時代劇に出てくる「武士と戦う忍者」はフィクションだった!

近年は映画やテレビドラマ、マンガでも本格的な時代劇がめっきり減ってしまいました。

地上波のレギュラー放送では、NHKの大河ドラマと、同じくNHKで土曜日の午後6時台に放送しているドラマくらいです。

子供向けの特撮番組やアニメでも、武士や忍者が活躍する作品は皆無です。

私が小学生の頃までは(1970年代~1980年代前半)、毎日と言っていいほどどこかのチャンネルで時代劇を放送していました。

もちろん、再放送ではありません。

有名どころで私が観ていたものだけでも、

「水戸黄門」、「遠山の金さん」、「江戸を斬る」、「必殺仕事人」シリーズ、「影の軍団」・・・。

これ以上書き連ねるとキリがないくらい、テレビでは「時代劇黄金期」だったのです。

 

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忍者ものも名作揃いで、喜んで観ていた!

特撮では、横山光輝先生のマンガが原作の

「仮面の忍者赤影」

が夕方に再放送されており、よく観ていました。

アニメでも、白土三平先生の

「サスケ」、「カムイ伝」

がアニメ化され、これらも再放送で観ていました。

アニメだろうが特撮などの実写ドラマだろうが、時代劇では忍者が登場するのが普通だと子供心に思っていました。

「赤影」の忍者三人組(主役の赤影、中年忍者の白影、少年忍者の青影)や、「影の軍団」の服部半蔵(演じるのは千葉真一!)などの活躍を、ワクワクしながら観ていたものです。

 

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忍者が武士と戦うのは、史実に基づいていなかった!

作品によっては、忍者がスーパーヒーロー的な働きをし、武士を相手に大立ち回りを演じたりしていました。

近年でもそういう作品は結構あるはずです。

しかし、実はそうした

「武士と戦う忍者」

というのは史実に基づいておらず、忍者が武士と一戦交えるなどということはなかったそうです。

2008年(平成20年)に出版された

「昭和特撮大全~蘇る伝説のヒーローたち~」(三才ブックス)

で、著者の岩佐陽一さん(70~80年代のドラマ、特撮、アニメなどに詳しく、著書多数)がその点を指摘なさっています。


忍者はあくまでもスパイの専門家。戦闘が仕事の武士には勝てない!

忍者というのは、そもそも諜報活動、すなわちスパイの専門家です。

刀を使った戦闘の訓練は受けていません。

あくまでも「忍びの者」として隠密行動をするのが任務でした。

個人による能力の差はあれど、戦(いくさ)をするのが仕事だった武士、いわば侍と戦って勝てるはずがありませんでした。

忍者がもし武士と出くわすことがあれば、まさに「逃げるが勝ち」で、一目散に逃げ出していたはずです。

刀を持っていても、護身用以外の使い道はなかったでしょう。

いい歳をしたオッサンになってから忍者のクールな現実を知り、少しションボリしてしまいました・・・。

 

最後に・・・。

もちろん、フィクションの世界では何でもありで、史実とは掛け離れていても面白ければそれで構わないと思います。

ただ、忍者の仕事は結構地味だったという事実を知ってしまうと、子供時代に心躍らせた忍者の登場する作品を再び観ても、当時と同じ気持ちのまま楽しむことができない気がします・・・。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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