人間は、忘れやすい生き物です。
年齢を重ねれば、記憶力が衰えるのは当然です。
しかし、10代〜20代という、最も頭脳が活発なはずの世代でも
「暗記」
は頭痛の種です。
様々な知識を学ぶが、暗記するのは難しい・・・。
小学校〜大学まで、毎日学校で様々な知識を学習します。
理屈を理解するのはもちろん、言葉や年号、公式などを暗記しなければなりません。
世の中には、教科書や参考書を一度読んだだけで、内容をほぼ覚えてしまう天才も稀に存在します。
しかし、100人中99人は、一度では到底覚えられません。
灘や開成といった超名門校の生徒でも、何回も繰り返して記憶するはずです。
暗記しても、翌朝には・・・。
勉強法や暗記術などの本でよく紹介されるのが、
「エビングハウス曲線」
です(詳細説明は省略します)。
このグラフを見ると、人間の記憶力がいかに弱いか分かります。
どれだけ勢い込んで暗記しようとしても、翌日の朝にはかなりの部分を忘れてしまいます・・・。
高校受験や大学受験の頃、
「あ〜あ、ドラえもんの『暗記パン』が本当にあればなあ・・・。」
とボンクラなことを考えていたのは、私一人ではないでしょう。
『通訳ガイド』試験の勉強に苦労した!
私は、大学を卒業してから10年ちょっとの間に、三つの国家資格に挑戦しました。
いい大人になっても、「受験生」として暗記に苦労する日々を過ごしていました。
三つ目に受験した
「通訳ガイド」(現在の正式名称は「通訳案内士」)
が、一番暗記量が多く、かつ一番苦労しました。
それまでにTOEIC試験の学習もしていたので、英単語・熟語にはそこそこの自信を持っていました。
しかし、通訳ガイド試験合格には、さらに上級レベルの語彙力が必要でした。
頑張って暗記しても、記憶に定着しない・・・。
多くの合格者が使っていた単語・熟語集を読んだり、例文を書いたりしてみました。
ところが、なかなか記憶に定着しません。
TOEICやTOEFLとはまた違った、特殊な言葉が多く、今までほとんど馴染みのない単・熟語の割合が大きかったです。
頭に残る割合が同じなら、一度に大量に暗記すれば?
そんなある日、私の頭の中に一つの考えが閃きました。
「一日に単語を10個覚えても、次の日以降も頭に残っているのは、せいぜい2〜3個。20%〜30%が限界ということ。」
「それなら、一日に20個覚えれば4〜6個、30個覚えれば6〜9個くらいは頭に残るんじゃないか?」
はっきり言って、単純極まりない発想です。
まるで「おバカキャラ」的な論理としか言いようがありません。
しかし、私はなぜか
「そうだ!これからは、一日の暗記量を3倍に増やそう!」
と、完全な「激烈バカ」モードに突入していったのでした・・・。
しばらくすると、効果がジワジワと出て来た!
それまで単・熟語集は、一日5ページくらいしか読んでいませんでした。
それを、3倍の15ページほど読むようにしました。
当然ですが、一冊の本を読み終わる日数は3分の1に縮まりました。
同じ本の2回目を読み始めてしばらくすると、あることに気付きました。
「あれ?意外と覚えてる・・・。」
かなりの数の単・熟語は、2回目には既に忘れています。
しかし、割合で言えば20%ちょっとは、意味を覚えていたのです。
30%とはいきませんでしたが、確かに記憶に残る量は増えました。
同じ本を読む3回目は、また少しではありますが、覚えている割合が増えていきました。
記憶のざるの網目から、こぼれ落ちる量が減った!
こうなると、暗記が面白くなってきます。
イメージとしては、ざるの上に砂を乗せ、大きい粒と小さい粒に分けていく感じです。
一度に暗記する量が少ないと、ざるの上には
大きい粒(=記憶に残ったもの)
が少ししかなく、ほとんどは
小さい粒(=記憶に残らなかったもの)
として、ざるの網目を通り抜けるばかりです。
しかし、暗記する数を大幅に増やすと、ざるの上に残る「大きい粒」が少しずつ増えるという感じなのです。
最後に・・・。
語彙力が向上すると、英文読解の力が上がるのはもちろんです。
それに加えて、英作文の力も上がってきます。
英作文が上達すると、スピーキング力すなわち会話力も身についてきます。
好循環が生まれるのです。
幸い、試験には1回目で合格できました。
おバカ極まりない思い付きと思い込みで、前述の暗記法を始めました。
結果的には、私に合っていたのでしょう。
ただ、どんな人にも適した方法かどうかは分かりません。
どんな科目にも通用するのかも、正直何とも言えません。
しかし、
「暗記が苦手で、なかなか覚えられない・・・。」
とお悩みの方には、ダメでもともとという感じで、一度お試しいただければと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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