最低映画賞「ラジー賞」授賞式に出席した監督がいる!

「ハリウッド」と聞けば、おそらく100%近い人が「映画」を思い浮かべるでしょう。

アメリカのカリフォルニア州、ロサンゼルス市のハリウッドは、映画スタジオや映画関連の会社が多数集まっており、俳優・女優や監督、脚本家、その他様々な分野のスタッフたちが生活しています。

まさしく「映画の都」です。

アメリカの映画の賞と言えば、まず「アカデミー賞」が挙げられます。

そして、「ゴールデングローブ賞」も権威のある賞です。

アメリカのみならず世界各国の映画関係者にとって、これらの賞を受賞するのは大きな名誉であり、キャリアの上昇につながります。

 

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最低の映画を決める『ワースト映画賞』が存在する!

ところで、アメリカ映画界で

「ゴールデンラズベリー賞」(Golden Raspberry Award)

という映画賞があるのをご存知でしょうか?

正式名称は「ラジー賞」(Razzie Award)です。

映画ファンの中にはご存知の方も多いでしょうが、日本のテレビや新聞で大きく取り上げられることもありません。

それどころか、ほとんどの年の授賞式では、受賞者が誰一人会場に現れることもありません。

なぜなのでしょうか?

それは、この賞が「最低の」映画を部門ごとに選んで表彰(?)する賞だからです。

「ワースト映画賞」と呼んでもいいでしょう。

 

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ワースト映画の基準は?

1980年(昭和55年)に第1回が開催されましたが、当初はどこからどう観ても「B級」としか形容しようのない作品が選ばれていました。

しかし、次第に

「実績があるのに、くだらない作品に出演してしまった」俳優・女優や

「大金を投じてスターを集めたのに、大コケしてしまった」作品

などが選ばれることが多くなってきました。

また、数は少ないですが

「内容は良いが一般受けせず、興行成績が散々だった」

作品や監督などが受賞した例もあります。

ただ基本的には「ダメ映画賞」です。

前述のとおり、授賞式に受賞者本人がやって来ることはなかったのです。

 

1996年の第16回授賞式で、予想外の事態が起きた!

ところが、1996年(平成8年)3月24日(例年、本家アカデミー賞授賞式の前日)に行われた第16回の授賞式では、創設以来初めて

「受賞者本人が授賞式に現れ、直接トロフィーを受けとる」

という異常事態(笑)が発生しました。

その人の名はポール・バーホーベン。

オランダ人の映画監督です。

1985年(昭和60年)頃にアメリカに活動拠点を移すと、

「ロボコップ」

「トータル・リコール」(アーノルド・シュワルツェネッガー主演)

「氷の微笑」(シャロン・ストーン主演)

「スターシップ・トゥルーパーズ」

といったヒット作を飛ばした、実績十分の人です。

ところが、1995年(平成7年)公開の「ショーガール」という作品が大コケ。

翌年春の「ラジー賞」で7部門を受賞するという、不名誉な記録を作った作品です。

しかし、どういうわけかバーホーベン監督は、授賞式の行われるホテルに姿を見せたのです。

 

監督は暴れることなく、笑顔でスピーチ!

関係者はきっと慌てたに違いありません。

頭に来た監督が、お礼参りに来たのか・・・。

しかし、バーホーベン監督はプレゼンターたちを殴りつけることもなく、トロフィーを受けとりました。

そして、

「蝶々から芋虫(サナギ)になったような気分だよ。」

と笑顔でスピーチしたそうです・・・。

当初は

「オランダ出身なので、ラジー賞がワースト映画賞であることを知らなかったのでは?」

という報道も映画雑誌ではなされていました。

ただスピーチの内容からは、本人はそのことを理解していたと思われます。

それを承知で授賞式に出席したのなら、

「あっぱれ!」

と言うしかありません。

映画賞関係者も初めて

「負けた・・・。」

と思ったに違いありません。

 

翌年以降、三人が授賞式にやって来た!

それ以降、2002年(平成14年)には

トム・グリーン(カナダの俳優・コメディアン・脚本家・ミュージシャンetc)、

2005年(平成17年)にはハル・ベリー(アメリカの女優)が出席。

ハル・ベリーは2001年(平成13年)に、「チョコレート」という作品でアカデミー賞主演女優賞を受賞した人で、日本の映画ファンにも有名です。

2002年(平成14年)には「007 ダイ・アナザー・デイ」でボンドガールを務めました。

そんな超大物までやって来たのです。

そして2010年(平成22年)の第30回授賞式には、

サンドラ・ブロック(アメリカの女優・映画プロデューサー)

が出席しました。

キアヌ・リーブス主演の大ヒット作「スピード」でヒロインを演じ、一躍世界的スターになった女優です。

彼女は翌日のアカデミー賞授賞式では、全く別の作品「しあわせの隠れ場所」で主演女優賞を受賞しました!

二日間で「最低主演女優賞」と「主演女優賞」の二冠を達成した女優は、今のところサンドラただ一人です。

バーホーベン監督と同様、

「あっぱれ!」

と言わざるを得ません。

 

最後に・・・。

過去にこの「ゴールデンラズベリー賞」授賞式に出席した人たちは、いずれも実績のある「成功者」であり、自分に自信があるので、堂々とやって来ることができたとも言えます。

しかし、ある意味「自分をバカにしている」賞を堂々と受け取りに来る度量の大きさ、心の広さは尊敬に値します。

他人から笑われても笑って受け流せる「器の大きい人間」になりたいと、彼らを見て心からそう思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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