競売物件の相場価格の決め方は「評価書の評価額」÷0.7?

こんにちは。husband(@kumafumoblog)です。

このブログでは、「不動産競売」に関する記事をいくつか書いています。

所有する不動産を担保に借金をした個人・法人が借金を返済できない場合、金融機関などの債権者が裁判所に申立を行い、裁判所がその不動産を競りにかけて売却するという法的手段です。

1990年代初期のバブル経済崩壊を機に、全国の裁判所での競売事件件数は急増しました。

この約30年の間に件数の上下動はあったものの、近年は低水準で推移しています。

しかし、昨年2020年(令和2年)初めからの「コロナ不況」により、今年2021年(令和3年)は昨年より競売申立件数が増えることが懸念されます。

 

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競売不動産は、相場より値段が安いことが多い!

競売にかけられる不動産の建物は、当然ながら新築ではなく中古物件です。

また、競売により入手した人に、内部も片付いてキレイにされた状態で引き渡されることもありません。

物件の土地や建物に瑕疵(欠陥や土壌汚染など)が見つかっても、競売で買い受けた後では何の保障もありません。

そのため、入札するための

「売却基準価額」

はかなり安くなっています。

もちろん買受希望者が多い人気物件の場合、かなり高値で入札しないと落札できません。

しかし一般的には、市場の実勢価額より安い金額で落札することが可能です。

 

競売不動産の売却基準価額は、どうやって決まるのか?

ところで、この売却基準価額はどうやって決まるのでしょうか?

「不動産評価書」

という書類を基に決められます。

裁判所が委託した不動産鑑定士(各裁判所ごとに、複数の鑑定士が受託し鑑定を行います)が、路線価や近隣の実勢価額、物件の特性など様々な要素を検討し、最低ラインとなる金額を算出します。

その際、裁判所執行官が現地調査などの結果をまとめた「現況調査報告書」も参考にされます。

鑑定士の鑑定価額(評価額)と鑑定プロセスを文書化した

「不動産評価書」

が裁判所に提出され、それを基に売却基準価額が設定されます。

ただ、前述の理由により、実際に同様の物件が売買され流通する金額よりは、かなり下回る事例がほとんどです。

 

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債権者たちは、どうやって物件の価額を算出する?

では、競売を申し立てた債権者や他の債権者たちは、どうやって対象不動産の価額を把握するのでしょうか?

まず第一に、付き合いのある複数の不動産業者(少なくとも3社ほど)に査定をしてもらいます。

と言っても本格的な査定ではなく、簡易査定です。

3~5社くらいの査定結果が集まれば、その不動産の大まかな価額帯が掴めます。

第二に、毎年7月に発表される

「路線価」

を用いて、対象不動産の価額を算出してみます。

同じ市区町村でも、交通の便や前面道路の広さ、角地かどうかなどの要素により、1平米当たりの路線価はかなり変わってきます。

 

『不動産評価書』を参考に計算した価額が、実務では重視されていた!

そして第三に、先ほどの「不動産評価書」の評価額を参考に価額を概算します。

不動産評価書の評価額をそのまま使うと、実際の市場価額よりかなり低くなります。

そこで、私の勤務先では

「評価書の評価額」 ÷ 0.7 = 実勢価額

というように計算していました。

言い換えれば、評価額の約1.4倍の価額です。

正直に言うと、上記三つのいずれも正確性としては「ドングリの背比べ」で、決定打にはなりえません。

ただ三つの中では、第三の「評価書の評価額」 ÷ 0.7 が最重視されました。

裁判所が参考とする(実際はほぼ丸呑み)価額を使用している点から、信頼性が三つの中では一番高いとみなされていました。

また、0.7で割る(=1.4倍する)のも過去の事例から導き出された経験値のようなものですが、割と実際に近くなると言われていました。

 

第三の方法の価額を、任意売却の応諾可能額にすることが多かったが・・・。

よって、第三の方法による金額が一番の高値になった場合は、我々担当者も任意売却の交渉に際して、その額を応諾可能ラインとすることが多かったのです。

しかし、任意売却の話がまとまらず(あるいは話そのものがなかった)競売入札で売却された案件でも、その金額に遠く及ばない低い価額で売却された例はいくらでもあります。

担当者が責められることなどありませんが、

「これだったら、任意売却の話に応じてた方が、回収金額がかなり増えてたよな・・・。」

と後悔することは時々ありました。

 

最後に・・・。

コロナ前の数年間は、外国(特に中国)の富裕層が投資目的に日本の不動産を買い漁っていたこともあり、大都市圏では不動産価額は大きく上昇していました。

売り手や債権者としては、結構強気で交渉に臨めました。

しかし、コロナ禍の影響は不動産業界にもまだまだ逆風を吹かせ続けるでしょう。

そのうち、「0.7で割る」では通用しなくなるかもしれません・・・。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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