ネタバレなし:映画「セッション9」はジャパニーズ・ホラー的!

今回ご紹介する映画

「セッション9」(原題:Session 9)

は、2001年(平成13年)公開のアメリカ映画です。

著名な監督の作品ではなく、ハリウッドスターが多数揃っている大作でもありません。

そのため、日本公開時も全国の大劇場でロードショー公開とは行かず、ミニシアターでの単館公開となりました。

しかし、主役には「マイ・ネーム・イズ・ジョー」(イギリスのケン・ローチ監督作品)でカンヌ国際映画祭主演男優賞を受賞した、ピーター・ミュランを起用しています。

作品の内容も、普通のアメリカン・ホラーとは一味も二味も違う、どちらかと言えば日本人好みのテイストです。

 

スポンサードリンク

廃病院の内部解体に、5人の男たちが集まった!

舞台はアメリカのマサチューセッツ州。

19世紀末に建てられ、1985年に閉鎖されたままになっていた病院があります。

その名は「ダンバース州立精神病院」

閉鎖後しばらくして、建物を再利用する計画が持ち上がり、老朽化した建物内部を解体することになりました。

アスベスト処理業者のゴードンは、経営難の中で何とかその仕事を受注しました。

工期はかなり厳しいですが、1週間以内に作業を完了させれば、1万ドルの追加ボーナスが出ることになっていました。

ゴードンは早速、長年コンビを組んできたフィル、何度も仕事に呼んだことのあるハンク、同じく顔なじみのマイク、そしてゴードンの甥ジェフを呼び寄せ、5人のチームで解体作業を開始しました。

 

スポンサードリンク

5人の男たちには、それぞれ悩みがあった・・・。

しかし、5人はそれぞれ問題を抱えていました。

ゴードンは、娘エマの感染症(洗礼の際にうつされた)に悩んでおり、同じく心を痛めている妻ウェンディーともギクシャクしています。

フィルは、恋人を奪ったハンクを嫌っています。

ハンクは、解体業から足を洗いたいと望んでいます。

マイクは以前ロースクールを中退していましたが、復学して弁護士になる夢を捨てられません。

一番若いジェフだけはお気楽そうですが、解体業は素人同然。

しかも、解体作業には致命的とも言える、暗所恐怖症でした・・・。

スポンサードリンク

解体作業の途中で、診察の録音テープや古いコインの山が発見され・・・。

作業が進んでいく中、マイクはある部屋で、24年前の入院患者の診察(セッション)が録音されたテープを発見します。

好奇心に駆られたマイクは、他のメンバーに内緒でそのテープを聴くようになります。

一方ハンクは、ある入院患者が壁のレンガの隙間に長年に渡り隠し続けたと思しき、古いコインの山を発見します。

ハンクは、それをこっそり自分の物にしようと企みます・・・。

解体作業の進行に伴い、5人の男たちの精神が、微妙に変化をきたし始めていきます・・・。

 

ハリウッドお得意のスプラッターではなく、日本のホラーに似た趣の怖さ!

ネタバレにならないよう、これ以上の詳細は書かないでおきます。

最初にも書きましたが、この作品は一般的なハリウッドのホラー映画とは趣がかなり異なります。

殺人鬼や怪物が次々と人を襲い、血しぶきがドバっと飛び散る「スプラッター」的な作品ではありません。

それぞれ心に問題を抱えた男たちが、いわくつきの精神病院の跡地で、暗い中で解体作業を行う中で精神的に追い詰められていきます。

それと並行して不可思議な現象が起こります。

我々観客も、どれが男たちの錯覚・妄想でどれが怪奇現象なのか、段々分からなくなってきます。

手法がどことなく、日本のホラー映画やテレビドラマに通ずる感じなのです。

日本のホラー映画のレベルの高さは海外にも知られており、「呪怨」の清水崇監督は、ハリウッド映画でメガホンを取ることとなりました。

他にも「女優霊」や最近の「事故物件 恐い間取り」などで有名な中田秀夫監督、鶴田法男監督などの優れた才能が次々と出て来ました。

血も出ない、人も襲われないのにメチャクチャ怖いシーンを生み出す「ホラーの達人」たちは、外国でも高く評価されています。

この「セッション9」は、日本のそうした流れ(1990年代後半あたりから)をいち早く察知し、取り入れたのかもしれません。

映画が進んでいく中でも、観る者をダレさせない演出が張り巡らされています。

我々観客は絶えずドキドキし、かつ今後の展開を考えながら観て行かざるを得ません。

こけおどしの演出が全くなく、恐怖がゆっくり、じっくりと心に染み渡ってきます。

 

最後に・・・。

私がこの作品を観たのは、今はなき大阪梅田の「扇町ミュージアムスクエア」のレイトショーでした。

観終わった後、最寄りの駅まで歩いて帰ったのですが、梅田の都会の割と明るい夜道が、何となくいつもと違う感じに思え、ちょっと怖かったのを思い出します。

DVDはレンタル可能です。ホラーファンには是非ご覧いただきたい作品です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

スポンサードリンク