2020年(令和2年)から続くコロナ禍の影響で、飲食業や小売業、娯楽施設など
「人と接する」
仕事が大打撃を受けているのは、皆様も当然ご存知でしょう。
そのため、正社員はもちろんのこと、学生や主婦のアルバイト・パートにもシフト減や休業、ひいては解雇などの悪影響が及んでいます。
学費や生活費を補うためのアルバイト・パートは、日本社会ではある意味不可欠な要素でした。
それが一気に減ってしまうとなると、大変な事態です。
コンビニのバイト、そして在宅ワークも希望者急増!
小売業の中では比較的コロナによる影響が小さいコンビニ業界では、日本人のアルバイト希望者が昨年から急増している旨が報じられました。
2年くらい前までは、バイトの募集にも人が集まらず、外国人留学生が不可欠な戦力となっていたほどでしたが・・・。
そして、インターネット上で仕事の募集・申込・採用・作業の全てを行う
「在宅ワーク」
への注目が、2020年半ば頃から一気に高まりました。
このブログでは、嫁が在宅ワーク関連の記事を多数書いています。
毎日一定数の閲覧をいただいており、在宅ワークへの関心が薄れていないことを実感します。
コロナ禍において失業したり、収入が減っている人がかなり多く、何とかして現金収入を得たいという切実な気持ちから、コンビニや在宅ワークの仕事に人が集まるのでしょう。
ネット出前の配達の仕事が、コロナを機に激増!
そして、もう一つの仕事にも希望者が多数殺到したことは、これまた有名です。
言うまでもなく、
「Uber Eats」
に代表される、飲食品ネット注文の出前の配達です。
Uber Eatsや「出前館」などは、3~4年前くらいから本格的に事業を開始していました。
しかし、コロナをきっかけに急激に需要が高まりました。
コロナ禍で生活が厳しくなった人たち(男性がほとんど?)が収入を得る場としても、注目を集めました。
出前配達の人たちが街中を自転車で駆け回る姿は、今や見慣れた光景です。
我々のほとんどが、少なくとも一回は利用したことがあるくらい、ネット出前は世の中に溶け込んできています。
ネット出前配達の仕事は、一番労働条件が悪い!
ここまでコンビニ、在宅ワーク、ネット出前配達の三つを挙げて来ました。
最もキツく、最も労働条件の悪い仕事は、間違いなくネット出前配達でしょう。
もちろんコンビニの仕事も、深夜のシフトや長時間の立ち仕事は疲れます。
非常識な客やクレーマー客への対応など、精神的にしんどいことも多々あります。
また在宅ワークも、1日中朝から晩までパソコンの前に向かい続けて、やっと月数万円という人がほとんどです。
時給に換算すれば、法定の最低賃金をはるかに下回っており、嫁が言うには
「好きな人、向いている人でないとやってられない」
仕事です。
コンビニの仕事や在宅ワークは、一定の待遇や裁量がある!
しかし、コンビニの仕事は勤務時間多少で変動はあるものの、毎月大体の収入見込みが立てられます。
また、アルバイト従業員にも一定の待遇は保証してくれます。
在宅ワークについては、確かに長時間労働を要し、最初のうちは仕事にありつくのにも苦労します。
ただ、自宅で働けるのは大きな利点です(特に現状では)。
対人関係で悩むこともありません。
加えて、コンビニでも在宅ワークでも、多少は自分自身が考え、工夫して仕事ができます。
たとえほんの小さな部分でも、自分の裁量で改善・効率化を図っていくことで、アルバイト従業員も在宅ワーカーも雇い主や依頼主から信頼を得られます。
そして、継続して仕事を続けたり、次回以降も仕事を依頼される可能性が高まります。
Uber Eatsの配達員は、バイトではなく『個人事業主』扱い!
それに比べ、ネット出前の配達、特にUber Eatsの仕事には、安定した仕事・収入や一般的な待遇は期待できません。
ご存知の方も多いと思いますが、Uber Eatsの配達員はアルバイト・パート従業員ではありません。
Uber Eatsから仕事を
「請負」
している
「個人事業主」
扱いなのです。
Uber Eatsからのきちんとした研修などもなく、配達エリアも必ずしも一定していません。
土地勘のない慣れない地域を、スマートフォン片手に右往左往する場合も多いらしいです。
加えて、Uber Eatsは以前から
「現在配達員がどこまで来ているか」
が客のスマホで確認できるようにしています。
客へのサービスのつもりなのでしょうが、配達員の人がそこまで「監視」されていることに、我々客の方がむしろ引いてしまいます・・・。
残念ながら、同業他社も同じようなシステムを最近導入しました。
個人的には、このシステムは不要だと思うのですが・・・。
『時間を切り売りする』だけの仕事に・・・。
Uber EatsとUberタクシー配車(こちらは日本では認可されていません)は、世界展開を進めています。
しかし多くの国でトラブルが続出し、大きな社会問題になっています。
実質的にはひたすらUberの指示通り働き、裁量権など全くないにもかかわらず、働く人たちは対等な立場の
「個人事業主」
とされ、一般的な労働者が持つ権利を与えられません。
様々なトラブルに対しても全面的に負担・責任を負わされながら、賃金はそれに全く見合いません。
まさしく
「時間を切り売りする」
だけの仕事となってしまっています。
こうした類の労働形態が日本でも真似され、広まっていくことには、大いに不安を感じます。
最後に・・・。
労働とは、どんな仕事でも
「自分の時間の一部を売る」
ことには変わりありません。
しかしその中で、自分の頭や力で考え行動することで、様々な技能や知識・経験を獲得できることに意義があります。
Uber的な仕事は、今や社会インフラの一つに近くなっています。
しかし現状のまま普及していっても、働く人々に
「将来への展望」
は見えそうにありません。
「アルバイトなんだから、将来への展望なんて求めてもしょうがない。指示されたことをひたすらやるしかないのでは?」
という意見も出るかもしれません。
しかし、Uber Eatsは前述の通り、会社と個人事業主との請負契約という形態です。
個人事業主なら、もう少し対等に近い立場になって然るべきです。
そして、働くことで将来への展望を描けるのが普通ではないのでしょうか・・・?
最後までお読みいただき、ありがとうございました。