「郵便貯金」は差押されやすい!

お金や法律などの話(夫)

日本人のかなりの割合の人が、「郵便貯金」の口座を持っているのではないでしょうか。

郵政民営化以降も、日本人の「郵貯信仰」は根強いです。

また、郵便局の統廃合が進んでいるとはいえ、郵便局の店舗網は全国津々浦々に及んでおり、近隣に金融機関のない僻地の人にとっては、重要な存在です。

貯金の限度額は1,000万円になっていますが、大多数の人たちには特に不都合もありません。

「民業圧迫」との批判を受けながらも、郵貯マネーの金額は、メガバンクも侮れない金額です。

郵便貯金も差押の対象になる!

そんな郵便貯金ですが、例外(年金、生活保護など)を除いては、差押の対象になります。

裁判で勝訴判決を得て、債務名義を取得した債権者は、相手方、すなわち債務者の財産を差押でき、銀行預金や郵便貯金も当然含まれます。

郵貯差押よりも、銀行預金差押の方が手間がかかる!

銀行預金(もちろん、信用金庫や信用組合も含みます)を差押申立する場合、どこの金融機関のどの支店かを、申立人が指定する必要があります。

日本に銀行、信用金庫、信用組合は無数に存在し、債務者がどの金融機関のどの支店に口座を持っているか、債権者が推測するのは困難です。

そこで、弁護士の力を借りることになります。

弁護士に差押申立を委任すると、弁護士は自分の所属する弁護士会を通じて、各金融機関(本店と思われます)に、当該債務者名義の預金口座があるかどうかを、文書で照会できます(弁護士会の会長名で照会されます)。

全てではありませんが、多数の金融機関(メガバンクを含む)が、口座の有無を答えてくれます。

但し、日本中の全ての金融機関に照会するのは無理ですので、債務者の居住履歴などから、いくつかの金融機関に的を絞って照会してもらいます。

弁護士法の条文より、「23条照会」と呼ばれます。

手間と時間と費用という点では、費用対効果は良いとは言えません。

借金を返済できない人が、銀行などにたんまり預金を持っているケースはほとんどなく、完全な空振りに終わることが多いです。

ただ、債務者が当面の生活のため、密かに貯めていることもあり、債権者としては僅かな可能性でもやってみるしかありません。

郵貯差押の場合は、銀行預金よりも手間はかからない!

一方、郵便貯金の場合、それほど手間はかかりません。

そもそも郵便貯金には、支店の区別もありません。

日本全国に数ヶ所、「貯金事務センター」というエリア毎の拠点があり、そこ宛に裁判所から差押通知が届きます。

口座の有無や貯金額を記載した回答書を、申立債権者宛に郵送してくれます。

エリアは、北海道、東北、関東・・・などいくつかの区分で分けられています。

申立書に債務者の住所変遷を分かる範囲で記載しておけば、それに基づいて調べてくれます。

最後に・・・。

結論としては、債務者が差押を免れてまとまった金を預けておこうと思えば、できるだけマイナーかつ、例えば昔に住んでいた住所の近くの金融機関で作ったものの、休眠状態になっているような口座に預けるべきでしょう。

急に、しかも住所から遠く離れた場所の金融機関で口座を開設するのは、最近は非常に困難です(口座開設を断られることもあります)。

「お金の出し入れに楽だから。」という理由で郵便貯金に預けていると、ある日突然口座を差し押さえられ、お金を引き出せなくなってしまうかも・・・。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。