ネット時代になぜ「大阪万博2025」を開催するのか?

以前このブログで

「大阪府知事の万博宣伝「EXPO2025」ジャンパーに喝!」

という記事を書きました。

 

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2025年のブロック

 

記者会見でコロナ対策について色々語る、知事のジャンパーの左胸に

「EXPO2025」

のロゴがプリントされていました。

これがはっきり言って、悪目立ちしていました。

「コロナ拡大防止のために、大阪府民にあれこれお願いしてるんだろ?4年も先の万博を、この状況下でアピールして、どういうつもりなんだ?」

と、記者会見の映像が流れるたびに不愉快な気分になっていました。

 

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夏になっても、ロゴは消えず!

季節が夏になり、府知事はジャンパーを着なくなりました。

しかし、今度はポロシャツの左胸に万博ロゴを付け始めました。

しかも、万博のシンボルマークをロゴの上に付けるという、力の入れようです。

「今、万博のことに気を向けている場合じゃないだろ!」

と、ツッコミを入れてしまいます。

 

コロナ対策が最重要!万博など二の次では?

数日前のテレビニュースでは、大阪府と大阪市の関係者が集まって(府知事も大阪市長も出席)、万博に出展する「大阪館パビリオン」の構想を話し合っていました。

もちろん、大阪府や大阪市の仕事はコロナ対策だけではありません。

並行して様々な事柄を考えるのは当然です。

しかし、コロナ第5波の影響を大阪もモロに受けています。

そんな状況下で、EXPO2025の優先順位など、二の次にして然るべきです。

 

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4年後、万博が開催できる保証などない!

また、4年後と言えども、コロナ禍が収束または完全に終息しているとは限りません。

コロナ禍が本格化し始めた2020年(令和2年)の春頃は、様々な人間が

「夏になったら、ウイルスの活動も弱まる。」

「年明けには、世の中もほぼ元通りになっている。」

などと主張していました。

1年半経過した2021年(令和3年)8月現在、世の中は何一つ変わっていません。

強いて言えば、コロナ新規感染者数が大きく増加し、人々の危機意識が収束してしまったことが変化でしょうか・・・。

2025年に、万博のような大規模イベントが安心して開催できる保証など、全くありません。

そして、仮にコロナ禍が収束しても、それまでの財政負担や経済的損失のツケが、全面的に表に出て来ます。

万博にお金を費やす余裕など、もはやどこにもありません。

そうした視点は、府知事や大阪市長の頭から抜け落ちています。

あるいは、認識していても敢えて

「見て見ないふり」

をしているのでは・・・?

 

21世紀の情報化社会で、万博をやる意義とは?

そもそも、私が抱く最大の疑問は

「インターネットで世界中に情報を発信できる21世紀に、なぜ巨額の費用をかけて万博をやるのか?」

という点です。

前回の大阪万博が開催された1970年(昭和45年)は、情報の発信・受信という面で、今とは比較にならないほど不便だった時代です。

インターネットはおろか、ファクシミリも普及していませんでした。

携帯電話も、まだ影も形もありませんでした。

1ドル = 360円の頃で、海外旅行にも決して気軽には行けませんでした。

外国の最先端技術・文化に触れる、貴重な機会だったことは理解できます。

外国にとっても、万博への出展はビジネス・観光面でのアピールの場になりました。

多くの国がパビリオンを出展したのにも頷けます。

しかし、2021年現在、世界中がオンラインでつながっています。

イタリアのサッカーの試合結果、アメリカのNYダウの数字、そして日本の政治家の不適切な言動・・・。

あらゆる情報がリアルタイムで手に入ります。

 

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多額の費用をかけて万博に出展するメリットなし!

どこかの国や企業が新しい技術を発表したければ、ホテルやイベント会場を借りて、ネットで生配信すればそれでO.K.です。

巨額の費用を投じ、埋立地にデカイ会場を新たに造る必要などありません。

現時点では、パビリオンを出展する国や企業を集めるのに苦労しているそうです。

それも当然でしょう。

世界中がコロナ禍への対応に苦慮しています。

企業も同様です。

大抵の企業はきちんとソロバンを弾き、万博に出展する費用対効果を判断します。

日本企業なら、義理で仕方なく参加ということになるかもしれませんが・・・。

 

最後に・・・。

残念なことに、東京2020に疑問を呈していた著名人たち(特に関西の人たち)も、EXPO2025にはまだ特段の意見は述べていません。

まだ4年もあって実感がないからでしょうか?

それとも、全く関心がないからでしょうか・・・?

どれだけ府知事がコロナ禍の現状を訴えようが、あのロゴ入りポロシャツを着ている時点で、正直何も伝わって来ません。

そんなシャツを着てテレビカメラの前に現れること自体、コロナ対策への真剣さが足りないと思うからです・・・。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

興味がございましたら、こちらもお読みください。

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