「Juggernaut」・・・?
今までにこんな単語、見たことも聞いたこともない・・・という方が多いでしょう。
カタカナっぽく読めば
「ジャガーノート」?
もしかして
「虎のノート」?
残念ながら、「ジャガー」(Jaguar)とも「ノート」(notebook)とも無関係です。
三つの意味を持つ単語だった!
「Juggernaut」[dʒˈʌgɚn`ɔːt(米国英語), ˈdʒʌgɜ:ˌnɔ:t(英国英語)]には、三つの意味があります。
まず一つ目は
インド神話に出て来る
クリシュナ(Krishna)神像
のことです。
クリシュナとは、ヒンドゥー教三神のうちの
ヴィシュヌ(Viṣṇu)神
の第8化身(第10化身まであります)のことです。
半神半人的な英雄だそうです。
二つ目は
人間の盲目的服従や大きな犠牲を強いる
「絶対的な力(制度・風習)」や
戦争などの
「巨大な力、不可抗力」
を意味します。
可算名詞で、頭文字が小文字の「j」となることが多いです。
例としては、
「a bureaucratic juggernaut」(官僚的[=絶対的]な制度)
が挙げられます。
三つ目は
イギリス口語で、他の車にとって脅威となり得る
「大型トラック」
を意味します。
この場合、頭文字は小文字の「j」です。
三つとも異なる事柄を指していますが、いずれも
「巨大で誰も止められず、周囲の人や物をなぎ倒して突き進んで行く」
といったイメージが共通点と言えるでしょう。
1980年代の人気外国ドラマで、この言葉を初めて聞いた!
私がこの言葉を初めて耳にしたのは、1980年代に日本でも大ヒットしたアメリカのテレビドラマ
「ナイトライダー」(Knight Rider)
においてでした。
主人公マイケル・ナイトと、その相棒である人工知能「KITT」(キット)を搭載したスーパーカー
「ナイト2000」
が、悪人たちに戦いを挑むアクションドラマです。
このドラマのあるエピソードで、
巨大装甲車「ジャガーノート」
と対決したキットは、自慢の強化ボディーを無残に破壊されます。
マイケルは、修理及び改造を施されたキットと共に、再びジャガーノートとの対決に臨むという話でした。
当時は言葉の意味など全く知りませんでしたが、
「ジャガーノート=いかつい」
という印象が頭の中に植え付けられました。
最後に・・・。
この「Juggernaut」(または「juggernaut」)には、そのかなり後にも遭遇しました。
サッカーのイングランド・プレミアリーグでは、2004-2005年シーズンから2シーズン連続で
「チェルシー」(Chelsea)
がリーグ優勝を達成しました。
当時、アメリカCNNのスポーツニュースを観ていた時、
「Chelsea juggernaut」
という表現が使われていたのです。
「他のクラブが止められないほどの強さ」
を意味していたのでしょう。
こうした些細なことが記憶を強化してくれることは、誰にでもあります。
英語などの外国語の単語は、丸暗記よりも色々な事柄に関連付けた方が、頭に残りやすいようです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。