NHK−Eテレの語学講座が低レベル化している!

NHK教育テレビ・・・

もとい、

NHK−Eテレ(この「Eテレ」という名称が大嫌いなのですが)

と聞いて、皆様は何を思い浮かべられるでしょうか?

おそらく多くの方が

「外国語講座(語学講座)」

を思い浮かべられるはず。

「いや、アニメだよ!『おじゃる丸』とか『おでんくん』とか、名作が色々あるだろ!」

という御意見の皆様、申し訳ございません・・・。

2023年(令和5年)10月現在、7ヶ国10番組が放送されています。

外国語学習経験のある方なら、何かの番組を過去に御覧になったことがあるでしょう。

 

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外国語講座は終了できない?

昔、何かのテレビ番組でこんな話をしていました。

「NHK教育テレビ(当時)では、なかなか新たな外国語の講座を作りにくい。」

「一つは、放送スケジュールに空きがなく、数を増やせない。」

「もう一つは、一旦始めてしまうと、終了するのは極めて難しい。」

テレビ外国語講座には、各国の大使館や観光局が協力してくれ、参考映像などの提供や、海外ロケでの取材許可などの便宜を計ってくれるそうです。

外国語講座は、その国のPR媒体の一つと捉えられているのです。

中国や韓国とは、時々外交関係が悪化しますが、テレビ講座に影響が及ぶことはありません。

 

打ち切りイコール外交問題!?

なので、もし視聴率の低迷などの理由で

「○✕語講座は、今年度限りで終了します。」

などという事態になったら、一大事となります。

「何でウチの国の言葉の講座が終わるんだ!?」

と、下手をすると外交問題になりかねないそうです。

昔ある一時期、教育テレビでポルトガル語講座が短期集中放送されることがありました。

日本在住のブラジル人もかなり多く、レギュラー化されてもおかしくありません。

しかしそうした事情があったため、レギュラー化できなかったと考えられます。

ポルトガル語講座は、ラジオでのみ放送されています。

 

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昔観ていた頃と比べて・・・。

そうした裏事情からも分かるように、外国語講座(テレビのみならずラジオも)は単なる番組コンテンツ以上の重要性を持っています。

しかし、ここ20〜30年の間に、テレビ外国語講座の内容が

どんどん低レベル化

していったように思います。

私は大学生の頃からしばらく、色々な国の言葉のテレビ講座を結構観ていました。

興味本位でチョコチョコ観るのがほとんどでしたが、英語とイタリア語とドイツ語の講座は、本気で続けて観ました。

英語は社会人になっても独学を続け、最終的にはTOEICや通訳案内業(現:通訳案内士)試験に挑戦しました。

ドイツ語は大学で第二外国語として習っていたので、文法やリスニングの補強のために観ていました。

イタリア語については、1990年(平成2年)4月からテレビ講座が始まり、同年6月にはイタリアでサッカーW杯が開催されたので、興味を持ちました。

ちなみにその年度の番組には、当時大学の留学生だった

ジローラモ・パンツェッタさん(元祖『チョイ悪男』で有名)

がレギュラーゲストの一人でした。

ジローラモさんはその後も10年ほど、イタリア語講座に出演なさっていたはずです。

 

1990年代、各講座のレベルが高かった!

1990年代のテレビ外国語講座は、どれもレベルが結構高かったと思います。

英語に関しては、ある番組では20分の番組のほとんどが、英語によるインタビューでした。

途中にほんの少し、講師による日本語の解説が入りました。

2〜3年後には解説もなくなり、副音声が日本語訳という形になりました。

私は主音声で観て、分からない部分はテキストにあるスクリプト(話し手の会話を全て文字に起こしている)を読んでいました。

私が社会人になって2〜3年目くらいまでは、放送されていたはずです。

当時持っていたステレオ(テレビ音声も聴けました)でカセットテープ(レトロ・・・)に録音し、通勤・通学時にウォークマン(これまたレトロ・・・)で聴いていました。

ドイツ語やイタリア語も、1990年代中盤までは日本人の講師とネイティブのレギュラーゲストのみという組み合わせでした。

また各番組では、色々な表現をちりばめたミニドラマが毎回流れていました。

1993年度(平成5年度)には、レギュラーゲストのお姉さんが美人という不純な動機で、意味も分からないまま中国語講座をほとんど毎週観ていました。

その中で流れていたミニドラマ「東京スケッチ」(だったと思います・・・)は、女性一人と男性二人の恋の三角関係が描かれていて、下手なトレンディードラマより良くできていました。

各番組のミニドラマに出てくる日本人も、皆会話が流暢でした(帰国子女か現地在住の人?)。

そして、一年通して同じメンバーで放送、というのが基本だったはずです。

 

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芸能人の出演から、レベル低下が始まった?

ところが1990年代後半辺りから、芸能人がレギュラーゲストとして登場し出しました。

そして、ネイティブのゲストも日本語を使うようになりました。

それに伴う形で、各番組の内容が徐々に易しくなっていきました。

芸能人ゲストのレベルに合わせたのでしょうか・・・。

その辺りから、私もテレビ講座からは遠ざかっていきました。

それでも毎年春先の4〜5月は、各講座をチョコチョコ観ていました。

ところが21世紀に入ってもレベルの低下は止まらず、いつの間にか

4〜9月までで一旦終了し、10〜3月は新たに一から始める

というスタイルになっていました。

このスタイルは現在も続いています・・・。

 

学習効果が低ければ、放送する意味あり?

もちろん基礎からじっくりやるのも大切ですが、今の形式だと少し実力が上がってきた人にとっては、全く物足りないでしょう。

「それならば、ラジオ講座の方で学習すればいいのでは?」

という意見もあるでしょう。

確かにラジオの方は、文法をある程度網羅しています。

実力が上がってきたら、応用編を学習するのも一手です。

ただそれだと、テレビ講座の存在意義が問われることになります。

学習効果の低い番組を、放送し続ける理由がありません。

テレビ講座の現状を、各国の大使館の関係者はどう考えているのでしょうか・・・。

 

最後に・・・。

前述の通り、外国語講座の終了は外交関係にも影響を及ぼすはずでした。

しかし、いつの間にかテレビの

ロシア語講座は終了

していました・・・。

ラジオ講座は放送継続中です。

そしてアラビア語も同様に、テレビ講座は消えてラジオ講座のみになりました。

ロシア語については、ウクライナ侵攻などの問題が大いに影響したのは、容易に想像できます。

ですが、アラビア語に関しては問題が見当たりません。

唯一あるとすれば、視聴率が低い、すなわち学習者の数が少ないということでしょう。

しかし私の想像ですが、番組のレベルが低くなり過ぎ、真剣に学習しようという人々はラジオ講座に流れてしまったのでは・・・?

最後までお読みいただき、ありがとうございました。