こんにちは。husband(@kumafumoblog)です。
昨年2020年(令和2年)から1年以上続いているコロナ禍にあって、生活困窮者の数はあまり報道されません。
しかし、確実に増加し続けているはずです。
たまにテレビのニュースで、NPOやボランティア団体が食料品など生活物資を配ったり、路上生活をしている人たちに炊き出しをふるまったりしている様子が報じられます。
昔のイメージとは違い、若い世代の人たちが困窮に陥るケースが多くなっているそうです。
社会人に限らず、学生もアルバイト先の倒産・閉店やシフトの大幅削減などで、日々のやりくりに苦労していると言われます。
そういう現実を知ってか知らずか、政府は未だに五輪開催にご執心のようです。
さすがは「自己責任」、「自助努力」を掲げる国です・・・。
『ホームレス』の人々は毎日を生きるのに必死!
社会がどうなろうが、人間は毎日生きて行かなければなりません。
お金がなくても腹は減り、喉は渇きます。
冬は寒さに震え、夏は暑さに苦しみます。
そうした「生存」レベルの問題に毎日晒されているのが、
「ホームレス」
と呼ばれる人々です。
路上や公園、最近は川べりの河川敷などで生活をしています。
私は幸い路上生活の経験はないので、基本的には報道や書籍の情報でしか、彼らの生活の詳細は知りません。
ただ、以前ですが、ホームレスの人たちが寝泊まりする地域を行き来した経験があります。
その際に、驚くべき生活の工夫を目の当たりにしたことが、今でも記憶に残っています。
大阪ミナミの電気街は、夜になると路上生活の人たちの宿になる!
数年前まで、当時一人暮らしをしていた私は、時折大阪市中央区の
「日本橋でんでんタウン」
に足を運んでいました。
大阪の「ミナミ」と呼ばれる繁華街の南側にあり、東京で言えば「秋葉原」のような、家電・電器関連の店舗や会社が集まった地域です。
ある家電量販店のCD・DVD部門が独立している店舗があり、そこのCD(特にジャズ)の品揃えが良かったので、買い出しに(笑)出かけていたのです。
ただ、夕方以降に出かけて1時間ほどウロウロしていると、閉店時間になってしまうことがありました。
どの店も(飲食店・コンビニは除く)午後7時~8時には閉店してしまい、その店も例外ではありませんでした。
店を出てそのまま最寄り駅に向かうこともあれば、電器街のアーケード(大きな道路の両側に店舗のビルが建ち並んでいる)を20分ほど歩いて、なんばの繁華街で夕食を食べることもありました。
アーケードを歩いていると、シャッターを下ろした店舗の前に、既にいくつもの段ボールが敷かれています。
そこに毛布などをかぶった人が寝ていることが多かったのです。
通行の邪魔には全くならないので、道行く人も普通にそばを歩いています。
『段ボールハウス』の完成度の高さにビックリ!
中には、段ボールをいくつも器用に組み合わせて、ちょっとしたカプセルホテルのような空間を作っている人がいて、その完成度の高さに驚きました。
ずっと歩いていると、同じように「段ボールハウス」を組み立てて、その中で寝ている人を何人も見かける時がありました。
以前このブログで、
「昔の段ボール箱の方が、今より丈夫だった。」
という内容の記事を書きました。
どこの家庭にも、1個か2個くらいは段ボール箱があるのではないでしょうか。押し入れや物置に使用頻度の低い(ほぼ不要な)物を詰めて保管しているケースが、一番多いはずです。また、最近ではネット通販が広く普及しています。Amazon[…]
段ボールの強度には興味があったので、寝ている邪魔にならないようにそっと近付いて、段ボールの厚さを確かめると、結構厚みがありました。
何処かから、厚めの段ボール箱を調達してきたのでしょう。
またある時は、かなり大きめの段ボールハウスを目撃したのですが、中には中年の男女二人が座っていました。
夫婦だったのでしょうか?
『千日前道具屋筋』では、段ボールから煙が?
日本橋でんでんタウンから少し北西に離れた辺りに、
「千日前道具屋筋」
という商店街アーケードがあります。
金物や調理器具など商売関連の店舗が並んでおり、プロの料理人や商店主も足を運ぶ、有名なエリアです。
ここも、午後7時過ぎにはほとんどの店が営業を終えるので、ホームレスの人たちがその後に段ボールを敷き始めます。
道具屋筋は、段ボールハウスの建設率がかなり高かった印象があります。
ここでも、感心してしまうような光景を見たことがあります。
ある段ボールハウスの付近から、煙のようなものが見えたので、
「もしかして火事?」
と目を向けると、段ボールの中で男性がカップラーメンを食べていました。
容器から湯気が立ちのぼっていたのでした。
近くのコンビニでお湯を入れて来たんだなと思っていると、男性の横に家庭用電気ポットが置かれていました。
「えっ?どこから電気を引いてるの?」
と驚きました。
よく見てみると、店舗の玄関脇にコンセントがあり、そこに電気ポットのコードをつないでいました。
本来やってはいけないことですが、
「へえ~、すごいなあ。色々と工夫するもんだな。」
と変に感心してしまいました。
段ボールの中から明かりが?
後日別の機会に、道具屋筋ではもっとすごい光景を見ました。
アーケードの中を歩いていると、前方の段ボールハウスの中がうっすら光っていました。
近付くにつれ、光っているのがはっきり分かりました。
そして、微かに
「ブーン」
という音がします。
段ボールの横に置かれていた物を見て、やっと分かりました。
そこには、家庭用の小型発電機があったのです・・・。
それが作動しており、低い「ブーン」という音がしていたのです。
そこから細いコードが段ボールの中に延びていました。
おそらく、小さい電気スタンドを入れていたのでしょう。
発電機や電気スタンドは、すぐ近くの電器街でんでんタウンで、中古・ジャンク品を調達したと推測されます。
既に「失われた10年」をとっくに過ぎていましたが、さすがは腐っても日本。
色々工夫して行動すれば、ホームレス生活でも出来ることは結構あるのだと、改めて感心しました。
最後に・・・。
最近は、夜にそうした繁華街をウロウロすることが全くなく、あの辺りがどういう状況なのか皆目分かりません。
でんでんタウンや道具屋筋近辺の飲食店も、軒並み時短営業や休業、もしくは閉鎖を強いられています。
ホームレスの人たちにも直接影響が及んでいるでしょう。
二重三重に気の毒な状況と言わざるを得ません。
しかし、段ボールハウスでたくましく生きていた人たちの
「生きる力」
の強さを思い出すと、何とか知恵を巡らせて生き延びて欲しいと願うばかりです・・・。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。