「子ども食堂」「フードバンク」今の日本の話なんだ!

2021年(令和3年)9月現在、日本に住んでいる人たちに

「日本は先進国ですか?」

という質問をすれば、大多数の人は

「日本は先進国だ。」

と答えるでしょう。

中国に追い抜かれたとは言え、世界有数の経済大国とみなされています。

また、アジアの国で唯一、先進国のグループ「G7」に加わっています。

 

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日本は本当に『豊かな国』なのか?

ところで、皆様は

「日本は豊かな国だ。」

という実感をお持ちでしょうか?

「実感がある!」

と自信を持って言える方は、どれくらいの割合でしょうか?

 

日本各地で『子ども食堂』や『フードバンク』が活動中!

ここ2〜3年くらいでしょうか。

マスコミでは

「子ども食堂」

「フードバンク」

が日本各地で活動している姿が紹介されています。

皆様ご存知でしょうが、あえて説明すると

「子ども食堂」

は、家庭の経済事情のため毎日の食事に困っている子供たちに、温かく栄養のある食事を無料で提供する取り組みです。

「フードバンク」

は、困窮家庭(子供に限らず。単身者も含む)に食料、飲料水などのセットをこれまた無料で配布する取り組みです。

いずれもNPOなどの非営利団体や個人が主体であり、近隣コミュニティーや地元企業などの寄付や現物支給・人的協力を得ながら活動しています。

 

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関心は持っていても、どこか『遠い場所の話』のような・・・。

ええカッコをするわけではありませんが、私はこうした問題には割と関心を持っています。

こうした話題のニュースやドキュメンタリー、書籍などを観たり読んだりしています。

しかし、そうした現実を目にしても、どこか

「遠い場所で起こっている話」

のように、心のどこかで感じている部分がありました。

自分自身、そうした支援活動をしたことがありません。

また周囲にも、そうした困窮状態にある人が見当たらない(少なくとも表面上は)ので、実感が足りないのです。

 

自宅から程近い公園で、『フードバンク』が行われていた!

つい二週間ほど前、夕方のテレビニュースを観ていた時のことです。

あるNPO団体が「フードバンク」の一環として、食料品などの詰め合わせを配っている様子が報じられていました。

ある公園のグランドにテントを設置していましたが、その公園は私の自宅から徒歩15分ほどの場所でした。

私も今まで、数え切れないほど通り抜けたり、そばを歩いたりしていました。

そこに、数十人〜百人ほどの人々が列をなしていました。

我々が抱きがちなイメージは、疲れた感じの中年男性やお年寄りという感じです。

 

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親子連れ、若い男性などが並んでいた・・・。

しかし列に並んでいた人は、女性と子供の親子連れや、まだ若いごく普通の感じの男性など、固定観念とは大きく異なっていました。

小学生くらいの女の子が飲食品の袋を受け取り、大事そうに抱えて去って行く姿が映っていました。

インタビューによると、やはりコロナ禍による倒産・解雇で職を失ったり、収入が大きく減少したことで生活が苦しくなった人が大多数でした。

自分の生活圏内で、多くの人々が支援を必要とする立場にいる・・・、その事実を知って、少しショックを受けました。

前述の通り自分の周囲では、そういう境遇の人が幸いにもいません。

なので、どこか「遠い世界の話」的な見方になってしまっていました。

しかし私が認識できていないだけで、身近でそうした苦境にある人々は、確実に増えているのです・・・。

 

現代の『見えない貧困』は、支援の目が届きにくい!

どこかの学者か専門家が語っていた

「現代の貧困は目に見えにくい。」

という言葉を思い出しました。

日本ではさすがに、裸足で歩いている子供や、買い物袋に教科書などを入れて通学する中高生はいません(はずだと信じたい・・・)。

携帯電話にしても、今や生活必需品に近くなっており、ほとんどの人が持っています。

iPhoneか格安スマホかなど、誰も気に留めません。

外見だけでは、生活に困っているとは想像できないのです。

困っている人が自分から助けを求めるのは、自尊心などの絡みがあり難しいのでしょう。

本来なら周囲の人々が手を差しのべて然るべきですが、周囲もそうした状況の人を把握しにくい点が、

「見えない貧困」

の恐ろしいところです。

 

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途上国ではなく、令和日本での話である・・・。

「子ども食堂」も「フードバンク」も、携わっていらっしゃる方々の熱意や志は素晴らしいと思います。

国や自治体による、大がかりな支援体制が築かれるべきです。

しかし、こうした活動は海外の途上国での話ではありません。

2021年、令和日本での話なのです。

「美しい国、ニッポン」

をスローガンに掲げる国では、あってはならない状況であるはずですが・・・。

 

最後に・・・。

2021年9月8日(水)、日経平均株価の終値が3 万円台に到達しました。

まさしく

「コロナバブル」

であり、多くの人々にとっては

「単なる他人事」

でしょう。

「コロナ」「バブル」

「貧困」「株高」

が隣り合わせに存在する

「不思議の国」

それが現在の日本の姿ではないでしょうか・・・。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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