「生活保護」
は、日本国憲法第25条に規定されている
「健康で文化的な最低限度の生活」
を保証するための制度で、国民の権利の一つです。
近年
「生活保護バッシング」
なる風潮が、一部のマスコミやネット上で広がりました。
自分たちの有する権利を蔑ろにするのは、愚か以外の何物でもありません。
ところで、この「生活保護」を英語ではどう表現するでしょうか?
ベタに日本語訳すると、意味が大きくズレる!
「生活」と「保護」をそれぞれベタに英語に変換し、
「life protection」
としてしまう人が結構多いはずです。
しかし、これは不正解。
「保護」については「protection」でよいのですが、
「生活」=「life」
だ!と決め付けるのは間違いです。
「life protection」とすると、
「(人の)人生を保護する」
という感じになります。
生命保険会社のCMコピーみたいです・・・。
あるいは、犯罪組織に狙われている人を、警察が保護するような感じにも思えてしまいます。
『life』以外に適切な単語がある!
正解はと言うと、研究社 新和英辞典によると
「livelihood protection」
と表現されます。
「livelihood」[lάɪvlih`ʊd(米国英語), ˈlaɪvli:ˌhʊd(英国英語)]は、研究社 新英和中辞典によると
「暮らし、生計」(通常単数形)
と日本語訳されます。
「earn[gain, get, make]a(またはone’s)living」 by ~
で、「~で生計を立てる」となります。
他には
「livelihood subsidies」(「subsidy」[sˈʌbsədi(米国英語), ˈsʌbsɪdi:(英国英語)]は「補助金」という意味を持つ)
という表現もあります。
国によって制度が異なり、表現も異なる!
ちなみに上記の表現は日本の官庁で使用されていますが、外国では日本と異なる形での公的保障制度があり、英語圏の国でも違う表現がなされます。
アメリカでは
「welfare」
が一般的です。
「welfare」には
「福祉、福利」
の他に、「社会保障」、「生活保護」の意味もあります。
イギリスでは、
「benefits」(「給付」という意味を持つ)
が使われることが一般的らしいです。
「live on welfare[またはbenefits]」
で「生活保護で暮らす」となります。
アメリカでは
「public assistance」(公的扶助)
も用いられます。
最後に・・・。
生活保護を受けずに生活できれば、それに越したことはありません。
しかし、人生何があるか分かりません。
切羽詰まった際には、変なプライドは捨てるべきです。
日本国民の権利を行使して、
「apply for livelihood protection」(生活保護を申請する)
のが得策だと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。