このブログの他の記事でも繰り返し語っていますが、今の日本はどう考えても
「不況真っ只中」
です。
それも、コロナ禍の前から既に不況でした。
ただ昔と違い、21世紀の現在は
「見えない貧困」
が激増しています。
21世紀初めは、あちこちにホームレスの人たちが・・・。
2000年代の初め頃は、東京や大阪の繁華街近辺で
「ホームレス」
の人たちの姿は、珍しくありませんでした。
私が20年ほど前に、東京に遊びに行った時のことです。
夜7時頃に新幹線で東京駅に着きました。
地下街で食事をして、8時過ぎに八重洲口に行くと、シャッターの閉まった大丸東京店の辺りに、2〜3人の男性が毛布や段ボールを敷いて寝ていました。
「東京の玄関口も、夜にはこうなってるんだな・・・。」
と驚いたことを覚えています。
景気は戻らないのに、ホームレスの姿が・・・?
それから約20年、日本は豊かになるどころか、徐々に衰退へと向かっています。
「相対的貧困率」
が、先進国の中でワースト争いをする有様です。
ところが、20年前と比べて、街中でホームレスの人たちが路上生活をしている光景が、かなり減ってきています。
ホームレスの人の人数が大きく減った訳では、決してありません。
各地の自治体が、再開発やら景観保全などの名目で、繁華街や公園などでの路上生活をできにくくしているのが実態です。
高齢や病気などで、自治体から生活保護を受け、路上生活から抜け出た人もいます。
しかしそれ以外の人は、別の路上生活ができる地域へと流れて行きます。
街中ではなく、河川敷で生活する人も!
ところが、そうした地域自体がどんどん消えています。
そうなると、行き着く先は市街地を離れた郊外、それも河川のそばということになります。
ライターの村田らむさんの著書
「ホームレス消滅」(幻冬舎新書)
には、そうした傾向の経緯や、河川敷で生活する人たちの日常が詳しく描かれています。
この本では、東京の河川敷が舞台となっていました。
この本を読んでから3〜4年後、私は
大阪の淀川河川敷
でも、同様の生活をしている人がいたことを知りました。
河川敷でも、川のそばは草木が生い茂っている!
2021年(令和3年)の初夏の頃だったと思います。
用事で、某私鉄の電車に乗りました。
大阪の中心部「梅田」から少し北に行くと、
「淀川」
という大きな川が東西に流れています。
梅田から電車で京都や神戸方面に行く際、必ず陸橋で淀川を渡ることになります。
淀川は川幅が結構広いです。
そして、川の両側は長く広い河川敷となっています。
河川敷沿いの道をジョギングしたり、犬を連れて散歩する人も多数います。
一方、川に近い辺りは、結構草木が生い茂っています。
誤って川に落ちる危険があるので、人はほとんど立ち入りません。
電車から眺めていると、茂みの中に・・・。
電車の窓から外を眺めているうちに、電車は河川敷に近付きました。
線路のそばは草木が結構高く生えており、人が立ち入って動き回るのは難しそうでした。
そうして、ふと少し遠くを見やると、草木の茂みの中に何やら
箱形のもの
が見えました。
最初は
「電化製品か何かを、大量に不法投棄でもしてるのかな?」
と思いました。
トタン板と段ボールで造った『家』だった・・・。
ですが、そうではありませんでした。
トタン板らしき板で、四方が囲われていました。
そしてその内側には、同じくトタン板や段ボールで、建物らしきものが組み立てられていたのです。
何やら洗濯物らしきものも、物干し竿に掛けられていました・・・。
「えっ?あれって、もしかして家・・・?」
再度目を凝らして見ましたが、ちょっとしたバラック小屋のような佇まいでした。
驚いている私の眼前から、その家は遠ざかって行きました。
河川敷は一種の『新大陸』?
しばらくして、以前読んだ前述の「ホームレス消滅」を思い出しました。
「あれって、東京だけの話じゃなかったんだ・・・。」
各自治体も、都市部は細かくチェックして回りますが、さすがに河川敷辺りまでは目が行き届かないようです。
街中から追われたホームレスの人たちにとって、河川敷はある意味
「新大陸」
だったのかもしれません。
ただ、水道はともかく、電気やガスはどうするのか気になるところです。
しかし、路上生活者(または河川敷生活者)同士のネットワーク、生活の知恵が色々あるそうです。
また、自転車さえあれば、淀川の両岸の繁華街まで行くのは簡単です。
最後に・・・。
近年はリモートワークの普及が進み、東京・名古屋・大阪などの都会から、郊外や地方へ移住する人が増えています。
ホームレスの人たちの方が、世の中の流れを先取りして
「脱・都会」
生活へと乗り出していたのです・・・。
新しい政権にも何一つ期待ができない現状では、我々平民は
与えられる「政策」
に頼るのではなく、
自主的・能動的な「対策」
を自ら考えて実行するしかありません。
ホームレスの人たちのたくましさ・行動力を目の当たりにして、そういうことを考えるのでした・・・。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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