返済が滞っている債務者が、マスコミに紹介されていた!

このブログでは、

「債権回収」

すなわち「借金の取り立て」に関する記事を、多数書いてきました。

私が債権回収の仕事をしていた頃の、実体験も多く含まれています。

そうした仕事に携わると、色々なタイプの人と関わります。

 

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債務者たちの中には、『有名人』もいる!

債務者や連帯保証人の圧倒的多数は、ごく普通の

「一般人」

です。

しかしごく稀にですが、債務者・連帯保証人などが、芸能人やスポーツ選手などの

「有名人」

というケースがあります。

有名人の中には、自身や親族が、会社や飲食店などを経営していることが多いです。

まとまった資金が必要となれば、金融機関から融資を受ける、つまりお金を借りるのは当然です。

通常は、そうした「個人情報」は外部には漏れません。

しかし債務の返済が滞ると、どこからか情報が週刊誌などのマスコミに伝わり、世間を騒がせる事例が時々あります。

 

一般人でも、マスコミに取り上げられることが!

私自身は、有名人の債務者などを担当したことが一度もありません。

ただ、債務者がマスコミに取り上げられたことは、数回あります。

返済をきちんと継続してくれれば、テレビや雑誌などに登場しても何の不都合もありません。

しかし、そうやって目立つ人に限って、返済が滞ったり連絡が付かないことが多いのです・・・。

 

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無担保の債務者は、なかなか反応がない・・・。

今から十数年前のことです。

当時私は、無担保債権の回収を担当していました。

他の記事でも書いてきましたが、不動産などの担保を取っていないと、債務者たちの督促や呼び出しに対する反応は、非常に低いです。

一度も面談や電話で会話を交わすことなく、裁判の申立に至る案件も、結構あります。

 

飲食店を営む債務者、督促に反応なく営業実態も・・・。

ある男性債務者は、前任者の末期から返済がストップしていました。

当然、引き継直後から

「要注意案件」

として、重点的に督促の電話をかけます。

督促・呼び出しの文書も郵送します。

しかし一向に電話に出ず、文書に対しても全く音沙汰がありません。

資料によると、元々昼間は定食屋、夜は居酒屋として営業していた模様。

ところが、前任者が現地調査に行っても、店が閉まっていて営業実態は不明とのことでした。

 

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買った雑誌のグルメ記事に・・・。

今後どんな督促を行おうか、思案していたある日。

当時よく買っていたある雑誌には、食通(グルメ)として知られるタレントが、オススメのお店を紹介するコーナーがありました。

書店でその雑誌を買い、家で読んでいた時、そのコーナーのページにさしかかりました。

何気なく読んで行くと、居酒屋が紹介されていました。

店主の名前を見た瞬間、ふと閃きました。

「あれ?この人の名前、あの債務者と同じでは?」

 

職場で資料と照らし合わせると・・・。

そう、営業実態が分からず、督促や呼び出しに全く無反応の、あの債務者です。

居酒屋という点も共通しています。

早速翌日、職場に件の雑誌を持って行き、資料と照らし合わせました。

結果は・・・Bingo!

全く同じ氏名で、漢字も一緒。

そして、店の住所も同一でした。

営業開始が午後5時頃と遅くなっており、昼の定食営業は止めていたようです。

 

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ついに債務者本人と電話が!

文書は、今まで返戻されたことはありませんでした。

ただ、中身を見ることなく放置されていたはずです。

電話にしても、午前中やランチ時にかけたところで、店が開いてないのですから、つながるはずもなかったのです。

夕方以降なら、本人か従業員が電話に出る可能性があります。

私はある日の夕方4時過ぎ頃、店に電話してみました。

すると、スリーコール目で電話がつながりました!

中年男性の、愛想の良さそうな声が聞こえて来ました。

名前を確認すると、本人でした。

身分を明かし用件を伝えると、さっきまでの元気な声が一転。

魂の抜けかけたような声になりました・・・。

 

雑誌の件を持ち出すと・・・。

「最近ずっとご返済がありませんが、お商売は景気いいんじゃないですか?」

「そんなことないですよ。店の方は厳しくて・・・。返済もしんどいんです。」

「先日、雑誌に紹介されてましたよね。お客さんも増えてるそうですね。」

「少しは常連さんも増えましたけど・・・。」

こちらが雑誌の件を持ち出すと、相手はかなり動揺したようで、口調が若干しどろもどろになり始めました。

とりあえず、その月の月末から返済を再開する旨を、相手に約束させました。

そしてプレッシャーをかける意味で、翌日には店舗宛に、振込用紙を半年分郵送しました。

その後、担当替えで私の手から離れるまでの数ヶ月間、毎月の返済は何とか履行されました。

 

最後に・・・。

その債務者は、まさか債権者が自分を取材した雑誌を読むとは、想像していなかったでしょう。

しかし、そう上手くは行きません。

マスコミで取り上げられ、有名になることは、プラスだけでなくマイナスももたらすものです・・・。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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