「concession speech」ってどういう意味?試験に出ない英語手帳(第74回)

「concession speech」・・・?

一体何のスピーチ?

すぐお分かりになられた方は、一定レベル以上の英語力をお持ちか、テレビや新聞などのニュースを集中してご覧になられている方でしょう。

その両方かもしれません。

2020年の11月、この

「concession speech」

が行われなかったことが、世界中で話題となりました。

 

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『concession』は勝負につきもの!

大修館書店 ジーニアス英和辞典によると、

「concession」kənséʃən(米国英語)kʌˈnseʃʌn(英国英語)

の持つ意味は複数ありますが、その中に

「(〜への)譲歩、容認」

という意味があります。

動詞形は

「concede」kənsíːd(米国英語)kʌˈnsi:d(英国英語)

となります。

この動詞の意味の中には

「(〜だと)容認する」

「(試合などで)敗北を認める、降参する」

があります。

例として

「concede defeat」(しぶしぶ敗北を認める)

が載っています。

オックスフォード現代英英辞典では

「to admit that you have lost a game, an election, etc.」

と説明されています。

 

アメリカ大統領選では、伝統となっていた!

もう皆様お分かりでしょう。

「concession speech」

は、日本語にすると

「敗北宣言」

となります。

オックスフォード現代英英辞典では、(especially AmE)と表記されており、アメリカ英語でよく使われる言葉です。

アメリカに限らずどこの国でも、選挙で負ければ敗北を認めざるを得ません。

ただ、アメリカの

「大統領選挙」

では、この敗北宣言は長きに渡る伝統となっていました。

開票作業が進む中で、どちらかの候補者が代議員の過半数を獲得すると、敗れた候補者は敗北宣言を行い、次期大統領となる相手に祝福の電話をかけます。

「concession speech」の後は、敗れた候補者も

「good loser」(良き敗者 = 潔い敗者)

として讃えられる・・・はずでした。

 

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負けを認めない人間は『bad loser』と呼ばれる!

ところが、昨年2020年の大統領選挙では、伝統が破られました。

再選を目指していたドナルド・トランプ(前大統領)が、ジョー・バイデン(現大統領)に敗れたにもかかわらず、敗北宣言を行いませんでした。

「選挙で大がかりな不正があった!」

と大々的に主張し、法的措置まで申し立てました。

しかし、もちろん選挙結果は変わりませんでした。

トランプ前大統領はバイデン新大統領の就任式にも出席せず、歴史に残る(悪い意味で)

「bad loser」(悪しき敗者 = 往生際の悪い敗者)

としてホワイトハウスを去りました・・・。

 

最後に・・・。

アメリカのアカデミー賞女優

ハル・ベリー

は、次のような言葉を母親から聞いたそうです。

「負けを受け入れられない人間は、勝者にもなれない。」

非常に含蓄のある言葉です。

私を含むほとんどの人間は、人生の中でも勝利より敗北の方を多く経験するはずです。

潔く敗北を認め、堂々と新たな挑戦に乗り出す

「good loser」

でありたいものです・・・。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。