ケイブンシャ大百科シリーズが、色んな意味で濃過ぎた!

こんにちは。husband(@kumafumoblog)です。

「ケイブンシャ大百科シリーズ」と聞いて、

「ハイハイ、あった!子供の頃何冊も買ってもらって読んだ!」

という人の年齢層は大体分かります。

1960年代半ば~1980年代初めに生まれた子供たち、特に男の子の多くが、家に少なくとも一冊は持っていたのではないでしょうか。

 

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ケイブンシャは倒産したが、大百科は今も古本として流通中!

「ケイブンシャ」とは、出版していた会社の名前で、正式名称は「株式会社 勁文社」でした。

「でした。」と書いたのは、2002年(平成14年)に民事再生の申立を行い、倒産してしまったからです。

しかし、ケイブンシャの屋台骨を支えたとも言える「大百科シリーズ」は、今でも我々世代の元・子供、すなわち「大きなお友達」の記憶に強く刻み込まれており、中古本が古書店やネット通販、フリマアプリで多数流通しています。

 

『大百科シリーズ』はこんな本だった!

「大百科ってどんな本?」

と疑問をお持ちの方々のために説明すると、あるジャンルの情報を一冊丸ごと、文章や写真、イラストを織り交ぜて紹介・解説していく、子供向けの文庫本です。

一般的な文庫本よりやや大きいサイズで、紙質は硬めでした。

「大百科」と銘打つだけあり、ページ数は300~400ページほどあったように思います。

その代わり、繰り返し読んでいると背表紙の部分の「のり」が外れ、本の真ん中辺りのページでパカッと真っ二つに割れてしまいます。

そして、外れてしまうページが続出しました・・・。

当時の子供たちにとっては、「大百科あるある」の一つでしょう。

 

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子供の好きなジャンルを網羅し、800冊近くを刊行!

先ほど、ジャンルは様々だと書きましたが、本当に幅広いです。

怪獣・怪人、特撮ヒーロー、アニメ、自動車、野球、鉄道、アイドル、心霊・怪奇etc・・・。

子供が興味を持ちそうなジャンルはほとんど網羅されていました。

1980年代半ば以降は、ファミリーコンピューターの大ヒットに伴い、ゲームソフト関連の本(大百科とは別に特集本も出ました)が出たり、時代の流れも追いつつ出版は継続されました。

倒産直前まで、通巻で697冊が出版されました。

年鑑形式のものも加えると、何と合計777冊!!!

777と言えばパチンコならフィーバー(大当たり)の、縁起のいい数字です。

 

大人気だったシリーズも、時代の流れには逆らえず・・・。

しかし、前述の通り21世紀初頭の2002年、ケイブンシャは倒産してしまいました。

1980年代初頭に、ケイブンシャで「大百科シリーズ」の編集に携わっていらっしゃった黒沢哲哉さんによると、80年代半ば~後半にはマンネリ化が始まり、売れ行きも徐々に落ちてきていたそうです。

その頃には他の出版社から、特撮・アニメなどのマニア向け専門誌や書籍が多数発行されるようになっていました。

また、当時の子供たちの興味は怪獣やロボットなどから、「ファミコン」に完全に移ってしまっていました・・・。

 

バブル経済の崩壊も、ケイブンシャの寿命を縮めた?

さらに、「大百科シリーズ」とは直接関係はありませんが、1991年(平成3年)のバブル経済崩壊の後の金融引き締め(いわゆる「総量規制」)により、ケイブンシャの経営状態も悪化していった模様です。

インターネットでケイブンシャについて調べると、東北にホテルを二軒経営していた事実が分かります。

バブル崩壊によってリゾート関連事業は大きなダメージを受けましたが、ケイブンシャのホテル事業もその波をモロにかぶったのではないかと、個人的には考えます。

バブル当時の日本では、今まで本業で地味にコツコツやってきた企業が、不動産事業に手を出したり、株式投資などの財テクに走ったりした挙句、バブルが弾けた後に本業まで傾いて倒産・・・という事例が山ほどありました。

何とか20世紀末を乗り切ったものの、ついに力尽きたというところではないでしょうか。

 

内容は濃く手抜き無し、関係者には後にメジャーになった人も!

しかし、内容の濃さ(情報量が多く、マニアックな情報も満載)は子供向け書籍の範囲を完全に逸脱していました。

「子供向けの本だから、この程度で・・・。」

という手抜きが、微塵も感じられませんでした(少なくとも私が読んだ本では)。

編集・記事執筆に携わった方々の中には、ノンフィクション作家の佐野眞一さん、映画評論家の町山智浩さん、ハードボイルド作家の馳星周さん(「不夜城」の原作者)など、後にビッグネームになられた方もいらっしゃいます。

前述の黒沢哲哉さんも、2014年(平成26年)に

「よみがえるケイブンシャの大百科 伝説の70~80年代バイブル」(いそっぷ社刊)

を発表なさいました。

 

最後に・・・。

私が持っていた「大百科シリーズ」で一番好きだったのは、「ウルトラマン大百科」と「機動戦士ガンダム大百科」です。

また、小学生当時は持っていませんでしたが、大人になってから「まんだらけ」で「心霊」シリーズを3冊ほど買いました。

いずれも、大人になっても怖かったです・・・。

皆様も思い出の「大百科」があれば、古書店やネットで探してみてはいかがでしょうか。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。