転職サイトのCMが多いのは、大解雇時代への地ならし?

元号が平成から令和に変わる辺り、2019年頃からテレビCMで

「転職サイト」

の広告が流れる機会が増えました。

「○✕リーチ!」

のCMを筆頭に、色々なサイトがCMを打ち始めました。

2020年(令和2年)からのコロナ禍においては、若干下火になったように記憶しています。

しかし、コロナ感染が鎮静化してきた2022年(令和4年)末辺りから、テレビでやたら転職サイトのCMが流れています。

もちろん各サイトで、ターゲット年代やサービス内容などは異なります。

ですが、我々視聴者にも、転職サイト業界で熾烈な競争が繰り広げられていることが分かります。

 

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本当に転職サイトへの需要は大きいのか?

嫁も私も、最近はテレビをほとんど観ません。

しかし、少ない視聴時間の中でも、転職サイトのCMがひっきりなしに流れてきます。

嫁が最近、

「この頃、テレビを点けたら転職サイトのCMばっかり。」

と言っていました。

同じ感想をお持ちの方は多いでしょう。

個人的に不思議に思うのは、

「世の中の働いてる人たちって、皆そんなに転職を考えているのか?」

ということです。

 

そう簡単に転職には踏み出せない!

確かに、

職場での人間関係

収入などの労働条件

に不満を抱いている人は、非常に多いでしょう。

「この会社辞めて、もっといい所で働きたいな・・・。」

と思うことは、誰にでも一度くらいはあるはず。

ですが、そう思うことと、実際に転職のアクションを起こすこととの間には、かなり大きな隔たりがあります。

正社員の立場で働いている人なら、そう簡単に決断できるものではありません。

多少の不満はあれど、ある程度慣れ親しんだ環境から飛び出すのには、大きな不安がつきまといます。

たとえ先輩や友人など、近しい人が経営する会社でも、ホイホイと転職はしにくいでしょう。

 

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日本では、転職して収入増は難しい!

日本ではアメリカなどと異なり、

「転職すると年収が下がる。」

のが一般的になってしまっています。

もちろん中には、転職を重ねて収入をグングン伸ばす人もいるでしょう。

ただ、成功例としてテレビや雑誌・書籍などで取り上げられる人たちは、かなりの高確率で大手企業に新卒入社しています。

そして、花形部署でキャリアを積み、大きな実績を引っ提げて別の大手企業へ転職、というパターンが多く見られます。

世の多くの勤め人は、そうした華やかなキャリアとは無縁です。

同じように華麗なる転身を果たせる可能性は、非常に低いのです。

 

成功し続けるのは、もっと大変!

実際に、そのような転職サイトを通じて転職した人も、その後に幸せな職業人生が送れているかが重要です。

転職の時点では、前職よりも高い収入や待遇が得られるでしょう。

しかし、積極的に中途採用を行う企業(外資系、コンサル、ITなど)では、何よりも結果・成績(特に短期的な)が重視されます。

なかなか思うような成果を挙げられないと、

減給や降格、最悪の場合は解雇

というケースも少なくありません。

そういった企業は得てして

「仕事は結果が全て。」

「稼げない従業員はいらない。」

といった、ドライな企業風土を持っています。

転職を決めた時点で、多くの人はその覚悟を持っているでしょう。

しかし、いざそうした環境で働くと、身体的かつ精神的な負担は、前職よりはるかに増すでしょう。

 

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『やりがい』よりも、数字やクビを気にする日々・・・。

CMでは

「やりがい」

が前面に出て来ます。

しかし、高収入・好待遇を謳う企業では、

売上、利益、顧客シェアなどの数値目標

達成が唯一のゴールとなり、「やりがい」からは遠く離れた毎日を過ごすことになるかもしれません。

高額な給料と引き換えに、いつクビになるかもという不安を抱えたままで働くことに・・・。

老舗大手企業の多くでも、最近はそういう方向にシフトしています。

しかし日本人の感覚は、その流れに適応する用意がまだまだ出来ていないと思います。

そこを深く考慮せず、「ハイクラス転職」を目指してしまうと、後悔することになるかもしれません。

 

転職サイト隆盛の裏に『仕掛け』あり?

にもかかわらず、転職サイトのCMは、我々の意識の中に遠慮なく入り込んできます。

「大金を注ぎ込んでCM枠を買っているんだから、やむを得ない。」

という意見は、至極当然です。

CMを通じて世間の認知度を高めようとするのも、ごく普通の企業戦略です。

ですが個人的には、何となくその裏側に

「仕掛け」

の存在を疑ってしまいます。

日本では10年ほど前から、政府がお題目のように

「働き方改革」

を唱えてきました。

「働き方」と言っても実際は、企業が従業員を都合良く働かせたり解雇できる

「働かせ方改悪」

です。

経済界は大賛成のはずですが、日本の社会構造をそう簡単に

「終身雇用」

から180°方向転換できない、といった事情がありました。

そのため、大きな変更はなされないままでした。

 

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『転職』、『解雇』への拒否反応を下げるサブリミナル戦略?

そうした状況のまま、令和も既に5年目に入っています。

そろそろ、日本の勤労者の精神構造を大きく転換させ、社会構造の転換に適応させようと、政府+経済界が企んでいるのではないでしょうか?

手始めとして、転職サイトの親玉である人材派遣会社が、CMをバンバン流すことで

「転職って、結構やりやすそうだな。」

「同じ会社に一生勤めるって、もう古いのかな?」

といった意識を植え付けようとしているのではないでしょうか?

そう思えて仕方ありません。

「まるで陰謀論的な発想だよ!」

と笑われる可能性が高いでしょう。

しかし、広告の大量かつ集中的投下による

「サブリミナル効果」

はバカにできません。

日本国民が徐々に、「転職」や「解雇」という概念に拒否反応を持たなくなっていけば、宙ぶらりんの「働かせ方改悪」が一気に動き始めるかもしれません。

 

最後に・・・。

私自身は、

「できるビジネスパーソン」

とは程遠いダメ社員として生きてきました。

ですから、あまり偉そうなことは言えません。

しかし、世の中で

「自分は仕事ができる方だ。」

と思っている人間の圧倒的多数は、実はさほど能力はありません。

平たく言えば、自分を過大評価している人間が多いのです。

どの企業や組織でも、本当に能力のある人間はほんの一握りです。

高収入・好待遇を求める前にまず自分の

等身大の姿

すなわち実力を、正確に把握すべきでしょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。