「one-upmanship」ってどんな船?試験に出ない英語手帳(第10回)

英語・その他外国語(夫)

one-upmanship?何かの船のこと?残念!

研究社 新英和中辞典によると

「他人より一歩先んじること」、「人を出し抜く術」という訳語になります。
また、「一枚上手に出る術」とも訳せます。

スポーツやゲームで、相手より1点多く得点を挙げる(one-up)ことが語源とされています。

(例文)
If you want to get ahead in the company, you have to practice

one-upmanship on other employees.

(会社で出世したいなら、他の従業員より一歩先んじなければならない。)

cf. practice one-upmanship on ~ : ~の一枚上手に出る、~より一歩先んじる、~の先手を打つ

反対の意味の表現としては、

be one step behind ~ (~より一歩下がっている=後手に回っている)、

fall[またはlag]behind~ (~(競争相手)に後れを取る)

などがあります。

この言葉を初めて目にしたのは、2004年(平成16年)にアメリカで出版された「The Cheating Culture」(著者:David Callahan)でした。

日本語訳版(「うそつき病」がはびこるアメリカ)は、同年8月にNHK出版から刊行されました。現在はAmazonなどで古書として購入可能です。

アメリカンドリーム、すなわち成功と富を手に入れるためには、学生時代からあらゆる手段を用い、他人より先んじなければなりません。

大学入試に有利になるように、高校でもカンニング、レポートの丸パクリなどは日常茶飯事。

医師に高い金を払い、学習障害の認定をしてもらうことで、入学試験の受験時間が一般の受験生より長くなり、有利になるそうです。

大学を卒業して企業に勤めても、自分の利益や出世のため、同僚を裏切り、上司に嘘をつき、取引先や消費者を騙し・・・。

そうして社会の梯子を上っていこうとします。

あらゆる職種で嘘、ズル、ペテン、インチキなど様々な不正が蔓延している実情を、この本は明らかにしていきます。

「one-upmanship」が歪んだ形で全米中に拡大していった背景を、明確に理解させてくれる良書です。

出版は16年前ですが、その後も状況はさして改善されていないようです。

昨年、アメリカのある有名女優の娘が、不正な手段で名門大学に入学したことが判明し、スキャンダルとなりました。

そして、現職のトランプ大統領や、娘婿のクシュナー補佐官にも、大学への不正入学疑惑がくすぶったままです。

「努力すれば報われる。」はアメリカ人の好きな言葉です(日本人もそうです)が、不正を行うために努力するというのでは、何だかやりきれない気持ちになります・・・。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。