「friendly fire」?笑いを取ろうと思えば、「友好的な火事」と訳したいところですが、違います。
研究社 新英和中辞典によると、
(1) 同士[友軍]発砲
他にも、「同士討ち」、「誤爆」、「味方[友軍]からの誤爆(誤射)」などと訳せます。
FFと省略形で表記されることもあります。
(2) 使用火(例えば、暖炉や湯沸かし器の火のこと)
この場合、火災保険の適用除外となります。
ここでは、(1)について説明していきます。
(例文) He was killed by friendly fire in the battlefield yesterday.
(彼は昨日、戦場での友軍砲火により死んだ。)
friendly fire は、故意ではなく偶発的なものです。
一方、戦場での戦闘に乗じて、気に入らない上司やソリの合わない同僚を、わざとfriendly fire に見せかけて射殺する場合、こうした行為は
fragging と呼ばれることがあります。
アメリカ軍の統計によると、戦闘による死傷者の2~25%は、friendly fireによるものだそうです。
レーダー技術やIT技術が発達しても、1991年の湾岸戦争や2002年のイラク戦争では、friendly fire の割合は低下していません。
2020年現在のように、GPSやビーコンID、ナイトビジョンといった、敵味方識別のためのハイテク機能があっても、friendly fire の根絶は困難です。
friendly fire で死亡した兵士については、遺族には原因は伏せられ、「名誉の戦死」として伝えられるそうです。
実際の戦闘は、PCゲームの画面の中とは全く異なります。
夕方や夜明け前に行われることも多く、薄暗い中で視界は狭くなります。
敵味方の射撃音が耳をつんざきます。
兵士たちはパニック状態になり、目の前の動く物全てを撃とうとします。
そんな状況では、自分がfriendly fire の加害者になるか被害者になるかは、紙一重です。
できれば今後の人生において、friendly fire の恐怖に怯える状況には陥りたくないものです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。