インディカーは、ビジネス感覚がF1より遥かに優れている!

自動車レースと言われて、皆様は何を想像なさるでしょうか?

やはり

「F1(フォーミュラ・ワン)グランプリ」

を想像なさる方が多いでしょう。

1987年(昭和63年)シーズンに、中嶋悟さんが日本人初のフルタイム・ドライバー(シーズン全戦に参戦)として参戦して以降、2011年(平成23年)までフジテレビ系で全レースが地上波放送されていました。

日曜日の深夜に最後まで観て、月曜日の朝は眠くて頭がボーッとしていた経験の持ち主は、少なくないはずです(私も一時期その一人でした)。

 

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日本人ドライバーの活躍で、米国インディカー・シリーズも有名に!

ただ最近は、米国やカナダといった北米中心にレースが開催される

「インディカー・シリーズ」

も、日本での知名度が向上しています。

インディカー・シリーズの中の一戦である

「インディ500マイルレース」

は100年以上の歴史を誇ります。

F1モナコグランプリ、ル・マン24時間耐久レースと並んで

「世界三大レース」

の一つに数えられる、超有名レースです。

このインディ500で、日本人ドライバー(F1参戦経験もあり)の

佐藤琢磨

さんが2017年(平成29年)と2020年(令和2年)の二度優勝を果たし、日本でも大きく報道されました。

 

F1とインディ、規模やレース制度などが大きく異なる!

F1とインディカー、これら二つのレースには、いくつか大きな違いがあります。

まず、F1はヨーロッパのサーキットが中心で、他にもアメリカや南米など、世界を転戦します。

一方インディカーは、一時期はオーストラリアやブラジル、日本などでもレースが開催されていましたが、現在は前述の通り北米のサーキットを転戦します。

また、F1は各チームが独自のシャシー(車体)を開発し、世界的な自動車メーカー数社が、各チームにエンジンを供給します。

ドライバーのみならず、チームや自動車メーカーの競争でもあるのです。

インディカーでは、シャシーは各チームともイタリアのダラーラ社製のみ。

そして、エンジンもアメリカのシボレーと日本のホンダの二社のみが供給します。

 

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F1とインディでは、ビジネス感覚に大きな相違点あり!

よって、注ぎ込まれる金額の点では、F1の方がはるかに予算規模が大きいです。

また、全世界的規模という点、自動車メーカーの最新技術が投入されるという点でも、F1に軍配が上がります。

しかし、インディカー・シリーズにも、F1には及ばないまでもかなり多額のスポンサーマネーが流入しています。

複数の日本企業もスポンサーになっており、天下のNTTがインディカー・シリーズの冠スポンサーになっています。

これには、インディカー・シリーズの運営元及び参加チームの、ビジネスに対する感覚が大きく影響していると思います。

 

F1は金がかかるが、実態はどんぶり勘定?

F1チームの運営には、とにかくお金がかかります。

車(シャシー)の研究開発費、ドライバーへの年俸やメカニックなどスタッフへの給料、各国への遠征費用など、予算がいくらあっても足りないのでは?というくらいです。

毎レース優勝争いをするトップチームはもちろん、中堅・弱小のチームでもそれなりの資金が必要になります。

30年近く前の学生時代、ある自動車レース雑誌で読んだ記事の内容が、今でも記憶に残っています。

F1チームの年間予算について、概算額は推定できるのですが、年間の支出額やその内訳については、全く公表されず不明であるということが書かれていました。

一般の企業なら、

「貸借対照表(B/S)」

「損益計算書(P/L)」

などの財務諸表が作成・公開されます。

しかし、その当時(1990年代前半)にはそうしたチームは一つとしてなかったそうです。

F1のレースが行われる3~4日間(予選・決勝)は、サーキットのピット裏などに各チームの巨大なテントが張られ、有名芸能人やスポンサー企業の重役などのゲストたちを、料理やワインなどでもてなしています。

そうした費用も決してバカにはならないはずですが、下位の弱小チームもトップチームに劣らない豪華な

「おもてなし」

をしています。

そうした光景をテレビ映像などで観ると、

「本当に車の競争力を上げるために、キチンと資金を使っているのか?」

という疑問が湧いてきます。

いわゆる

「どんぶり勘定」

ではないか?と思ってしまいます。

 

インディの各チームは、財政状態がガラス張り!

一方、インディカーについては全く状況が異なります。

1990年代前半には既に全チームが、年間の収支内訳、貸借対照表や損益計算書などの財務諸表といった決算書類を、各チームのスポンサー企業全社に送付していたそうです。

さすがは

「コーポレート・アメリカ(アメリカ株式会社)」

と呼ばれるお国柄です。

各チームのスポンサー企業は、自分たちの出したお金がどのように使われ、どの程度の利益・損失を出したか、1セント単位で把握できるのです。

これなら安心してお金を出せます。

各チームにとっても、スポンサー獲得のための営業活動の際に、大きな役に立ちます。

 

スポンサー料も、インディはF1よりかなり割安!

また、インディカーのスポンサー料(一社当たり)は、F1よりもかなり安く済みます。

F1の場合、後部のリアウイングや側部のサイドポンツーンといった目立つ場所にスポンサーロゴを書かせるには、

「億単位(リアウイングだと3~5億円とも言われます)」

のお金が要ります。

小さいロゴで、テレビ画面ではほとんど分からないようなものでも、

「一千万円単位」

らしいです。

一方、インディカーだと3~5億円のスポンサー料を出せば、

「車体丸ごと自社の広告スペース」

にできるそうです。

レーシングカーの車体を、自社のイメージカラー(例えば青や赤)に塗ってしまえるほどです。

F1に比べて費用も安く、費用対効果もはるかに大きいのです。

さらに、インディカー・シリーズが転戦する北米は、自動車メーカーはもちろん他の業種の企業にとっても、大きな売上や利益が見込める

「大きな市場」

です。

①お金の流れがガラス張り

②スポンサー料が手頃

③北米市場へ効果的に宣伝できる

という大きなメリットがあるので、インディカーはスポンサーを集め、安定した経営ができるのです。

 

最後に・・・。

日本のスポーツ界は、昨年から続くコロナ禍の影響で、厳しい資金不足に苦しんでいます。

アメリカ・スポーツ界の良い所、特にビジネス・財務面の長所はどんどん参考にして欲しいところです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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