「生活苦で大変!」とアピールする債務者ほど余裕がある!

私は長い間「債権回収」、言い換えれば

「借金取り」

の業務に携わってきました。

その中で、当然ですが多くの債務者・連帯保証人などと関わってきました。

 

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『生活に余裕がある』感を出してくる人はいない!

どれだけ督促・呼出をしても、電話一本寄こさない人が多数です。

しかし、連絡が取れて事務所に面談に来る人もいます。

返済の話をしていると、あからさまに

「生活には余裕があります。」

といった態度・言動を見せる人は皆無です。

むしろ大多数の人は、生活に余裕がなく、返済そのもの又は返済額の増額が難しいことを訴えてきます。

 

経験を積むと、『話を盛っている』のが分かる!

回収業務初心者の頃は、相手のそうした話を割と真に受けて聞いていました。

しかし経験を積んでスレてくると、相手が話を誇張していること

(今風に言えば「盛っている」)

が分かってきます。

そして、相手の話の矛盾を突いて返済を求めることが、習慣化していきます。

「感覚が鈍感になる」

とでも言うべきでしょうか。

時には、相手から

「払えないっていう話を延々としてきたのに、払えってどういうつもりだ!人の話を聞いてるのか?」

とキレられることもあります・・・。

 

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生活苦を猛アピールする債務者たちには共通点が!

様々な債務者たちと対面や電話でのやり取りを繰り返す中、私はある傾向に気付きました。

それは

「生活苦を猛アピールしてくる債務者ほど、話を聞いていると結構余裕があるように思えてしまう。」

ということです。

先ほども書きましたが、お金に困っていないと自分から言って来る人は、まずいません。

例えば連帯保証人で、自分自身は問題なく暮らしているはずの人でも、自分が今いかに経済的ゆとりがないかを強調してくるのです。

 

元気いっぱいに『話大盛り』、ツッコミたくなる・・・。

「お金がない」

アピールをしてくること自体は、特に不思議ではありません。

しかし、

「そんなにお金がなくて生活に困っていたら、今そんなに元気に話せてないですよね・・・。」

と思うほど、元気いっぱいに自らの窮状を根掘り葉掘り説明する人が、結構多いのです。

そういう人たちは、話の盛り方も半端ではありません。

回収担当者は、相手の話を聞きながらメモを取っています。

途中で確認のためにメモを見返していると、

「こんな状態だったら、家賃滞納で家も追い出されるよな・・・。」

「『このままだと、首を吊るか夜逃げしないといけない。』と言ってるけど、話が本当だったら今頃ここには来られないよ・・・。」

などと、心の中でツッコむことがよくありました。

若手漫才師のツッコミの練習相手としては、最適だと思います。

 

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少し『感覚のズレた』債務者は結構多い!

そういう人たちの多くは、元々なのかどうかは不明ですが、少し

『感覚がズレている』

印象を受けます。

例えば、返済が滞っている債務者と、電話で面談の約束をする際も

「車で行きたいんですけど、そちらに駐車場ありますか?」

と平気で聞いてきます。

ある債務者が車でやって来た時のことです。

面談の際、

「自動車って、維持費とか保険代とか、色々お金が要りますよね。」

と尋ねました。

すると、相手はちょっと動揺した様子で

「車は、親戚のおばさんから借りてます。」

という、謎の答えを返してきました・・・。

 

返済が困難と強調するなら、なぜ車で来る?

「どういうことですか?」

「病院の送り迎えをしてあげることが多くて、時々何日か貸してもらってます・・・。」

私が

「それなら、維持費とかは浮きますよね。」

と詰め始めると、

「ガソリン代は自分で出してるんで・・・。」

などと、急に歯切れが悪くなりました。

毎月数千円の返済も難しいと、ずっと繰り返していました。

それにもかかわらず、車で債権者の所へやって来ること自体、正直あまりにも間が抜けています。

ですが、返済を滞納していても、車でやって来る債権者たちは割と多いのです。

 

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『子供の学費』は錦の御旗ではない!

もう一つ多いパターンは、

「子供の学費が高くて・・・」

というものです。

確かに小学生〜高校生くらいまでの子供がいれば、何やかやと費用がかかるのはまだ納得できます。

しかし、大学や専門学校の学費となると、話は違ってきます。

全額は無理でも、一部なら子供自身がアルバイトで稼ぐことも可能です。

育英会の奨学金(実際は学生ローンですが・・・)を借りている学生は、昔に比べはるかに増えています。

もちろん親の立場としては、何とか大学・専門学校のお金くらいは工面してやりたいところでしょう。

しかし、それを理由に借金の返済を滞納していいはずはありません。

子供の教育費用は、

「錦の御旗(みはた)」

ではありません。

大きな借金を抱えた親が、子供の大学・専門学校の学費まで丸抱えするのは

「ええカッコしい」

つまり見栄を張っているに過ぎません。

 

大学院や留学は、子供自身に何とかさせろ!

中には

「子供は大学院生なんですけど、バイトする時間がないんで、援助してやらないといけません。」

「来年、子供が海外留学する予定で、お金が要るんです。」

といったことを平気で言う債務者もいます。

債権者の前でそんな話をして

「それで生活が厳しいんですね。では、返済が滞納しても仕方ないですね。」

という反応が返ってくる確率は、ゼロ%だと断言できます。

 

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本当に大変な人ほど、窮状を話したがらない!

反対に、話を聞いていて、思わずこちらが同情しそうになる債務者ほど、「大変なんです」アピールの度合いが低いのです。

説明にも誇張した点が全くなく、ありのままを淡々と話す点が、そうした人たちのほとんどに共通しています。

そうしたタイプの債務者は大抵、金額は少額でも返済を継続しています。

振込が2〜3日遅れる程度でも、事前に連絡して来ます。

しかし皮肉なもので、そういうタイプの人ほど

「生活が苦しいんで、毎月の返済額を下げてください。」

とはなかなか言い出しません(あるいは言い出せません)。

 

生活苦を訴えるのを『恥』と捉えている?

昔の日本人は

「恥の文化」

の中で生きていたとよく言われます。

生活苦をアピールしない債務者たちも、窮状を訴えることを恥ずかしいと考えているのかもしれません。

今まで書いてきた内容とは、矛盾しているように聞こえるかもしれませんが

「生活が苦しい」

と周囲の人たちや行政、そして債権者に正直に伝えることは、恥でも何でもありません。

そこから解決への糸口が見つかる可能性も、高くなると思います。

 

最後に・・・。

しかし残念ながら、現在の世の中では

「楽するためなら、恥も外聞もない」

人が増えています。

そのため、本当に困っている人たちも同類のように思われ、いわゆるバッシングを受ける例は多々あります。

そういう風潮を恐れ、何も言わない(言えない)人も増えているはずです。

債権回収の担当者も、少しは返済が可能なのに

「何とかして払わずに済ませたい。」

「でも、生活のレベルは下げたくない。」

と考える債務者たちを、数多く相手にすることになります。

そのうち、同情心が麻痺します。

そして、何でも

「まず疑ってかかる」

姿勢が染み付いてしまうのです。

刑事ドラマでは、そういった類の台詞がよく聞かれます。

借金取りの世界でも、同じような

「職業病」

があるのです・・・。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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