江戸時代だけでなく、現代にも職場の「水呑百姓」がいる?

大手・中小零細にかかわらず、大抵の職場には休憩室があり、従業員が昼休みや仕事の合間に一服できるようになっています。

有料の自動販売機が設置されているのはもちろん、無料で水やお茶・コーヒーなどが飲めるサーバーを置いている所も多いです。

紙やプラスチックのコップが付いていて、季節に応じてホット・コールドの飲み物を楽しめるのは、働く人間にとってはありがたいことです。

 

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不況の現代日本に、『水呑百姓』が復活?

昨年から続くコロナ禍以前から、日本は既に不況に突入しています。

世のサラリーマン・OLなど労働者の懐も寒くなっている実態が、マスメディアでも伝えられていました。

2年ほど前にある雑誌で、年収ダウンで毎月の小遣いが著しく減額された中年サラリーマンの話が載っていました。

喫茶店へ行くのはおろか、自販機で缶コーヒーなどを買うのもままなりません。

やむなく毎日職場に水筒を持参し、無料のウォーターサーバーの水を水筒に詰めて飲んでいるということでした。

いつしか同僚たちからは陰で

「水呑百姓」

と呼ばれていた・・・という、何とも物悲しい話でした。

昔の農民でも特に貧しく、自分たちが耕作した米や野菜・果物すらほとんど口に出来ない人々は、水ばかり飲んでいる「水呑百姓」と呼ばれていました。

正直に言って、軽蔑の念を含んだ好ましくない言葉です。

先ほどの雑誌の記事に出ていた男性は、現代の「水呑百姓」として肩身の狭い思いをしていました。

個人的には気の毒に感じます。

しかし世の中には、同じように気の毒だとは思えない例もあります。

 

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約40年前、父の職場にあったウォーターサーバーが・・・。

私の父が会社勤めをしていた、40年以上前の話です。

父が勤めていた部署の事務所の入口付近に、ウォーターサーバーが設置されていたそうです。

部署の社員全員が毎月少しずつお金を出し合い、業者さんに定期的に水のタンクを配達してもらっていました。

その部署の社員は当然無料で、他の部署の社員が用事で来た際に飲んでも、文句は言われませんでした。

ある時期、水の減りが急に速くなり、父や同僚たちは首をかしげていたそうです。

 

朝早くにやって来た、別の部署の社員の手には・・・。

そんなある日、父は朝早くに出勤しました。

その日の仕事の下準備をし、自分の机で一息ついていました。

すると、一人の男性が事務所に入って来ました。

他の部署に所属している社員で、父も顔見知りの人でした。

「朝早くから何をしに来たんだろう?」

遠くから父が見ていると、その社員は入口そばのウォーターサーバーに近付きました。

父の存在には気付いていないようです。

よく見ると、社員の手には大きめの魔法瓶タイプの水筒が・・・。

その社員は水筒を水の出口に近付けると、水を注ぎ込み始めました・・・。

 

他部署から、タダの水を求めて朝早くに・・・。

父は即座に

「最近水の減りが速かったのは、コイツの仕業だ!」

と確信。

走ってその社員に近付き、

「おい、何やってるんだ!」

と一喝しました。

その社員は慌てた様子で

「いや、ちょっと水をもらいに・・・。」

と言い訳しました。

しかし問い詰めると、ここ最近ほぼ毎日、朝早く人の少ない時間帯にやって来て、サーバーの水を水筒に詰めていたそうです。

その社員がいる部署にはウォーターサーバーがなかったので、わざわざ他の部署に遠征(?)に来ていたのです。

 

父はブチ切れ!以降その社員は・・・。

父は頭に来て、怒鳴り付けたそうです。

「確かに他の部署の人間が飲んでも、誰も文句なんて言わない。でも限度があるだろ!この水も、タダでもらってるんじゃない。みんなで金を出し合って買ってるんだ!常識で考えろ!」

このことは直後に出勤してきた同僚たちも知ることとなりました。

以降その社員は、父のいた部署には二度と姿を見せることがなかったそうです・・・。

 

最後に・・・。

令和の現代よりさらに昔、昭和の時代の職場にも「水呑百姓」は存在していました。

但しこの場合は、他の部署の社員たちが自腹で購入していた水を、朝早くこっそりと大量に持ち去っていました。

まるで自分の村の川の貴重な水を、よその村から溝を掘って引っ張っていく

「水泥棒」

です。

前述の雑誌の記事のような、物悲しい話とは言えません。

いくら懐が寒くとも、こうした節約技は使いたくないものです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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