ネタバレなし:映画「狩人の夜」は今でも怖い古典スリラー!

今回ご紹介する映画

「狩人の夜」(原題:The Night of the Hunter)

は、1955年(昭和30年)に製作・公開されたアメリカ映画です。

1953年(昭和28年)発表の同名小説が原作となっています。

監督を務めたのは

チャールズ・ロートン(Charles Laughton:1899年~1962年)。

舞台俳優・映画俳優として活躍し、1933年(昭和8年)公開の映画

「ヘンリー八世の私生活」

では、第6回アカデミー賞で主演男優賞に輝きました。

ところが、本作は興行成績としては失敗作で、批評家たちの評価も芳しくありませんでした。

そのため、ロートンにとって本作が最初で最後の監督作品となってしまいました・・・。

 

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後に再評価され、価値を認められたカルト映画!

しかし、時代が経つにつれて再評価されるようになり、ある意味カルト的な作品となりました。

1992年(平成4年)には、

アメリカ国立フィルム記録簿(アメリカの「国立フィルム保存委員会」が、半永久的に保存する価値があると認め、フィルムの保存を推奨している映画・動画のリスト)

に登録されました。

今から60年以上前のモノクロ映画、しかも公開当時はヒットしなかった映画が、なぜ現在に至るまで高い評価を受けているのでしょうか?

それは、この作品の

「サイコ・スリラー」

としての怖さや、映像の美しさに依るところが大きいと言えます。

 

大恐慌時代のアメリカ、死刑囚が奪った1万ドルの行方は・・・?

作品の舞台は、アメリカのウエストバージニア州。

時代は1930年代、アメリカを含む世界中が

「大恐慌」(Great Depression)

の真っ只中にあった頃です。

ベン・ハーパーという男が家族の待つ家に戻って来ましたが、現金1万ドルという大金を手にしていました。

家族の生活を守るため、強盗殺人を犯して手に入れた金でした。

父を迎えた幼い息子ジョンと妹のパールに、ベンは1万ドルを渡します。

その直後、ベンは警察に逮捕・連行されます。

ベンは裁判で死刑を宣告されました。

ベンが収容された刑務所に、車泥棒で捕まった一人の受刑者がやって来て、ベンと同じ房に入れられました。

男の名はハリー・パウエル。

演じるのは名優ロバート・ミッチャムです。

ニセ伝道師として全米各地を流れ歩き、未亡人を殺害して金品を奪う連続殺人犯だったのです。

しかし、殺人の件はまだバレていません。

ベンの死刑が執行された後、1ヶ月の刑期を終えたハリーは出所しました。

生前のベンの寝言から、

「ベンは子供たちに奪った金の隠し場所を伝えたのでは?」

とハリーは考えました。

そして、ベンの妻子が暮らす町へと向かいました・・・。

 

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残された幼い兄妹に、ハリーの魔の手が迫る!

ハリーは、殺人鬼の素顔とは掛け離れた陽気な笑顔を振りまき、キリスト教の説話を交えた巧みな話術で、町の人々に溶け込んでいきます。

そして、ベンの妻だったウィラ(演じるのは、後にアカデミー賞を2回、ゴールデングローブ賞を1回受賞する名女優シェリー・ウインタース)とも恋仲になり、再婚したのです。

しかし、ウィラの息子ジョンはハリーにどことなく無気味さと恐怖を感じ、警戒心を抱きます。

ハリーの方も、ジョンが自分になつかない理由を直感的に察知します。

新婚旅行から戻り、一家の新しい父親になったハリーは、ウィラの目を盗んでジョンとパールの兄妹を脅し、1万ドルの隠し場所を聞き出そうとするのですが・・・。

 

ハリー役ロバート・ミッチャムの怪演がすごい!

これ以降は、ネタバレ防止のため書かないでおきます。

上映時間は93分と短めですが、全く無駄のない展開で、途切れることなく怖さが襲って来ます。

主人公のハリー・パウエルは、現在で言うところの

「シリアル・キラー(連続殺人鬼)」

「サイコパス(異常人格者)」

です。

ハンサムで陽気、信心深い

「表の顔」、

残虐かつ狡猾な素顔とも言うべき

「裏の顔」

の二面性を持つハリーを演じた、ロバート・ミッチャム(公開当時36歳)の演技がすごいです。

変なわざとらしさは皆無で、自然な感じで演じているのですが、観ている我々にも

「この男、マジでヤバい奴だよ・・・。」

と恐怖感を与えるほどです。

晩年に演技派に転向したと言われていますが、この作品でもう既に充分過ぎるほどの演技派だと思ってしまいます。

ちなみにミッチャムは、1974年(昭和49年)公開のアメリカ映画

「ザ・ヤクザ」(監督は名匠シドニー・ポラック)

で故・高倉健さんと共演しています。

 

もう一人、伝説の名女優も出演!

そしてもう一人、後半に重要な役どころで登場するのが、伝説の名女優

リリアン・ギッシュ(Lillian Gish:1893年~1993年)

です。

「映画の父」と呼ばれた映画監督、D.W.グリフィスの作品に多数出演、1987年(昭和62年)のアメリカ映画

「八月の鯨」(原題:The Whales of August)

では93歳(!)で主役を演じました。

この人の演技にも要注目です。

 

最後に・・・。

本作は、DVDがAmazonなどのネット通販で購入できます。


また、レンタルも可能で、私はTSUTAYAディスカスでDVDを借りて観ました。

 

 

それほど長い作品ではないので、集中を切らさずに最後まで観られます。

サイコ・サスペンスのジャンルがお好きな方は、是非一度ご覧ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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