連帯保証人は、1円も使わずとも借金全額の返済責任あり!

「保証人」という言葉は、大多数の人が一度は耳にした、または目にしたことがあると思います。

また、多くの人が誰かに保証人になってもらい、反対に誰かの保証人になっています。

アパートやマンションを借りる際、親御さんや親戚の叔父さんなどに保証人になってもらいます。

でないと、賃貸借契約ができない場合がほとんどです。

また、甥や姪が就職する際、保証人になって欲しいと頼まれた人も多いでしょう。

そうした場合は、借りた部屋に大きな損傷を与えた、勤務先で不祥事を起こしたなどの行為がない限り、保証人に迷惑はかかりません。

もちろん、そうしたケースで保証人に迷惑をかける、または保証人が迷惑を被るという事例も存在します。

しかし、全体から見れば割合としてはかなり少ないのではないでしょうか。

 

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借金の保証人は、大きな迷惑を被る恐れあり!

しかし、他人の債務すなわち借金の保証人になってしまうと、大きな迷惑を被る可能性があります。

金銭の支払いを求められる事例が、世の中には非常に多く存在します。

金融機関などからお金を借りる場合、金額によっては、不動産などの担保や保証人を立てるよう求められることがあります。

最近は、国の指導などにより、銀行や信用金庫、政府系金融機関では、親族・友人などの第三者保証人を立てさせない方向です。

法人の場合に代表者(社長や会長)が保証人になることは、従来通り行われています。

しかし、保証人の制度そのものが廃止されたわけではなく、今までに締結された保証人の契約はそのまま有効です。

今後保証人がお金の返済を迫られる危険性は、現在のコロナ禍による不況(恐慌というべきレベルに悪化するかも)下では、増えこそすれ減ることはないと思います。

 

「保証人」と「連帯保証人」の違いとは?

法律関係者、金融関係者などにとっては、当たり前のことかもしれません。

しかし、この違いを知らない人は意外に多く、実際に連帯保証人になっている人でも、理解していない人が多いのです。

金銭貸借契約やアパートなどの賃貸借契約など、ほとんどの契約において、連帯保証人制度が採用されています。

この違いを理解しないまま連帯保証人になってしまうのは、非常に危険です。

詳細はここでは省略しますが、大雑把に言えば次の3点が、連帯保証人と普通の保証人との違いです。

 

(1) 連帯保証人には、催告の抗弁権がない。

実際にお金などを借りた債務者に、先に返済などを督促してくれと言うことができません。

例えば、

「先に債務者にお金を返すように、しつこく請求してくれ。債務者がどうしても返せないようなら、こっちも考える。」

とは言えないのです。

債権者は、債務者に対しても連帯保証人に対しても、順番は関係なく返済や損害賠償を請求できます。

通常は、債権者はとりあえず先に債務者に督促します。

しかし返済が困難そうだったり、返済の意思が薄い(あるいは返済する気がない)場合、すぐに連帯保証人に督促していきます。

「債務者本人にもっと厳しく督促しろ。すぐに保証人に督促して来るな!」

と言う人が多いのですが、連帯保証人はそういう主張はできないのです。

 

(2) 連帯保証人には、検索の抗弁権がない。

債務者は財産を持っているはずだから、債権者が調べて、その財産を差し押さえるなどして債権を回収してくれと主張することはできません

「債務者は田舎に別荘を持ってるらしい。それを売却すれば返済できるだろう?」

「債務者は外車を乗り回したり、家族で海外旅行に行ったりしてる。あいつの財産を調べてくれ。」

などと主張しても、債権者には通用しません。

連帯保証人に財産があることが分かっていれば、その財産を先に差し押さえられても、文句は言えません。

 

(3) 連帯保証人には、分別の利益がない。

分別の利益とは、保証人が複数人いた場合、保証人の頭数で債務金額を按分した金額だけを負担して返済すればいいということです。

しかし、連帯保証人には、分別の利益は適用されません

例えば、債務金額が3,000万円で、連帯保証人が3人いる場合、各人が3分の1の1,000万円だけ返済すればいいということではありません。

債権者からすれば、各人の返済割合は関係なく、3,000万円を回収できればいいのです。

連帯保証人各人の間では、頭数の金額(この場合は1,000万円)を超えた部分を返済した人は、他の連帯保証人にその部分の金額の返済を請求できますが、それは債権者に返済した後の話です。

連帯保証人は、全員が債務全額を債権者に返済する義務を負っています。

「3,000万円の三等分だから、1,000万円払えば、俺の責任は消えるんだろう?」

とはならないのです。

 

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安易に連帯保証人になるのは危険!

