民事裁判で証人になると、時間も手間もかかる!

日本では

「裁判」

はまだまだ

「縁遠いもの」

として認識されているでしょう。

司法試験の合格者数を増やしたり、裁判員制度を創設したりと、国の方ではあれこれ動いて来ました。

しかし今までのところ、日本国民にとって法律や裁判というものは、全く身近になっていません。

 

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裁判で『証人』になったことありますか?

皆様の中で、今までに民事裁判を起こし原告となったことがある方、または民事・刑事裁判で被告となったことがある方は、どれほどいらっしゃるでしょうか?

どちらの経験もない方が大多数でしょう。

ならば、裁判において

「証人となったことがある」

方となると、どうでしょうか?

こちらもそれほど多いとは言えないでしょうが、原告や被告となった方よりは多いのではないでしょうか。

特に、金融関係の仕事に携わっている方々だと、証人になられたことのある割合は、一般平均よりかなり高まるはずです。

 

民事裁判の多くは借金絡み。時効を主張され、過去の担当者が・・・。

日本の民事裁判のかなりの数は、金融機関や貸金業者が債務者に対して、債務の返済を求めるという内容です。

債務者が裁判所に出廷せず、書面での答弁も行わずに

「欠席裁判」

となる事例が多いのですが、債務者が真っ向から反論してくる事例もあります。

「時効が完成しているので、債務の支払義務は消滅した。」

と主張してくる場合が多数です。

内容によっては、原告や被告の側で証人を申請し、法廷で証言させることとなります。

金融関係の企業が原告または被告の場合、その企業の従業員がほぼ100%証人となります。

ただ、裁判の時点の担当者が証人となる事例は、それほど多くありません。

何代も前の担当者だった従業員が、突然証人として選ばれることが多いのです。

 

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過去の担当案件のことなど、ほとんど覚えていないのだが・・・。

過去の担当者が時効の中断措置を取らなかった、あるいは取ったつもりが不備があり、実際には効力が発生しなかったため時効が完成した、というのが債務者側の主張の核心です。

例えば銀行だと、数年前に勤めていた支店で担当していた顧客が、後に返済を滞らせ、現在の担当者により訴訟申立の稟議がなされます。

そしていざ裁判が始まり、被告から時効完成の主張がなされると、原告対応を迫られます。

実際に時効が完成していない(あるいは完成していないと考える)のであれば、原告はそれを裁判官に納得させる必要があります。

証人を立てることが必要となると、銀行の法務部などから当時の担当者に連絡が来ます・・・。

過去の担当者としては、

「そんな昔のこと、いちいち覚えてないよ!」

という気分でしょう。

しかし、当然ながら立場上拒否できるはずもありません。

 

時間に余裕はあり、対策を講じられる!しかし・・・。

指定された日時に裁判所へ行き、法廷で証言を行うことになります。

ただ、証人申請が認められてから、1~2ヶ月くらい後の日時が設定されます。

準備不足で記憶もあいまいなまま証言させられることはありません。

その間に顧問弁護士が過去の経緯を精査し、その上で証人と打ち合わせを行うのが常道です。

その点では何も心配することはありません。

また、嘘の証言(いわゆる「偽証」)をさせられることもありません(はずですが・・・)。

ただ、顧問弁護士との打ち合わせが、非常に面倒で時間がかかるのです。

 

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過去に一度だけ、証人になったことが!

私は過去に一度だけ、裁判所で証人として証言したことがあります。

その数年前に担当していた案件につき、何代か後の担当者が訴訟に踏み切りました。

ところが、被告も代理人弁護士を立て、

「時効の完成」

を主張してきました。

そして、過去の担当者だった私が、証人として出廷することになりました。

職場の同僚にも、以前に証人になった人が数人おり、話を聞いたことがありました。

しかし自分にその番が回って来るとは、予想していませんでした。

 

弁護士事務所で二回の打ち合わせ。時間がかかった・・・。

後日、訴訟を担当する顧問弁護士の事務所で、第一回目の打ち合わせに臨みました。

私は事前に過去の記録類を読みこみ、自分の担当時期の交渉や事務処理について確認していました。

弁護士の先生も記録類を精査してくれました。

法的にはこちらの事務に不備はなく、時効は未完成であると言ってくれました。

ただ、裁判の弁論は単純なものではなく、先生は様々な想定問答を準備していました。

もちろん嘘を言う必要などなく、事実をありのままに述べればいいだけです。

しかし、被告側の弁護士から様々な質問がなされる可能性があります。

慌ててしまい、つじつまの合わない矛盾した発言をしないよう、こちら側も事実や考えを整理しなければなりません。

午後3時頃から始まった打ち合わせは、途中に休憩を挟みながら、私の予想よりかなり長く続きました。

終わったのは、午後6時過ぎでした・・・。

翌々週に第二回の打ち合わせがあり、その日も2時間近くかかりました。

 

法廷では『宣誓書』に署名押印。緊張せずに証言できた!

いよいよ証人として出廷した当日。

テレビドラマなどでよく見る通り、法廷の真ん中辺りの席(被告や証人が座る)に私は座りました。

正面には裁判官が三人座っています。

私の左側には原告側(つまり我々)の弁護士、私の右側には被告側の弁護士が座っています。

その横には、今まで直接会ったことがなかった連帯保証人が、被告として座っていました。

まさしく、ニュースやドラマと同じです。

証言の前に、

「宣誓書」

に署名押印しました。

「真実のみを証言します。」

といった内容でした。

その後、相手方弁護士や裁判官の質問に答える形で証言を行いました。

入念な打ち合わせのおかげで、緊張することなく正確な受け答えができました。

後日、その裁判はこちら側の勝訴で終わったと、当時の担当者から連絡をもらいました。

 

最後に・・・。

証人という立場は、自分が直接の当事者ではないので、まだ気が楽な方です。

一方、民事事件・刑事事件のどちらであれ、

「被告」

として法廷の同じ席に座らされることは、今後も一生ないように心がけたいところです。

おそらく周囲の見え方が、証人として座った時とは全く異なるはずです・・・。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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