「Molotov cocktail」・・・?カクテルの種類にこんなのあったっけ?
今夜、行きつけのバーで注文してみるか・・・。
絶対に注文しないでください。
特に、海外旅行先のバーで
「Molotov cocktail」
と注文したら、大きな騒ぎに発展するかもしれません。
残念ながら、カクテルの一種ではありません。
物騒な物を意味している!
日本語に訳すと、
「火炎瓶」
となります。
注文されたバーテンダーも困惑してしまうでしょう。
Molotovは、旧ソ連で最高権力者スターリンの片腕として、首相や外相を務めた
Yyacheslav Mikhailovich Molotov(ヴャチュスラフ・ミハイロヴィチ・モロトフ)
を指します。
旧ソ連対フィンランドの戦争が起源?
モロトフが外相時代の1939年末、旧ソ連がフィンランドに侵攻した際(冬戦争と呼ばれます)、フィンランド軍はソ連軍の戦車に対する兵器として、火炎瓶を使用しました。
フィンランドではモロトフ外相(敵国の最高責任者の一人)の名を冠し、火炎瓶のことを「Molotov cocktail」と呼ぶようになったとする説があります。
この説が今日まで広く普及し、最も有力な説となっています。
世界一危険なカクテル?
ちなみに火炎瓶とは、主にガラス瓶にガソリン・灯油などの可燃性液体を詰めたり、可燃性液体を布に染み込ませ瓶に入れて作る、即席の武器です。
瓶が目標に当たって割れると、液体が飛散して発火します。
cocktail(カクテル)という表現は、もちろん皮肉がこもっていますが、言葉の選び方としては面白いです。
最後に・・・。
但し、一般のまともに生活している人なら、日常会話で「Molotov cocktail」を口にすることはほぼ皆無でしょう。
そして当然ですが、このcocktailは絶対に作ってはいけません。
日々の生活でムシャクシャすることがあるなら、酒屋さんでジントニックを買って、ジュースや炭酸飲料と混ぜて、本物のcocktailを作って飲んでください。
それで大抵の憂さは晴らせるはずです・・・。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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