどでした。
新型コロナウイルス感染の第2波が迫り来る最近(もう既に来ているかもしれません)は、また一部の政治家やマスコミが、「経済活動と感染防止は両立可能!」、「with コロナの新しい生活スタイル!」などと、新たな言いっ放しボンバーを繰り出し始めています。
最後に・・・。
我々は、親や学校の先生から
「自分の発言には責任を持て。」
「間違ったら、きちんと謝れ。」
「他人の悪口は言うな。いじめは絶対にするな。」
「約束したことは実行しろ。」
と教えられてきたはずです。
しかし、そうした考えは現代の「美しい国、日本」では、縄文時代の土器のように、博物館に展示されることになりそうです。
「日本を、守り抜く。」ためには、道徳教育の代わりに「言いっ放し」力を育成するための授業が必要になるかもしれません。
そう言えば、「沈黙は金」って言葉をどこかで聞いたような・・・。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。