債務者が海外にいても、借金の消滅時効は進行する!

このブログでは、

「債権回収」

すなわち

「借金の取り立て」

に関する記事を多数書いてきました。

私が債権回収の業務に従事していた頃の経験などを、あれこれ綴っています。

中でも、

「時効」

についての記事がいくつかあります。

 

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時効が完成すると、債権を回収できなくなる!

民法の規定では、借金の支払いが一定期間なされず、債権者の側で時効を更新させる(旧民法では時効を「中断させる」と言われていました)措置を取らないと、時効が完成して民事債権が消滅してしまいます。

これを

「消滅時効」

と呼びます。

金融機関や貸金業者にとって、時効の管理は極めて重要です。

場合によっては裁判を起こして、時効が進行しないようにすることが必要です。

ここで問題となるのが、債務者など相手方が

「所在不明」

の場合です。

住民票などで辿ったり、直近の住所を現地調査したりと、かなりの手間と時間を要します。

稀にではありますが、相手方が日本を出国して外国に滞在・居住していることがあります。

 

刑事ドラマでおなじみのパターンが、お金の問題では通じない!

皆様は、刑事ドラマで次のような話をご覧になったことはないでしょうか?

難事件の容疑者が捜査線上に浮上。

しかし時効があと数日に迫り、捜査陣には焦りの色が・・・。

そんな時、実は容疑者は数年前、出張で2ヶ月ほど外国に滞在していたことが判明。

その間、時効は停止していたので、実際の時効は約2ヶ月先。

刑事たちの懸命の捜査により、容疑者を逮捕。

事件は一件落着・・・。

こうしたパターンの話はよくあります。

それが記憶に残り、

「海外にいる間は、時効が進行しないんだ・・・。」

とお思いの方が結構多いはずです。

私も、債権回収の仕事に携わる前は、そんな風に思い込んでいました。

しかし、そうなるのは

「刑事事件」

のみなのです。

 

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刑事訴訟法の条文には・・・。

刑事訴訟法第255条第1項は

「犯人が国外にいる場合又は犯人が逃げ隠れているため有効に起訴状の謄本の送達若しくは略式命令の告知ができなかった場合には、時効は、その国外にいる期間又は逃げ隠れている期間その進行を停止する。」

と規定しています。

一方、民事債権にはこのような規定は存在しません。

日本国内にいようが国外にいようが、消滅時効は基本的には進行します。

それを防ぐには、法的措置が必要となります。

 

最後に・・・。

私が過去に担当した案件では、海外に逃げた債務者や連帯保証人などはいませんでした。

仕事の都合などで香港やタイに住んでいる人は何人かいました。

しかし返済はキチンと行われていたので、時効を心配する必要はなかったのです。

こういう話を聞くと、中には

「例えば消費者金融とかなら、海外に逃げた債務者を相手にわざわざ裁判なんてしないんじゃないか?色々な会社から借りて、東南アジア辺りにトンズラする連中もいるかも?」

とお考えの方もいらっしゃるでしょう。

しかし、そういう悪質な債務者の場合、経緯によっては最初から返済の意思がなかったと見なされ、

「詐欺罪」

すなわち

「刑事事件」

の対象となる可能性もあり得ます。

そうなると、海外にいる間は時効の進行が停止します。

また、最近は東南アジア諸国でも物価が上昇傾向で、生活費は結構高くつくそうです。

日本で借金まみれになっても、海外に逃げればいいという安直な考えは、通用しないようです・・・。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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