「うどん」
と言えば、
「うどん県」こと香川県
が本場です。
幹線道路沿いの、大手チェーン店ではないお店でも、4〜500円で驚くほど美味しいうどんが食べられます。
しかし、香川県には及ばないまでも、関西地方にもうどんの美味しい名店は多数あります。
大阪のとある名店は、うどんがなくなり次第終了!
大阪市の某区、あるテレビ局の近所に、大手グルメサイトで常に高評価を得ているうどん店があります。
グルメ雑誌でも紹介される有名店で、メニューはほぼうどんのみ。
サイドメニューは、かやくご飯といなり寿司だけです。
定食メニューもありません。
コロナ禍のため営業時間が以前と変わり、閉店は平日午後4時、土日祝は午後8時です。
しかし、閉店前でもその日の分のうどんがなくなれば、営業終了となります。
嫁と私が初めてその店を訪れたのは、6年ほど前でした。
夜7時頃に行くと、店の前には数人の行列。
我々の後ろに並んでいたカップルまでで、その日のうどんがなくなったのには驚きました。
回転の速い店だが、雑誌とマンガが置かれていた・・・。
それからは、半年に1回ほどの頻度で食べに行っていました。
2回目くらいに行った際、私はある事に気付きました。
レジの横に棚があり、そこに雑誌とマンガの単行本が、何冊かずつ置かれていました。
喫茶店やお好み焼き屋では、珍しくない光景です。
しかし、その店は客の回転が非常に速いのです。
私たち夫婦も、入店して30分以上滞在した記憶がありません。
うどんが出て来るのも、それほど時間はかかりません。
のんびり本を読んで待つ必要がありません。
他の客でも、雑誌をマンガを手に取っている人を見かけたことがありません。
ただそれだけなら、わざわざブログで書く必要もありません。
私が注目したのは、マンガの作品のチョイスです。
怪談の帝王、ホラーマンガの巨匠の作品が!
最初に目についたのは、
怪談の帝王、稲川淳二さん
の怪談をマンガ化した作品の単行本でした。
怪談マニアで、稲川さんの大ファンでもある私は、
「この店、なかなかいいセンスしてるな!」
と思いました。
そしてその横には、
ホラーマンガの巨匠、楳図かずお先生
の単行本がニ作品並んでいました。
楳図先生のファンでもある私は、
「この店、うどんの味もマンガ選びのセンスも100点!」
と、心の中で拍手喝采しました。
しかし、冷静になると
「うどん店で、このチョイスはどうなのか・・・?」
と考えてしまいました。
楳図作品の中でも、最恐クラスの作品だった!
そのニ作品は、
「洗礼」
「神の左手悪魔の右手」
という、楳図マンガの中でも最恐を争う
「激コワマンガ」
だったのです・・・。
特に「神の左手悪魔の右手」は、スプラッター映画真っ青の強烈シーンが満載です。
「確かにどちらも名作だけど、うどんを食べる前に読むマンガじゃないよな・・・。」
と思いました。
ただ、それらの本をあえて本棚に並べるところに、店主の
稲川怪談、楳図マンガへの愛と敬意
を感じます。
「あっぱれ!」
と心の中で叫んだのは、私だけでしょうか・・・。
最後に・・・。
先日、コロナ禍が一旦落ち着いた頃、約1年ぶりにその店でうどんを食べました。
うどんの味は、相変わらず美味しかったです。
本棚はどうなっているか見てみると、並べてある本の前に雑誌が山積みされていました。
稲川さんのマンガと楳図先生の二作品がそのままだったかは、確認できませんでした・・・。
あのうどん店には、これからも繁盛して欲しいと願うと共に、
「これからも、本棚には恐怖マンガを置いていて欲しい・・・。」
と願う次第です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。