2021年(令和3年)3月末まで、NHK総合テレビで
「金曜日のソロたちへ」
という番組を放送していたのを、皆様はご存知でしょうか?
2019年(令和元年)10月から放送が始まり、約1年半続きました。
タイトルの通り、毎週金曜日の午後11時50分(途中からは午後11時45分)スタートの番組でした。
MCは、漫才コンビ「NON STYLE」の
井上裕介さん
とエッセイストの
能町みね子さん
でした。
そして、毎回芸能人一人がゲストで登場。
今までのテレビ番組になかった、異色の放送スタイル!
と言っても、単なるトーク番組ではありません。
また、主役も井上さんや能町さん、ゲストではありません。
テレビ画面が四分割されており、そこに出て来るのは
「ソロ」
つまり「一人暮らし」の人です。
毎回三人、素人の人もいれば有名・無名の芸能人もいます。
そして、NHK-Eテレ(以前はNHK教育テレビでした)の番組に出ていたキャラクター
「ストレッチマン」(アニメではなく、実写です・・・)
も、毎回右下の四分の一に登場します。
他の三人は、自宅に定点カメラを数台設置し、ある日の帰宅後の生活を撮影します。
それが番組内で、同時に四分の一画面で流れます(もちろん編集され、ほとんどの部分はカットされているでしょうが・・・)。
MC二人とゲストは、画面上部のワイプに顔が映っているだけ。
三人の生活+ストレッチマンの行動(一応、一人暮らしっぽい部屋のセットにいます)をVTRで観ながらトークをするという、異色のスタイルです。
有名無名問わず、様々な職業の「ソロ」たちが登場した!
毎回登場する「ソロ」たちが、とにかく個性的な人ばかりなのです。
普通の勤め人や職人、若手農家、医師や弁護士、会社経営者など、一般人でも様々な職業の人が出て来ました。
また世相を反映し、Youtuberやインフルエンサーといった人たちが出て来たのも面白かったです。
その中には、本格ブレイク前の山之内すずさんもいました。
芸能人では、超ベテランの松村邦洋さんがゲストでなく、「ソロ」の一人として登場なさった回があり、驚きました。
皆様の大多数は松村邦洋さんをご存知でしょう。1967年(昭和42年)山口県生まれで、現在54歳。芸歴30年を超える、大ベテランのタレントさんです。松村さんの名前を聞いて、皆様が真っ先に連想なさるのは[…]
各人の「ソロ」生活が十人十色で面白い!
プロアマ問わず、一人一人の
「一人の時間」
の過ごし方が、非常に興味深かったです。
食事一つ取っても、毎日キチンと自炊する人、毎回コンビニ飯や出前・外食の人など、バラバラです。
部屋の中も、整理整頓されている人、物だらけでゴチャゴチャの人と様々です。
ミニマリストの人の部屋には、冷蔵庫すらありませんでした。
一方、ライター兼UMA(未確認生物)研究家の人の部屋は、仕事の資料や本などが山積みで、足の踏み場もないほどでした。
そして、独特の
「趣味人」
も出て来ました。
建築士を目指す男性は、プロレベルのレゴビルダー(レゴブロックで様々な模型を造る人)でした。
また、我々素人には全く意味の分からない数学の問題を、ずっと考え続ける
「数学マニア」
や、アルバイトをしながらクイズに没頭する
「クイズマニア」
の人もインパクトが強かったです。
視聴者が共感できる点が多数!MCたちのトークも楽しめた!
ただ、一人一人の生活状況は異なっていても、共通した
「一人暮らしあるある」
のようなポイントも結構あります。
我々視聴者にも、一人暮らしをしていた人、あるいは現在進行形で一人暮らし中の人は多いはずです。
どの人の「ソロライフ」を観ていても、どこかに共感できる点や自分と重ね合わせられる点が見つかります。
赤の他人の一人暮らしを、ある意味
「覗き見」
しているだけなのですが、何となく自分もそこにいるかのような感覚が味わえました。
MCの中でも、井上さんは現在も一人暮らし、能町さんも一人暮らし経験者で、コメントやツッコミが絶妙でした。
ゲストの人もリラックスした感じで、井上さんたちのトークだけでも、ラジオ番組的な感じで楽しめました。
コロナ禍の前年に始まったが、『ニューノーマル』的な番組に!
最初に書いたように、この番組は2019年10月からレギュラー番組として始まりました(同年5月に単発番組として、1回だけ放送されたそうです)。
ところが、半年ほど経った2020年(令和2年)春からは、日本中が新型コロナウイルスによって混乱状態となりました。
しかし「金曜日のソロたちへ」は、一時期こそMC二人とゲストがリモート出演したり、過去の放送でキャラの濃かった「ソロ」の人にオンラインでインタビューしたりという形でしたが、割と早い時期に
「通常モード」
に戻りました。
そもそも、大人数の芸能人がスタジオに集まったり、ロケに出て不特定多数の人と絡むという
「ノーマル」
なスタイルではありませんでした。
番組の企画時には、当然コロナ禍のことなど知る由もなかったでしょう。
しかし結果的に、この番組のスタイルはコロナ時代の
「ニューノーマル」
のような形になりました。
一定数の「ソロ」を確保できたら、放送再開を!
番組が終了した大きな理由として、個人的に推測するのはやはり
「ソロたちを見つけるのが大変」
ということでしょう。
プロの芸能人もいましたが、ほとんどは一般人です。
自分の生活をテレビに晒すことを承知してくれて、なおかつ何か面白い趣味や特技、バックグラウンドのある人を複数見つけるのは、大変難しいはずです。
一回限りの単発番組ならともかく、毎週放送の番組となればなおさらでしょう。
しかし、同じNHKの看板番組の一つ
「ドキュメント72時間」
は、ネタ切れの時期はしばらく休止するなどして、長期間続いています。
「金曜日のソロたちへ」も、ネタのストックが貯まってくれば再開するという形で、再びレギュラー放送して欲しいと切に願います。
最後に・・・。
ところで、「金曜日のソロたちへ」という番組タイトルは、1980年代にTBSテレビ系で
「金曜夜10時枠」
で放送されていた大ヒットドラマ
「金曜日の妻たちへ」
をもじったものに違いないと思うのですが、どうでしょうか?
令和の若い世代からは
「そんなドラマ知らない・・・。」
と言われる可能性大でしょう・・・。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
興味がございましたら、こちらもお読みください。
2021年(令和3年)12月31日、大晦日に、毎年恒例の「NHK紅白歌合戦」が放送されました。第72回を数える長寿番組です。ところが、年明けに発表された平均世帯視聴率は、1部=31.5%、2部=34.[…]