2021年(令和3年)8月現在、日本各地のいわゆる
「商店街」
は、どこも深刻な状態に陥っているはずです。
1年半を超えるコロナ禍の中、休業や廃業に追い込まれた店舗も多いはずです。
何とか持ちこたえて営業を続けている店舗も、商店街そのものに活気がなくなれば、
「自助努力」
だけではどうしようもありません。
コロナ禍以前から、店舗淘汰の動きは明確だった!
私の自宅の近隣にある商店街も、人出こそ結構多いですが(政府や都道府県知事の言う事を、誰も聞く気がなさそうです・・・)、廃業したり別の店に替わっている所がポツポツ出てきています。
ただ、休廃業や店の入れ替わりの増加自体は、コロナ禍のかなり前から明らかになっていました。
コロナ禍によって拍車がかかったのは事実ですが、中小零細店舗の淘汰は、私のような素人にも認識できるレベルになっていたのです。
不景気だけが原因ではない!
「日本社会が不景気になったから。単純な話じゃないか?」
そう言われればその通りです。
しかし、より具体的な理由を、少なくとも一つ挙げることができます。
それは
「同じエリア(商店街など)に同じ種類の店舗がいくつもできたため、客の奪い合いイコールつぶし合いとなった。」
ということです。
コンビニ業界ではこうした事例は山ほどありますが、コンビニもビックリするほどエグい事例が、私の周囲でも多数ありました。
お好み焼き屋のすぐそばに新しく開店したのは・・・?
私がまだ一人暮らしをしていた、7年ほど前のことです。
近所の商店街に、お好み焼き屋がありました。
店は間口が狭く奥に長い形で、商店街のアーケード内ではよくあるタイプでした。
カウンター席が数席ほどの小さい店でした。
お店の人が目の前の鉄板で焼いてくれたお好み焼きを、そのまま食べるという定番スタイルです。
私自身はそこで食事をしたことはありませんが、店の外から中を覗くと客はそれなりに入っていて、順調そうに見えました。
ところが、半年ほどすると二つ隣の空いていた店舗跡に、何と
「一銭焼き」
のテイクアウト店が開店したのです・・・。
一銭焼きは、別名「キャベツ焼き」とも呼ばれる、低価格のスナックお好み焼きです。
本来なら勝負にならないはずだが・・・。
肉やイカなどの具材は入っておらず、生地の中に線切りキャベツを混ぜて焼き、ソース・マヨネーズを塗っただけという物です。
本来なら、お好み焼きと勝負になるはずもありません。
しかし、午後の時間帯は買い物途中のマダムたち、学生たちに結構売れていました。
夕方〜夜も、仕事帰りのサラリーマンが缶ビール片手に、店のそばで食べる姿が目立ちました。
そのため、お好み焼き屋の影が薄くなってしまい、客足が遠のいてしまったのです・・・。
結局、そのお好み焼き屋は閉店しました。
その後に新しい店が入ったが・・・。
しばらくして、そこには一口餃子の店ができました。
キャベツ焼きと競合することなく、最初の頃は店内での飲食、テイクアウトの販売とも割と繁盛していました。
ところがその約3ヶ月後、アーケード内の近くで営業していた喫茶店が閉店。
1ヶ月ほど改装工事が行われた後に開店したのは、
「餃子の王将」
のチェーン店でした・・・。
そのさらに2ヶ月ほど後、一口餃子の店は姿を消しました。
狭いエリアに、同種の店舗が集まってくる!
私の自宅の近隣(半径300メートルほど?)には、知っているだけでも喫茶店が5軒、スーパーが3軒、歯科医院が5軒、不動産屋が4軒といったように、同種の店舗がなぜかやけに多いのです。
以前は花屋も3軒ありましたが、一軒は昨年閉店してしまいました。
後発店舗の場合、事前に調べさえすれば、既に同じようなお店が複数営業中であることは分かるはず。
それでも、立地の良さや人口の多さなどに惹かれて出店してしまうのでしょうか・・・。
明暗がはっきり分かれる業種も・・・。
喫茶店に関しては、いわゆる常連客を獲得して、地道に生き残っているお店が多いです。
しかしその他の業種については、部外者から見ても人気不人気が分かるくらい、大きな差が付いている場合もあります。
近所にはラーメン屋も多かったのですが、ここ2年ほどで少なくとも3軒が閉店しました。
最後に・・・。
コロナ禍で顧客数の
「パイの大きさ」
が一気に小さくなった現状で、自分の取り分を確保するのは大変なことです。
それに加えて、同業のライバルとの争いにも勝たなければならないのですから、各店舗の苦境は想像に余りあります。
そのうち、大都市圏の繁華街にも
「シャッター通り」
が出現するのではないでしょうか・・・。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。