このブログでは
「不動産競売」
に関する記事を多数書いてきました。
不動産競売の申立は、
「対象不動産の所在地を管轄する地方裁判所(支部を含む)」
に対して行います。
例えば、東京都の不動産全てを「東京地方裁判所」の本庁が管轄しているわけではありません。
東京地裁には複数の支部があり、それぞれ管轄区域を持っています。
管轄違いの裁判所への申立はできません。
競売担当部署も、同じ敷地内にあるはずだが・・・。
日本各地の地方裁判所には、不動産競売を担当する部署があります。
基本的には、裁判所の敷地内にオフィスがあります。
当たり前だと思われるでしょう。
ところが、そうではない地方裁判所が存在するのです。
大阪地裁は大阪市北区、競売担当部署は大阪市淀川区!
大阪府には
大阪地方裁判所
大阪地方裁判所 堺支部
大阪地方裁判所 岸和田支部
という、本庁と支部二つがあります。
本庁は、大阪府のかなりの範囲を管轄しています。
不動産競売の事務を担当するのは
「第14民事部」
です。
裁判所に縁のない方々からすれば、大阪市北区にある本庁の中に第14民事部のオフィスがあると思うのが当然でしょう。
ところが、この第14民事部は、
大阪市淀川区
という全く別の場所が所在地なのです。
地下鉄で4駅先、そこから徒歩20分!
大阪地裁本庁の最寄り駅は、大阪メトロ(地下鉄)の
淀屋橋駅
です。
一方、第14民事部の最寄り駅は、同じ大阪メトロで淀屋橋駅から北に4駅先の
新大阪駅
です。
ここから西に徒歩20分ほどという、結構遠い場所なのです。
道順は複雑ではなく、迷うことはないはずです。
しかし、歩いてみるとなかなか疲れます。
周囲には市営住宅やマンション、公園などがあり、完全に住宅街の中です。
一時的な移転だと思っていたが・・・。
第14民事部が現在の場所に移転したのは、2001年(平成13年)の1月末でした。
当時、私や職場の同僚たちは
「裁判所の建物も老朽化してるし、競売の件数も増えて手狭になってるはず。新しい建物を造って、何年かしたら戻って来るんだろう。」
と考えていました。
しかしその後、裁判所の庁舎が増改築される気配は全くありませんでした・・・。
結局、20年が経過した2021年(令和3年)8月現在も、新大阪で業務が行われています。
最後に・・・。
建物自体は結構きれいで、フロアも静かで落ち着いた雰囲気です。
仕事の環境としては快適だと思います。
ただ、とにかく中途半端に遠いです。
用事で行く人はもちろんのこと、働いている職員の方々も、同じ気持ちなのではないでしょうか・・・。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
こちらも興味がありましたら、是非お読みください。
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