2022年(令和4年)7月10日、第26回参議院議員通常選挙が行われました。
大方の予想通りの結果となり、投票率も約52%。
有権者の半分近くは、関心がなかったようです・・・。
今回紹介する
「seats up for grabs」
は、選挙に関連する用語です。
「seat」は「座席」だけじゃない!
まず「seats」ですが、単数形の
「seat」[síːt(米国英語), si:t(英国英語)]
については、大多数の方がお分かりでしょう。
劇場や球場などの
「席」
「座席」
を意味します。
日本語でも
「プレミアシート」
「チャリティーシート」
などと用いられています。
ただ、「seat」には複数の意味があります。
その中に
「議席」
「議員の地位」
という意味も含まれています。
大修館書店 ジーニアス英和辞典には、
「have a seat in the House of Representatives」(衆議院議員である)
という例文が載っています。
「grab」の意味を調べると・・・。
次に、
「up for grabs」
とはどういう意味でしょうか?
上記のジーニアス英和辞典で
「grab」[grˈæb(米国英語)]
を調べると、名詞形で
「ひっつかむこと、ひったくり」
「略奪、強奪、横領」
という意味がありました。
「ひっつかむこと」以外の意味は、
「議席」
との組み合わせとしては似つかわしくありません。
確かに議員の中には、議席を略奪・強奪したとしか表現できない人物もいますが・・・。
「up for grabs 」を辞書通りに日本語訳すると・・・。
「up for grabs」
について、上記のジーニアス英和辞典では
「〈略式〉手に入れやすい、一般に提供されやすい」
となっています。
オックスフォード現代英英辞典では
「(informal)available for anyone who is interested」((略式)興味のある人なら、誰でも手に入れることができる)
と表現されています。
辞書の通りに日本語訳すると、
「誰でも手に入れられる(可能性のある)議席」
「一般に提供されやすい議席」
となります。
そんな議席があるのなら、供託金を払って立候補したいところですが・・・。
新聞でよく目にする、あの言葉が正解!
正解は
「改選議席」
です。
参議院だと3年に1回、議員の半数が改選されます。
衆議院だと、4年の任期満了、あるいは解散によって全員が改選されます。
そうなると、理屈の上では立候補可能な人物全員に、議席を得るチャンスがあると言えます。
まさしく
「up for grabs」
誰でもつかみに行けるということです。
最後に・・・。
ちなみに、日本の参議院は英語表記では
「the House of Councilors」
となります。
衆議院は、上記の例文の通り
「the House of Representatives」
となります。
巷でよく言われる
「地盤・看板・カバン」
がなくとも、供託金(大体300万円ほど)を用意できれば、被選挙権のある人なら議員の席をつかみに行けます。
貴方はいかがでしょうか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました。