「裸の大将」
という言葉を聞いてどう反応するかで、その人の大体の年齢層が把握できます。
「裸の大将」とは、厳密には
「裸の大将放浪記」
というテレビドラマ、もしくはそのドラマの主人公を指します。
故・芦屋雁之助さんの代表作!
「裸の大将放浪記」は、1980年(昭和56年)に放送が開始されました。
フジテレビ系で、日曜夜9時からの枠で不定期放送されていました。
放浪癖のあった天才貼り絵画家、山下清をモデルにした物語で、主演の故・芦屋雁之助さんにとっては、代表作の一つです。
1997年(平成9年)にシリーズは終了しましたが、平成後期に復活。
ドランクドラゴンの塚地武雅さんが、二代目として山下清を演じ、こちらも話題を集めました。
独特の出で立ちはインパクト大!
ドラマの中では、清は坊主頭。
上半身はタンクトップのランニングシャツ、下半身は半ズボンに下駄という出で立ちです。
そして、古びたリュックサックと傘、スケッチブックが荷物の全て。
全国をあてもなく旅して回ります。
ドラマの時代設定は戦時中〜戦後ですが、おそらくその頃でもかなり
インパクトの大きい風貌
だったはずです。
平成の世に、『裸の大将』が・・・?
私は平成の世で一度だけ、上記のような出で立ちの男性を目撃したことがあります。
今から四半世紀ほど前、1990年代後半だったと思います。
ある土曜日の午後、私は大阪市中央区の「ミナミ」と呼ばれる繁華街にいました。
別の場所での用事を終え、南海電車「なんば」駅近くの
「大阪球場」
そばへと向かいました。
以前このブログでも書きましたが、大阪球場(当時は、球場内が住宅展示場になっていました)の1階が「古本屋街」になっていたのです。
そこで古本でも見て回ろうと思ったのです。
大阪市中央区の南海電鉄「なんば」駅は、大阪府南部や和歌山県と大阪市を結ぶ、発着駅かつ終着駅。いわゆるターミナル駅です。駅の北方や東方には、「ミナミ」と呼ばれる繁華街が広がっています。駅[…]
競馬で負けた人たちの中に、ある男性が・・・。
私は喉が渇いたので、古本屋街の入口そばでジュースを飲んでいました。
そんな私の目の前を、多くの中高年男性が通り過ぎて行きます。
しかも、ほとんどの人がしょぼくれた表情で・・・。
私は気付きました。
ちょうど土曜日ということで、競馬が開催されていました。
大阪球場の近くには、JRAの場外馬券売り場がありました。
競馬で負けた人たちが、落ち込んで帰って行くところだったのです。
納得した私は、そろそろジュースを飲み干し、古本を見に行こうと思っていました。
そんな時、ある男性が馬券売り場の方向からやって来ました。
その男性の風貌を見て、私は驚きました。
「まるで『裸の大将』みたい!」
と、心の中で叫びました。
『裸の大将』を意識したコーデのよう!
男性の頭は、短く刈った坊主頭。
そして、初夏辺りの時期だったとはいえ、タンクトップのランニングシャツ。
太っていたので、シャツがややピチッと張っていました。
例えるなら、スポーツウェアのブランド
「アンダーアーマー」
のシャツを着たような感じでしょうか。
そして、半ズボンを履いていました。
足元はさすがに下駄ではありませんでしたが、履き古した感じのサンダルでした。
背中にはリュックサック。
中からは、鍋が半分ほど姿を見せていました・・・。
まさしく、
「『裸の大将』を意識してコーディネイトしたのでは?」
と思わせる出で立ちでした。
テレビのロケかと思ったが・・・。
私は最初、
「何かのテレビ番組のロケ撮影かな?」
と思いました。
しかし、周囲にスタッフらしき人たちは見当たりません。
そして、男性は非常に険しい表情をしています。
よく見ると、右手にはワンカップ日本酒、左手には何かの紙を何枚か握りしめています。
男性の感情が爆発!そして・・・。
その男性は立ち止まると、左手に持っていた紙を地面に投げ捨てました。
散らばったのは、数枚の馬券でした。
当然、ハズレ馬券でしょう・・・。
それだけではありません。
男性は突然、
「ああ〜!」
と大声で奇声を発すると、右手に持っていたワンカップの瓶(中身は空)を地面に叩きつけたのです・・・。
瓶は割れて、破片が地面に飛び散りました。
そして男性はなぜか、来た道を引き返して行きました・・・。
最後に・・・。
男性は身なりこそ独特でしたが、割とこざっぱりした感じに見えました。
路上生活をしているような雰囲気ではありませんでした。
しかし、リュックに鍋が入っていたということは、決まった住所がないということだったのでしょうか?
ただ、ワンカップを飲んで競馬をするお金は持っていた・・・。
あの男性は、一体何者だったのでしょうか?
ドラマの中では、「裸の大将」は色々な人の人情に助けられました。
あの「リアル『裸の大将』」は、大阪の人々の人情によって助けられ、今も元気に暮らしているのでしょうか・・・。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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