「生産性」を向上させれば、ビジネスは全てうまく行く?

ここ数年、テレビや新聞、書籍などでやたらに使われる言葉が

「生産性」

です。

おそらく江戸時代までは、日本語にこんな言葉は存在しなかったはずです。

明治時代以降に、英語の

「productivity」

を日本語訳して生まれた言葉でしょう。

私は、この「生産性」という言葉が大嫌いです。

 

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安易に『生産性』の問題に帰結させ過ぎる!

まず第一の理由として、テレビのコメンテーターや解説委員に、事あるごとに

「生産性が〜。」

などと連発する人間が多いからです。

日本企業の業績不振や、日本社会の長時間労働体質は、様々な要因が複雑に絡み合った結果のはずです。

本来なら、その辺りを丹念に分析・説明するのが、彼らの仕事です。

ところが、何でもかんでも「生産性」の問題に帰結させておしまい、といったことが多過ぎます。

「そんな薄い内容だったら、居酒屋で飲んでる普通のサラリーマンの方が、もっとマシな話できるよ!」

とツッコんでしまいます。

 

上に立つ人間たちが、生産性を下げている!

第二の理由は、企業の経営陣や管理職の考え方が、

生産性の向上とは正反対

という場合が、やたら多いからです。

いつまでも昭和時代の企業文化・価値観を引きずり、形にこだわって肝心の中身の改善を疎かにする、という企業トップや役員、管理職が

日本の生産性の向上を妨げてきた元凶

と言っても過言ではないでしょう。

稟議書が色々な部署をさ迷い、無駄に多い決済印と共に戻ってくる・・・。

会議が頻繁に開かれるが、内容はスカスカ・・・。

せっかくリモートワークの環境が整ったのに、

「やはり仕事は対面でやるものだ!」

と勤務体制を元に戻したり・・・。

大多数の勤め人の皆様には、そうした経験があるはずです。

 

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『生産性向上』=『利益増加』だけではない!

第三の理由としては、

「生産性」=「利益効率」

と、単純に思い込んでいる人間が多過ぎるからです。

確かに生産性が向上することにより、利益が増加するのも重要な点です。

しかし、生産性向上を目指すことは、利益増加のための方法だけでは決してありません。

製造業なら、より良い製品、より独創的な製品を作ることも「生産性」に関連します。

サービス業なら、より便利で迅速、より丁寧なサービスを顧客に提供すべく努力するのも、「生産性向上」の一環です。

ところが、マスコミに出て来る財界人や学者、エコノミストなどの中に、そうした根本の部分での「生産性」を重視して語る人間は、残念ながらあまり見当たりません。

 

欧米でも、利益偏重は万能ではない!

アメリカやヨーロッパの多くの企業でも、実は

「生産性」

「効率」

は、収益力アップのための指標として捉えられています。

ただ、そうした企業の全てが全て、常に高収益を叩き出しているかと言えば、そうではありません。

本来の意味の「生産性」が疎かにされた結果、競争力を失ってしまう会社もあります。

また、従業員への待遇の悪さや、社会常識に反する経営姿勢が消費者の反感を買い、成長が鈍化してしまう会社もあります。

10年遅れレベルで、その真似をしようとする日本企業も多いようです。

しかし、前述の第二・第三の理由から、収益性向上に繋がっていない例が目立ちます。

 

最後に・・・。

2020年(令和2年)からのコロナ禍の影に隠れ、あまり目立ちませんでしたが、この2年ほどの間に、日本の超大手企業による品質偽装や不正の隠蔽、悪質な法令違反など、不祥事が相次いでいます。

これらはやはり、

「生産性向上」=「利益の増加」

という安直な発想から起こったと思います。

日本企業、引いては日本社会に、真の意味の「生産性向上」が根付くのは、いつになるのでしょうか・・・。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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