世界シェア1位「ゲータレード」も日本市場から撤退していた!

先日のこのブログで、「味の素のスポーツドリンク『TERRA』を最近思い出した!」という記事を書きました。

 

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1984年(昭和59年)に味の素が、大塚製薬の「ポカリスエット」に対抗すべく発売しましたが、ポカリに全く敵わず敗れ去ったスポーツドリンクです。

同様に、ポカリに敗れ去ったスポーツ飲料として有名なのが、アメリカ生まれの元祖スポーツドリンク

ゲータレード(Gatorade)

です。

 

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学者が発明したゲータレードは、実は世界シェア首位!

ゲータレードは、1965年(昭和40年)にフロリダ大学の学者によって、同大学のアメリカンフットボールチームのために開発されました。

1968年(昭和43年)に製造権がアメリカ企業に譲渡され、その後二回の企業買収の結果、現在はペプシコ社(ペプシコーラで有名)の傘下で販売されています。

このゲータレード、実は世界のスポーツドリンク市場では

シェア1位

という、世界トップブランドの商品なのです。

ところが、日本では一時期ブームを起こしたものの、前述のポカリスエットからシェアを奪うどころか、2015年(平成27年)に日本での生産が終了してしまいました。

 

日本では、シューズメーカーが販売!

Wikipediaによると、1970年(昭和45年)4月に大正製薬(リポビタンDでおなじみ)が販売を開始したが、たった一年で撤退してしまったとのことです。

その後、スポーツシューズメーカーのスポットビルト(SPOT BILT)の、アジア総代理店が販売することとなりました。

一般社団法人「全国清涼飲料連合会」のWebサイトによると、

「日本では76年(昭和51年)頃に、米国から粉末タイプの『ゲータレード』が販売され、~」

と説明されています。

スポットビルトはシューズの販売が本業で、清涼飲料にはノウハウも販売網もなかったはずです。

そこで、スポーツ用品店を販路として活用し、粉末スタイルの商品(水に溶かして作る)を卸して販売してもらいました。

これが大成功しました。

また、水筒(スクイーズボトル)などのノベルティー(販売促進)グッズも人気を呼び、一時はスポーツドリンク市場を独占しました(当時はライバルが存在しなかったので当然ですが)。

 

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ついに超大手の雪印から販売されることになったが・・・。

しかし、アメリカ製造元との意見の対立により、1980年(昭和55年)に雪印食品(現:雪印メグミルク)が販売権を獲得。

飲食品業界の超大手である雪印なら、売上及び市場規模の拡大ができるはず・・・でした。

ところが、粉末タイプから缶・瓶入りにシフトしてコストが膨らんだことや、スポーツ用品店からの販路変更などで、意外な苦戦を強いられてしまいました。

そうしている間に、1980年(昭和55年)に発売開始されたポカリスエットが爆発的にヒット。

ゲータレードのシェアを奪い、市場のトップブランドになってしまったのです。

ゲータレードは「打倒ポカリ!」と奮闘しましたが、1983年(昭和58年)に日本コカコーラ社から発売された「アクエリアス」にすらシェアを奪われる始末でした。

 

あのサントリーが販売するも、ライセンス終了に伴い姿を消した・・・。

状況を打開すべく1998年(平成10年)にはポッカコーポレーション(現:ポッカサッポロフード&ビバレッジ)と提携し、ポッカの自販機ネットワークで販売を開始しました。

しかし、さしたる成果は上がりませんでした。

その後2004年(平成16年)からは、超大手飲料メーカーのサントリーが製造販売権を獲得。

その後10年にわたり、リニューアルを重ねながら販売されていましたが、2015年(平成27年)にサントリーのライセンス生産終了をもって、日本市場から姿を消しました。

現在は、米軍基地の交流祭などの機会に、基地内部で購入できるそうです。

あるいは、並行輸入業者に注文して取り寄せてもらうという方法もあります。

 

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小学生の頃、雑誌の広告で存在を知ったが・・・。

私がゲータレードの存在を知ったのは、小学生の頃に何かの雑誌に載っていた広告によってです。

「Gatorade」の文字が目に入りましたが、何と読むのか分からず、カタカナ表記を見て

「ゲータレードって読むのか。」

と思いました。

缶・瓶入りではなく、粉末パックの広告でした。

しかしそれ以降、ゲータレードをスーパーや自販機などで見かけたことはありませんでした。

前述の経緯を知ると、それも合点が行きます。

 

21世紀に入って初めて飲んだ!おいしかったのだが・・・。

結局、私がゲータレードを生まれて初めて飲んだのは、21世紀に入りサントリーが販売するようになってからでした。

コンビニで、広口キャップの500mlペットボトルが売られており、それを買って飲んだと記憶しています。

飲んでみると予想していたよりもはるかにおいしく、ちょうどいい甘さでした。

「これなら、結構売れるんじゃないか?」

と思ったものでした。

しかし残念ながら、ポカリスエットやアクエリアスのように、どこのコンビニや自販機でも買えるというレベルまでには広まりませんでした。

超大手サントリーの販売力をもってしても、「打倒ポカリ」の念願は叶わず、日本市場からの撤退を余儀なくされてしまいました・・・。

 

最後に・・・。

サントリーは現在も、同じペプシコ社のペプシコーラを製造販売しています。

ただ、こちらの方も日本市場では、ペプシの宿敵であるコカコーラに圧倒的な差を付けられています。

サントリーとペプシコは相性が悪いのでは?としか思えません。

前述したように、私は個人的にはゲータレードの味が気に入っています。

決してポカリスエットやアクエリアスよりまずい味ではないと思います。

しかし、ビジネスは商品自体の良し悪しに加え、タイミングや忍耐力、そして運も大きな要素であるということを、ゲータレードの日本での苦難の歴史から実感します・・・。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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