「事故物件」と「空き物件」、どちらの方が恐ろしいのか?

怪談・都市伝説 etc(夫)

「事故物件」という言葉は、今や普通に通じるメジャーな言葉です。

一戸建てやマンション・アパートの中で、自殺あるいは他殺、もしくは孤独死という、「普通ではない」死に方で人が亡くなった不動産を指します。

唯一無二の事故物件表示サイト「大島てる」の運営者大島てるさん

「事故物件住みます芸人」として、数々の事故物件に居住してきた松原タニシさん

のお二人が、「事故物件」分野の開拓者であり、ブーム(?)の火付け役でもあります。

事故物件の所有者は大変!

日本全国の至る所に事故物件は存在しており、借りたり購入した(またはしようとした)不動産が事故物件だったという話は後を絶ちません。

どれだけリフォームを施し、特殊清掃まで行っても、そこで人が不幸な死を遂げたと分かっては、そこを新居にして楽しく暮らそうという気には、なかなかなれません。

当然、借りよう、あるいは購入しようという人は少なくなります。

大家やオーナーの方々にとっては、大変頭の痛い問題です。

空き物件も所有者にとっては大問題!

一方、「空き物件」は読んで字の如く「人が住んでいない物件」です。

賃貸物件なら借り手が、売却用物件なら買い手が見つからず、無人のままになっています。

都会の中心部に位置し、交通や生活の便が良い物件ならともかく、地方や郊外で交通の便も悪く、買い物や飲食にも苦労する物件は、次の住人が決まらぬまま、下手をすると何年も空き家・空室の状態が続きます。

その間、賃貸物件なら家賃は一円も入りません。

一方、固定資産税は毎年支払わねばなりません。

ローンで購入した不動産なら、毎月の返済も待ったなしです。

所有者にとって、どちらの物件がより怖い?

借り手あるいは買い手の側からすれば、「事故物件」の方が間違いなく恐ろしく、何としても避けたい物件です。

「空き物件」なら、色々なマイナス部分に目をつぶって妥協すれば、住んでもいいと思える物件が多数あります。

しかし、大家・オーナーの側からすれば、「事故物件」と「空き物件」のどちらの方がより怖いでしょうか?

事故物件を普通の物件にしてしまう「サルベージ屋」とは?

「事故物件」は、確かに借り手・買い手が敬遠します。

事故物件と分かった途端、客が内覧を中止したり、契約交渉から手を引いたり、といった話は
よく聞かれます。

しかし、そうした事故物件を専門に扱い、表面上は「普通の物件」にしてしまう

「サルベージ屋」

が存在します。

どこからか、その部屋(家)に住む人間を連れて来て、半年間住ませます。

法律で明確に規定されているわけではありませんが、事故後に誰かが半年以上そこに居住すると、以降はその物件が事故物件である旨を告知しなくてもよい、という慣例(不動産業界の自主ルール?)があります。

告知の必要がなくなると、住んでいた住人は退去し、不動産業者も何食わぬ顔で入居者募集ができるというわけです。

サルベージ屋に雇われて事故物件に住む人間は、一回きりでなく、また次の事故物件に引っ越し、半年住んでまた移転、を繰り返す人が多いそうです。

家賃はもちろんタダで、報酬までもらえるので、このサイクルを続ければ、ずっと家賃ゼロで生活できる理屈になります。

また、世の中には「事故物件なんて、気にしない!」と、格安の家賃目当てに、事実を知りながら堂々と引っ越してくる勇者(笑)もいます。

サルベージ屋に雇われて住む人間と同類です。

経済的困窮が事故物件の心理的恐怖を上回ってしまうと、自殺・他殺云々という事実は、取るに足らなくなってしまうのかもしれません。

空き物件に入居者を見つけるのは、かなり難しい・・・。

一方、「空き物件」の方は、いわゆる「心理的瑕疵」(自殺や孤独死などの事実)がなく、事故物件のように色々な細工を施す必要はありません。

近隣の噂や、インターネット上の情報に悩むこともありません。

しかし裏を返せば、空き物件になる理由が存在し、それが解決されないと空き物件状態は解消しません。

前述の通り、地方や郊外で不便な地域の物件は、そもそも人気が低いです。

この点に関しては、大家・オーナーの努力だけではどうしようもありません。

また、周囲に同程度の広さ・家賃の新しい物件が増えれば、たとえ人気のエリアであっても、入居者が見つかる確率は低くなってしまいます。これも自力では対策が取れません。

できることと言えば、外壁や内部をリフォームして差別化を図る、家賃や売却価格を相場より引き下げるなど、まとまったお金が出て行く方法しかありません。

しかも、それらの方策が必ず実を結ぶとは限りません。

今や日本国内の不動産の2割近くが空き家になっている時代です。

自分の所有不動産が借り手・買い手の付かない「空き物件」になる可能性は、自分の不動産が「事故物件」になる可能性よりも高くなるのではないでしょうか。

最後に・・・。

結論としては、不動産持ちの人間にとっては、「事故物件」も「空き物件」もさして変わらない怖い物件ということになります。

不動産を借りたい、または買いたい人間にとって、「空き物件」には生活が不便、近隣に活気がない、人口が少ないと治安が悪化するといった「隠れリスク」も潜んでいます。

心霊現象に苦しめられるのも当然怖いですが、日常生活に色々な不満、不安、危険を抱えるのも、それはそれで怖いと思ってしまいます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。