上記(1)~(3)を理解すれば、連帯保証人になるのは何と恐ろしいことであるか、お分かり頂けると思います。

自分は1円も使っていないのに、責任だけは債務者と全く同じです。

また、債務者が破産や個人再生のような法的整理を行い、債務の返済全部または一部を免除されても、連帯保証人の責任は消滅せず、債務全額の返済を債権者から請求されます

債務者が早々に破産してしまい、連帯保証人が債権者から厳しい請求を受ける事例は、たくさんあります。

「ナニワ金融道」や「ミナミの帝王」、「闇金ウシジマくん」といったマンガの中だけではなく、現実社会で起こっていることなのです。

債務者が行方不明になったり、自殺したりと悲惨な目に遭っている場合も多いのです。

しかし、中には破産した後に子供の家に同居して、何不自由ない生活を送っているケースもあります。

連帯保証人からすれば、

「自分に借金を押し付けて、自分だけのうのうと生活しやがって!」

と、債務者の家に怒鳴り込みに行きたいところでしょう。

そして、できる限り自分でも返済しろと言いたいはずです。

しかし、それは法律上許されていません。

破産者に返済を強要すると、破産管財人の弁護士から警告文を送られ、それでも止めないと警察沙汰に発展します。

 

こうした人たちが連帯保証人にされやすい!

連帯保証人になる人は、基本的に次の3タイプです。

① 妻、夫、子供、父母または親戚

② 友人、知人、先輩、後輩

③ 会社や店舗の役員、従業員

「絶対に迷惑はかけないから。」

「形式上保証人が必要なんだ。」

「連帯保証人を付けないと融資が受けられない。そうなると一家心中しないといけない。」

「連帯保証人になれないなら、会社を辞めてくれ。」

などなど、色々なことを言われ、断り切れず連帯保証人になってしまう人がほとんどです。

それでも、

「まあ本人が何とか返済するだろう。」

「自分に迷惑をかけるような人間じゃない。」

などと、どこか安心している人が結構多いのです。

 

連帯保証人は、時限爆弾を抱えている?

しかし、連帯保証人になるということは、いつ爆発するか分からない時限爆弾を抱えているのと同じことなのです。

爆弾は一生爆発しないかもしれません。あるいは、一ヶ月後に爆発するかもしれません。

2020年4月からの改正民法では、事業に関与していない第三者(親戚や友人など)が事業用の融資の連帯保証人になろうとする場合、公証人による保証意思の確認が必要となります。

大雑把に言うと、借金しようとする債務者の商売に関係ない人が、よく分からないまま安易に連帯保証人になってしまうことを防ぐということです。

しかし、繰り返しになりますが、連帯保証人の制度自体が廃止されるわけではありません。

 

最後に…

ある日、貴方の身近な人が

「悪いけど、連帯保証人になってくれないかな。絶対に迷惑はかけないから。」

と頼みに来るかもしれません。

その場合、絶対にならないことをお勧めします。

断固として拒否し、最悪の場合は親戚や友人の縁を切ってください。

勤務先の社長から強要されたら、退職して逃げ出すのが得策でしょう。

親戚や友人の窮状を黙って見ていられないのであれば、できる限りの金額(例えば必要額の10%)を、貸すのではなくあげるのはどうでしょうか。

そう言われて不満な態度になる人は、貴方にとって本当に大切な人ではありません。

新型コロナウイルスの影響で、今後至る所で借金の申込、連帯保証人の依頼などが出て来ると思います。

時限爆弾を抱え込むまないよう、くれぐれもお気を付けください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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