「バカ映画」=「B級」だが「つまらない映画」じゃない!

このブログでは、今までに何本か映画に関する記事を書いています。

間違いなくマイナーな作品や、有名であっても一般受けしない作品ばかりをご紹介してきましたが、内容については

個人的に「面白い」と思うもの

だけを選んでいます。

どれだけメジャーで大ヒットした作品でも、私独自の基準及び感性で「つまらない」、「内容がない」と思う

「ダメ映画」

は除外しています。

 

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『バカ映画』というジャンルとは?

ところで皆様は

「バカ映画」

という言葉をご存知でしょうか?

私の記憶では、この言葉を最初に使い始めたのは、関西を中心に活動なさっている映画評論家の平野秀朗さんです。

平野さんは、1990年代~2000年代に

「誠のサイキック青年団」

「ABCミュージックパラダイス」

などのラジオ番組に準レギュラー的に出演なさっており、同じくABC(朝日放送)で土曜日の深夜に

「アシッド映画館」

というラジオ番組のパーソナリティーを務めていらっしゃいました。

「バカ映画」とは一体何なのかと言うと、ある一定の映画のジャンルのようなものです。

基本的には

(1)内容はかなり荒唐無稽

(2)制作費が少ない

(3)監督や出演者などが無名

の三拍子揃った「B級作品」です。

その中でも、何かキラリと光るもの(ストーリー展開、演技、映像など)を持っていたり、世の中を先取りするテーマを扱っていたりする作品です。

要するに

「何となく無視できない映画」

なのです。

 

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『バカ映画』の放つ熱量は凄まじい!

「バカ映画」の大きな特徴は、監督や脚本家などの「作り手」及び演じる「役者たち」の発する熱量が凄まじいことです。

「バカ映画」の多くは、まず間違いなく制作費に恵まれていません。

映画制作において「お金がない」ということは、最大のハンディとなります。

そのため、大規模なロケやセット作りは無理です。

SFX(特殊効果)もふんだんに使うことができません。

そして、出演者もスター俳優・女優を起用できず、無名の面々を使わざるを得ません。

そんなマイナス要素だらけの中、何とかして面白い作品を作ろう、自分の考えを主張しようとする熱量だけは、反比例的に増大していきます。

演じる役者たちも、己の役者魂をスロットル全開にして演じます。

そうした熱量は残念ながら空回りしてしまい、「ダメ映画」の仲間入りしてしまう例が大多数です。

しかし、時には奇跡的な化学反応を起こし、巨大な熱量を発生させることがあります。

 

『バカ映画』=『ダメ映画』では決してない!

それが「バカ映画」誕生の瞬間です。

少々ストーリーに無理があっても、SFXがチャチでも、画面がかなり貧相でも、そうした減点対象を吹き飛ばす

「説明できない何か」

を創造してしまうのです。

著名な映画評論家や雑誌、権威ある映画賞から完全に無視されたとしても(実際にされることが多いですが・・・)、カルト的な人気を獲得するのが「バカ映画」です。

決して「ダメ映画」と同じではないという点は、強調しておきたいです。

 

最後に・・・。

最近公開される邦画及び洋画には、「ダメ映画」が増加していますが、「バカ映画」の数は減少しているように感じます。

有名監督とスター俳優・女優を適当に組み合わせて「一丁上がり!」的な作品が目立ってきています。

映画が「芸術」ではなく

「工業製品」

と化してきている現状には、一映画ファンとして危機感を覚えます・・・。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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