現在、大阪市中央区の高島屋難波(なんば)店の真向かい側では、マルイの大阪店が営業しています。
そのビルの上層階には、シネコンの「なんばTOHOシネマズ」が入っています。
しかし十数年前までは、そこは「南街会館」というビルで、映画館(東宝系)3~4館やゴルフ練習場などがテナントで入っていました。
地下もあり、そこにはカレー店や喫茶店、うどん屋などが並んでいました。
そして、大きなCDショップがありました。
大手の店ではなかったが、駅から近く、夜遅くまでやっていて便利だった!
タワーレコードやHMVといった大手ではなく、
「スターレコード」
という店名でした。
店内はかなり広く、CDやDVD、ゲームソフトを主に販売していました。
私の学生時代から営業しており、学生の頃や社会人になってからも「なんば」駅(地下鉄と南海電車)を使っていたので、ちょくちょく足を運んでいました。
夜も10時か11時まで開いていたので、仕事で遅くなった帰りにも寄れて、便利でした。
社会人になって、使えるお金に少し余裕ができるようになると、それまでほとんど買わなかった洋楽のCDを結構買うようになりました。
それに伴い、あまり行かなかった店内の奥の方(洋楽の輸入盤や、ワールドミュージックのCDを置いてました)もウロウロし始めました。
ある日、洋楽輸入盤のコーナーを物色していると・・・。
そんなある日、仕事帰りにスターレコードに寄った私は、洋楽の輸入盤のコーナーでCDを品定めしていました。
色々見ているうちに、ある一角のCDの品揃えに何と無く引っかかるものがありました。
洋楽だと、普通はA~Zのアルファベット順に分けられています。
ところが、その区画ではスティング、マドンナ、U2・・・という感じで、色々なミュージシャンのCDが雑多に並んでいました。
そしてジャケット写真も、あまり記憶にないものばかりでした。
ジャケットをじっくり眺めてみると、どこかのサッカースタジアムの名前や年月日が書いてあったり、イギリスのBBCのチャリティーライブと書いてあったりしました。
音質がモノラル、価格が安過ぎる、レーベルが無名・・・まさかの事実が!
「ああ、そうか。ミュージシャンのライブを録音したライブ盤ばかり固めて並べてるんだな。でも、日本未発売のものばかりっぽいな。」
と、一旦は納得したのですが、よくよく見ると音質がモノラルになっています。
また、いくら輸入盤でも価格が1,000円前後(しかも2枚組だったり、CD収録可能時間ギリギリの長さだったり)と、あまりにも安い・・・。
とどめは、レーベルがどこの会社か分からない、超無名レーベルでした。
「あれ、これ何かおかしいな・・・。」
そう思って視線をふと上げると、仕切り用の板にシールが貼ってあり、
「ブートレッグ」
と書かれていました・・・。
そう、そこに置かれていたCDは全て「海賊盤」だったのです。
正規品を売っているCDショップで、海賊盤が堂々と売られていた・・・。
ミュージシャンのスタジアムライブや、ラジオで放送されたチャリティーライブなどを勝手に録音し、当然ミュージシャンやレコード会社には無断で販売しているのでした。
個人が雑居ビルなどで経営している中古CD屋では、時々ブートレッグCDを見かけます。
しかし、正規品のCDを販売している店で、堂々と海賊盤を売っているとは・・・。
最後に・・・。
以降も「ブートレッグ」のコーナーはずっと残っていましたが、21世紀の少し手前に、スターレコードは別の場所に移転してしまいました。
令和の今、スターレコードはどこかで頑張って営業しているのでしょうか・・・。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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