「談合」という言葉を聞くと、個人的には松本清張の小説に出て来るような、サスペンス的な雰囲気を感じてしまいます。
古めかしい言葉ですが、令和の世の中になっても、談合は日本社会のあちこちで密かに行われています。
時折テレビや新聞のニュースで、関係者の逮捕や家宅捜索の話題が報じられるのを見聞きなさる方も多いはずです。
談合とは、入札者たちが事前に利益を調整し、入札を骨抜きにすること!
念のために説明しますと、官公庁が行う公共工事や備品納入などの競争入札に際し、入札予定の業者たちが事前に話し合い、入札金額や落札業者の順番を決めることです。
本来、入札というのは各々の業者が競い合い、少しでも安くかつ質の高い品物やサービスを提供できる業者が受注できるシステムです。
それを、業者たちの業界団体が事前にグルになって、入札価格などの条件を調整し、各業者が万遍なく順番に利益を得られるようにします。
そのため、入札制度が骨抜きになってしまうのです。
この談合は、残念ながら世界各国でまかり通っており、英語でも談合を意味する言葉はあります。
談合は、二通りで表現できる!
一語で表現するなら、
collusion[kəlúːʒən](米国英語)[kʌˈlu:ʒʌn](英国英語)。
研究社 新英和中辞典によると
①共謀、談合、馴れ合い ②(法律、法学で)通謀 と訳されます。
collusion between contractors(請負業者)のように使われます。
collusionの動詞形は collude[kəlúːd](米国英語)[kʌˈlu:d](英国英語)となり、
「(~と)結託する、共謀する、談合する」という意味になります。
二語で表現するなら、口語ではありますが
bid rigging(入札談合)となります。
rigging の動詞形はrig です。
いくつか意味はありますが、これも研究社 新英和中辞典によると、
「(~を)不正手段で操る、(~で)八百長をする」という訳になります。
bid(入札)をrig(不正に操作する)ということで bid rigging と表現されます。
別の表現には put in (あるいはmake)a rigged bid (談合入札をする)があります。
選挙での不正の場合、rig an election(選挙で不正をする)と表せます。
最後に・・・。
今年4月に開催が来年2021年(令和3年)に延期された東京五輪や、2025年の開催を大阪府がごり押ししようとしている大阪万博でも、おそらく色々な工事で談合が行われている疑いがあります。
しかし今年のコロナ禍で、そうした目論見に狂いが生じているはずです。
もしこうしたイベントが中止という事態になったら、おいしい思いをできなかった業者たちが検察やマスコミに情報を流し、大きな騒ぎに発展するかもしれません・・・。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。