このブログをお読みいただいている皆様で、現在どこかの
人材派遣会社
に登録なさっている方、あるいは過去に登録なさっていた方は、どれほどいらっしゃるでしょうか?
1990年代後半から派遣労働に関する規制緩和が急激に進み、今や
「派遣社員」
の仕事は一般的なものとなりました。
人材派遣業界は急拡大、上場する大手も!
派遣社員として働きたい人を企業などに紹介する、人材派遣会社の業界も市場が急拡大。
一時は大小様々な会社が乱立していました。
その後、大手の数社が中小の会社をどんどん吸収合併し、中には株式市場に上場した会社もあります。
派遣先が派遣会社に支払う金額、派遣会社の手数料は極秘!
私の嫁は、現在自宅で
「在宅ワーカー」
として働いており、在宅ワークに関する記事をこのブログで発表しています。
それまでは、10年ほど派遣社員として様々な会社で、主にデータ入力の仕事をしていました。
派遣社員は原則的に時給制です。
たとえば1日7時間働けば、[時給×7]円が日給となり、月に20日働けば[時給×20]円が一月の収入となります。
時給の金額については、当然働く人本人に伝えられます。
しかし、
「派遣先の企業などが人材派遣会社にいくら支払っているのか」
は、絶対に派遣社員には知らされません。
人材派遣会社がマージン、すなわち紹介手数料を抜いた後の金額が、派遣社員に支払われます。
紹介手数料及び派遣先の支払額は、完全な企業秘密であり
「ブラックボックス」
のような状態です。
派遣会社間の『ピンハネ率』の違いが発覚する時がある!
そうしたことを派遣社員の人たちが知ってしまうと、労働意欲を失ってしまいかねないというのが理由なのでしょうか・・・。
同じ派遣先との契約でも、派遣会社によって手数料の金額・割合は異なっているはずです。
「金払いのよい派遣会社」
「金払いの渋い派遣会社」
に分かれるでしょう。
上記の通り、その辺の情報は秘密です。
本来は会社による差については、派遣で働く人たちには分かりようがありません。
しかし、時には会社による
「ピンハネ率」
の差が発覚してしまう場合があります。
同じ職場なのに、派遣会社によって時給額が50円違う!
私の嫁が、ある会社に派遣社員として勤めていた頃のことです。
その派遣先は金払いが結構よい会社だったらしく、時給は相場よりも割と高かったそうです。
他にも数人、派遣で働いている人がいましたが、全員が同じ人材派遣会社からではありませんでした。
三つの派遣会社からに分かれていました。
嫁は別の派遣会社から来た人とも仲良くなり、お昼休みなどには色々話をしていたそうです。
ある日のお昼休みにみんなで話をしていた際、ふとした話の流れから、ある人(Aさんとしておきます)が自分の時給額を口にしました。
そのまま話は別の話題に変わりましたが、嫁はある事実に気付いてしまいました。
「Aさんの派遣会社の時給、私より50円低い!」
わずかな時給額の違いが、1ヶ月では結構な差になる!
皆様はどうお思いでしょうか。
金額にしてわずか50円。
しかし、1日7時間働くとすると、50×7=350円の差が発生します。
週5日勤務だと、週に350×5=1,750円。
1ヶ月に20日働くとすると、1,750円×4=7,000円!
他は全く同じ条件で、同じ仕事をしていながら、月7,000円もの差が発生してしまうのです。
派遣社員同士でも、『同一労働 同一賃金』になっていない!
近年、日本社会でも
「同一労働 同一賃金」
を導入すべきとの議論が続いています。
しかし現実は、派遣社員同士でも、どの派遣会社から来るかによって、「同一労働」にもかかわらず「異なる賃金」になってしまいます。
派遣してもらう側の企業などは、複数の人材派遣会社と契約している場合が多いです。
上記のような例は、あちこちで存在しているはずです。
最後に・・・。
もし自分が
「時給が少ない側」
だと知ってしまったら、私なら普通の心理状態ではいられないと思います。
派遣会社に文句を言ったところで、時給を上げてもらえることは絶対にありません。
「気に入らないなら、辞めてもらっていいですよ。」
とあしらわれるのがオチかもしれません。
やり場のない憤りを抱えた心の中に
「鬼」
が現れ、そのまま棲みついてしまうのでは・・・?
人材派遣会社が成長を続ける源は、派遣労働者たちからの
「ピンハネ」
にあるのだと改めて知り、複雑な気分になります・・・。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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